僕の好きな「アメリ」という映画のなかで、主人公の女性が(確か)奥さんを亡くして落ち込んだ父親を励ますために、こっそり庭に置いてあった小人の置物を連れ出して、世界中の観光地が写り込んだ記念写真を現地から送るっていうシーンがあるんです。もちろん父親には内緒。実際はキャビンアテンダントに頼んで、仕事先で記念写真を送ってもらっていたのですが、とても素敵な場面でたまに思い出します。

 

実はこのサービス、本当にあるらしい。詳しくは↓

・「人形を旅行へ」事業が話題に、チェコ版「マネーの虎」から誕生。

 

 

この事業を始めたのは、その名もトイ・トラベリング社。同社のサービスはこうだ。まず、いくつかあるコースを選んでトイ・トラベリング社へぬいぐるみを郵送する。それを受け取ったトイ・トラベリング社がチェコ国内の観光名所にぬいぐるみを“案内”。各所でぬいぐるみの記念写真撮影を行い、そのデータを CD-Rに収めて持ち主に郵送するという流れだ。

価格は写真(30枚)や毎日のメールによるコミュニケーションなどを含む基本コースが 90ユーロ(約1万1,000円)。さらに写真(CD-Rに30枚、プリント20枚)やぬいぐるみへのアロマテラピー(写真証明付き)が付いた140ユーロ(約1万7,000円)のコースと、写真(CD-Rに50枚、プリント30枚)やアロマテラピー、マッサージ、ハードカバーの特製アルバムが付いた 150ユーロ(約1万8,000円)の3コースが用意されている。

 

ただ、仏通信社AFPはチェコの旅行アナリスト、ヤロミール・ベラネク氏による「大きな経済インパクトがあるようには思えない」との見方を紹介。人間ではなく、ぬいぐるみを対象とした旅行代理店という珍しい事業だけに専門家の見通しも分かれているようだが、トイ・トラベリング社は今後、ドイツやハンガリー、スロバキアへのツアー拡大にも意欲を見せている。欧米や日本からの申し込みも待っているそうで、出資者の期待に応える成果が出せるのか、これからの展開が楽しみなところだ。

 

確かに、旅行アナリストの言う通り。収益性は低いのかもしれません。ただ、それはサービス=収益源という前提でのみ成立するってことを考慮に入れてない。

 

例えば、ぬいぐるみの写真がこのトイ・トラベリング社のウェブサイトやSNSサイトにアップロードされるとしたらどうだろう。

 

サービスを申し込む“見込み利用者”は申し込む前に参照しながら検討するはずだし、互いに旅に出たぬいぐるみを自慢し合うかもしれない。ぬいぐるみを先に旅立たせて、写真を見るうちに自分も行きたくなるユーザーもいると思う。いろんなパターンがあると思うけど、間違いなく「トラフィック(≒アクセス数)は大きくなる」はずだ。しかも、「ぬいぐるみを観光地まで連れて行きたい」っていうとってもコアなユーザー。

 

ウェブの世界でとても重要になるのが、この“トラフィック”というコトバです。この例で言うと、ある程度トラフィックを稼ぐことができれば、ウェブサイトのなかに旅行系の広告を配信して掲載料を貰うってのもありだし、トイ・トラベリング社のサイトから提携サービスを提供する(人間用の)旅行パッケージを申し込んだひと一人につき¥○○-というように、成果報酬型の広告を仕込むことだってできる。

 

要は“周辺分野をどこまで収益化するか”ってこと。mixiは利用がタダなのでユーザー数を増やす→その分、性別/年齢などの属性情報も集まる→広告メニューや広告掲載枠も増える。ってのと根本的には同じ。「サービスは格安、収益は周辺分野から稼ぐ」っていう考え方だ。

 

これからの広告代理店もとい広告会社は、そういう収益源を鋭く指摘してあげることも、業務の一部になってくる気がする。

 

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