少し前になるのですが、検索エンジン系の話で気になった記事があったのでメモ。

・【リサーチ】検索連動型広告にブランディング効果はあるのか? from 株式会社ルグラン

 

この記事のソースとして、使われている東京大学大学院(人文社会系研究)のレポートがコレ↓

・検索連動型広告に表示されるか否かがブランド資産に与える影響-検索連動型広告にブランディング効果はあるのか-(PDF)

 

レポートの結論は「検索連動型広告はブランディングに貢献しない」とされているようです。

 

でもどうだろう、このレポートで言及しているのは“ブランド体験”とか、何かファクトとして存在するものがあるカッコ付きの“ブランド”に関して指摘するものであって、ブランド想起率とかブランド認知率、SOV(Share of Voice)として語られるときの“ブランド”というものではないんじゃないかなというのが個人的な考えです。

また、そもそも“検索”という行為自体をこの実験方法では考慮に入れていなくって、「本当に興味があって探しているネットユーザー」に対する「ニーズの受け皿としての検索連動型広告」という視点がない。

まあ普段から邪魔だと思ってるのか否かは別として、当事者としてそのあたりうまく説明してるうなあと感じたポストが次↓。スケダチの高広伯彦氏。個人的にはシンパではありませんが、これは分かりやすい。

 

・「検索連動型広告は「ブランディング」に効果があるのか。」 from mediologic

要点はこうだ

① ブランディングの定義が問題

“ブランディング”には2つの使われ方がある。広告業界の一般的な使われ方と、ブランド論の文脈で使われる意味合い(ブランドとは Brand ExposureとBrand Experienceの総体によってもたらされる企業活動)。検索連動型広告はブランディングに効く、といった場合それは商品体験などを含まない、Brand Exposureと同義で使われる。よって本調査の前提となっている記述と実情との間に大きなギャップがあると言わざるを得ない。

② ランディングページまで、つまり導線まで考慮に入れるべき

広告主が検索連動型広告にブランディングを求める、といった場合には、そこに表された広告テキストだけでなく、その先のランディングページへの到達を含めた上で、ブランディングを期待することを意味している。

③ イエローページ/タウンページとしての「検索連動型広告」

検索連動型広告はキーワードに連動する広告である。そのため、消費者側が「調べる」までは「ブランディング効果はゼロ」といってもいい。しかし「調べる」という契機に入ったときにそこにブランド名がなければ「知られる機会」がなくなってしまう。同様に検索連動型広告についても「ブランディング」を期待している、という前に暗黙の了解として「(ターゲット消費者への)ブランディングの”機会”」を購入している(しかも成果報酬型で)と考えるべきである。

④ 検索連動型広告におけるブランディングはカテゴリーでの想起率で考えなければならい。

前項(2)(3)での話はこの↑ようにも言い換えられる。ブランド知名の想起、特にある商品カテゴリー内での想起率というものが期待される。「低燃費車(fuel efficient cars)ならHONDA」というBrand Association についての機会が得られることを広告主は期待している。

⑤ 興味を持っていない人のキーワード検索とブランド名との関係は、生じなくても当然。

調査では、実験参加者に10のカテゴリーからキーワードを選ばせているが、この時点で検索連動型広告の真実とは大きくかけ離れた「実験室での実験」となっている。重要なことは「検索とは消費者の興味が生まれたときにはじめて起こる情報行動である」ということである。なので興味形成がされていない段階で実験参加者にキーワードを入力させ、そこに表示された広告テキスト、ブランド名との関連性を調べるのは全くもって正しい検証ではない。

 

じゃあ検索行動をどう利用したらいいだろう。参考になりそうな記事がAdvertising Ageに掲載されてました。2006年の記事ですがけっこう参考になります。引用したブログ記事も的確なのでご紹介します。

 

・「One Medium PR People Should Buy: Search」from Advertising Age

・「炎上」したら検索を買え。「対話」型のテキスト広告

事例として紹介されていたのは日本のキッコーマン。ことの発端は“Kikkoman soysauce not vegan?”(キッコーマンの醤油は純植物性ではない?)という掲示板。この掲示板をきっかけにキッコーマンの検索ランキングは自然と上昇し、間違った情報を広める結果となってしまいました。その際カウンターとして活用したのが、検索連動型広告ってわけ。広告テキストは、

 

“Soybeans, wheat, salt, water. Nothing else added.”(大豆、小麦、塩、水、以上。)

 

というもの。そして醤油の作り方を詳細伝えるHPへと誘導したそうです。検索連動型広告のメリットとして見落としがちなもののひとつに、「掲載文を割と簡単に直せる」というものがあって、そういったキャンペーン向きの性質を上手く利用したコミュニケーションだなあと思います。

 

盲点ですがタイムリーな情報は検索してくれたユーザーだけに、ってのもアリかもね。