ちょっと前から「ブログか書くひとと書かないひとの違い」というのを考えていたのですが、ソーシャルメディア全体に言えることなんじゃないかな、と思って備忘録にまとめておこうと思う。割と質問があって需要がありそうな話なんですが、いっそのことみんなにもちょっと考えてもらえればと思っていたり。

 

 

 端的に言うとソーシャルメディアアカウントについて何ですが、facebook、mixi、twitter、Blogといろんなプラットフォームがあるなか、「社長から鶴の一声でプロジェクトが始まったものの、どこから手を付けたらいいのか分からない」という宣伝・広報担当者の方も多いんじゃないでしょうか。気づけばどこも「facebookセミナー」。プラットフォームとはいうものの、若干バズワード化している感じがなんとなく僕の性に合わない。

 前置きはさておき、「facebookページとかmixiページとかで何をすればのか」という結論を先に書きますが、「(最終的には全部やったほうがいい場合もあるけど)facebookやmixiで、というツールありきの発想はやめよう」ということなんじゃないかと思います。

 例えば、僕はうどんが好きなのでうどんで考えてみると「自宅で簡単!手打ちうどんキット」というのが仮にあったとして、これはまあ香川のうどん屋秘伝のうどん粉を用いた魅力的なキットなわけなんだけれども打つときに重要なのが綺麗なお水。これはサントリーが採取する南アルプスからうどん粉がもっともコシを発揮できる軟水になっていて、かつ採取場のほとりに生い茂るハーブその他の薫りのおかげで非常に美味となっているとしよう。あと普通の家庭にはうどんをトントン切れる包丁とかないはずだから、これもまた香川のうどん職人達御用達の包丁屋さんから仕入れたうどん用の包丁、あとうどんをトントン切っていくときに使う押さえ木もついてる。ダシに関しては、レシピ集が付いていて近所のスーパーとかで気軽に購入できる調味料その他をブレンドすると絶妙なダシが手作り可能。ちなみに公式のダシは別売りになっていて、販売元のECサイトから日本各地のご当地ダシを購入可能だ。なお、うどん初心者はだいたい一、二回は綺麗なうどんを切れないから五食セットでうどん粉が小分けになってる。みたいな感じだ。これで2万円だよ。結構安いんじゃないかと思う。いま書きながら考えただけだけど。

 で、プロモーションを考えるわけですが、この「自宅で簡単!手打ちうどんキット」というのを売り出していくにあたり、販売戦略を練っていくわけですが、主なターゲットは2人いる。

①40代以上の男性。余暇時間が多く、趣味としていろんな活動に参加したり自分磨きをやっていきたいと考えるおじさん。

②20代後半〜30代女性。概ね専業主婦で、料理が大好きでパンなんかも焼けちゃったりして週末は娘とクッキーとかサクッとつくる感じ。

 上の二人で考えた場合、①のおじさん、②の主婦とどちらに商品をプッシュしたほうがいいか考えよう。基本的にネットのプロモーション想定なんで、親和性の高い②のほうがアプローチはやりやすい印象(ここはきちんとデータで比較検討の余地アリ)。いったん②の専業主婦で考えよう。

 ここからソーシャルメディアの話。どこから手をつけたらでしょうか。いったん各メディアの一般的な傾向を考えると、

 

■twitter

140文字でのコミュニケーションが大前提。なお、アカウント同士の平均的なコミュニケーションはだいたい1時間以内でほぼ完結。ゆるく繋がったユーザー同士のチャット的な会話を楽しむユーザーが多いため、企業公式アカウントは@NHK_PR@nissenのようなネタ感を意識したツイートが多い。公式、非公式問わずRTされなければ、その時点でのフォロワーにしか情報をリーチさせることができないので、拡散性を意識して1ツイートの瞬間最大風速を狙いに行くのがベスト。公式アカウントを運用するのがしんどければ、キャンペーンでの活用を考えたほうが無難。

■facebook

ブランドに「いいね」が付きやすく、企業とユーザーの関係を考えると、どちらかというと企業対ユーザーという縦の関係(どちらかが上っていうわけじゃないよ)。リッチなアプリケーションをつくりこめるので、ブランディングを意識したコンテンツと定期的な“公式アナウンス”向き。ユーザー⇄企業というアクションを、その周囲に波及させていくような設計が好まれる。

■mixi

「髪を触られるのが好き☆」みたいなコミュニティで109614人もの参加者がいるのをみると、facebookと違って“自己表現のためのアイコン”としてコミュニティへ参加するユーザー多数。活発にコミュニティへコメントするユーザーは、facebookよりもユーザー⇄ユーザーという関係。企業アカウント(mixiページ)上で何か施策を行うのであれば、ユーザー⇄ユーザーのコミュニケーションにドライブをかけるような施策であったり、mixi特有の文化(いまだに見るけどバトンとか)に着目したものがいいのでは。

■Blog

はてなAmebaのようにブログネットワーク毎に特性が異なるけど、twitterやfacebookと比べ長文でmixiよりもオープンに情報を発信していきたい意欲が強いので、何かを体験させるようなイベントがベスト(リアル/ネット関わらず)。体験のなかで、何か新しい発見があったり得したり、感動したりするコンテンツを用意して、記事を書くモチベーションをなるべく保ってもらうのが重要。

 

 みたいな感じだ。この「自宅で簡単!うどんキット」はtwitterユーザーに受け入れてもらえるだろうか?facebookに「うどんつくったー」と書けば「いいね」を押してくれるかもしれません。あ、「うどんつくったー」っていうtwitterアプリあったら面白いかもね。

 ただ、こういう割とニッチな商品特性を踏まえると、ウェブ上で情報拡散が起こって爆発的に売上が上がるというイメージ自体が少し難しいかもしれません。「うどんキットの課題」は、どちらかというとリーチというより、自宅でうどんつくったら楽しいよっていうことが普通のひとには理解しにくいことが問題だ(自分で商品考えたわけだし)。ターゲットの年齢や初動のプロモーション展開を考えると、検索中のユーザーのためにBlogでの体験情報を効果的に見せて行くことや、うどんキットユーザーのためのコミュニティをmixiでつくって、企業としてはmixiページでコミュニティからの情報をレシピ集としてまとめたり、特定のユーザーは“うどんセミプロ”認定してあげたりするのが一番かなと思います。ちなみに、僕個人としてはCOOKPADで「うどん2.0 -あなたがつくる次世代うどんコンテスト」とかやるのがユーザー的には一番喜ばれるんじゃないかなと。。。汗。あとABCクッキングスタジオとコラボしてもいいかもしれない。プロモーションサイトでは、えっと、ダシポータルサイトっていうのをつくって、うどん以外にも使える調味料をシミュレーションできるっていうのはどうでしょうか。ダシミュレーターには「作成してみた」「つくってみた」「たべてみた」機能っていうのをつけてみんなでおいしいダシを見つけられるっていう。

 うどんの設定に凝ったせいで、別にfacebookじゃなくてもいいじゃんっていう話になってしまいましたが、ソーシャルメディア上での施策を設計するのであれば、各プラットフォームが何かを解決するわけじゃなくって、なかで起こっているユーザーとコンテンツの化学反応が課題を解決するということを意識したほうがいい。

 facebookやmixiそれ自体は素晴らしいプラットフォームだし、担当者の方も「何か面倒くさそうだなあ」という印象を持たれるのはとても残念です。機能やその規模が話題になりがちな今だからこそ、きちんとした課題設定や解決策を考えていきたいもんだなあと思う。

 ふざけすぎて失望してしまった方のためにfacebookページで使えるリンクを貼っておきます。みんなもfacebookページつくってみたらいいと思うよ。

 

#「使えそうなfacebookアプリ」

 どのアプリもRSSやTwitterアカウントを登録すればウォールと別に整理して表示してくれたり、Youtubeやその他テンプレートは豊富。下記にざっと有名どころを列挙してみましたので、お好みで選んでみてはいかがでしょうか。ただし既存のfacebookアプリなので、アイコンを自社仕様にしたりデザインを変更したりするのは難しいです。自社ブランドをお持ちであれば、既存のアプリを利用した場合のユーザーの印象はデメリットとして考慮しておいたほうが良いかと思います。

 

・Involver

【Point】

普通に思いつきそうなことは一通り揃っていて、デザイン的にも無難です。ただし、無料で利用するには自社のfacebookページへインストールできるのは2つまで。

 

・スタティックタブ Plus(Adcode Co., Ltd.)

【Point】

HTMLを書き込めば完全にカスタマイズ可能なページが作れるアプリ(10タブまで)画像ファイルはDropboxの公開フォルダへアップロードして連携。

 

・Hivelo Social Apps

【Point】

RSSやYouTubeに加えて、スタッフ紹介や商品ページ、お問い合わせフォームなど痒いところに手が届く感じで好印象。ただしもちろんテンプレートなのでデザイン変更はできません。

 

・BandPage

【Point】

音楽をつくってるひと向け。YouTubeやSoundCloudへアップロードした音源を、まとめてfacebookページのタブに追加することができます。Shareボタンはもちろん、Buyボタンを設置してiTunes Storeの自分の楽曲へリンクさせることも可能。デザインがかっこいよね。

#「Wordpress」からfacebookページへHTMLを突っ込む

 Wordpressでウェブサイトを運用している方は、アプリをわざわざ使わなくても固定ページ(静的なページ)を作成後、facebook DEVELOPERSから登録すれば大丈夫です。この方法を使う場合、facebookで追加可能なサイズにしておくこと(横は520pixel)や間違ってもサイトを丸ごと突っ込んでしまったりするあたりには注意が必要です(固定ページ=いわゆる記事の部分だけ抜き出してfacebookへ登録しておくこと!)。パッと覚えてる範囲では以下のツールが便利です(HTMLがある程度分かるひと向け)。

 

・Facebook Tab Manager

【Point】

WordPressプラグインです。既存のWordpressサイトに導入してfacebookページへ流し込む固定ページを作成できます。オススメ。

 

・Flexible

【Point】

こちらはWordpressテーマになるので、facebookのページ量産用にひとつサイトを作ってしまって、facebookへ登録する流れです。量産するならこっちが便利かも。ちょっと古いのでPHPが分かるひとにカスタマイズしてもらったりするといいかも。

 

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