ZINEを作ろう!と思い立ったので、「そもそもZINEって何よ」というところから制作までやっちゃおうという連載企画。つくろう!の前の長い道のりを紹介していきますが、今回のテーマは「とりあえず本屋に行く」。というわけで、ZINEを取り扱っている本屋さんへ行ってきたので紹介してみます。
目次
ZINEを取り扱っている本屋?
本屋に行けばあるかな・・・という甘い考えで近所の本屋さんへ行ってみたけど、まあ無いよね。というわけでもうちょっと調べてみた。
リトルプレスというジャンルの本がある
ZINEって自費出版の多いというか基本的には商業出版じゃないんですよね。そもそも出回ってないという!稀にカルチャー系、特に音楽や建築、アート系のイベントに行くと売ってたりするんですが、まとまって見ることが出来る場所として専門店が無いか調べてみました。初めて知ったのですが、大手出版社による数万部の出版形態ではなく、数百~数千部ぐらいお小規模部数で自費出版を行うケースというのは割とあるそうで「リトルプレス」というジャンルとしてあるそうです。
そんで、ZINEもカルチャー的/志的には似たところがあるので、一応リトルプレスに属すると判断されるケースは多いらしく、リトルプレス系の本を多く取り扱う本屋さんではZINEが置いてあることも多いみたい。
本屋(専門書店)に行かなくちゃ
ZINEに関わらず、ネット上でいろんなもの(イベントもUstreamで参加できる)が見られるようになった昨今ですが、ここはやはり実物を手に取って読みふけりながらコーヒーを飲むなどして、参考にしていきたいと常々思ってました。本屋とか好きですし。
ZINE・リトルプレス専門店 Books DANTALIONに行ってみた
中崎町の「DANTALION」へGO!
ということで探してみた結果、大阪にもZINE・リトルプレス系の専門書店を発見。中崎町の「DANTALION」さんのところへ行ってきました。
大阪駅からほど近い中崎町というところにあるのだけれども、行くとたいてい迷います。入念に地図を確認しましたが、やはり迷いました。中崎町内のサクラビルを目指し、チャリンコで迷うこと十数分。怪しいビルを発見。
入るとすごいことになってた。大学の学生会館みたい。
小さな事務所がたくさんあって、それぞれSHOPをやったり設計事務所があったりと面白いビル。フライヤー貼られまくりの踊り場を抜けて300号室へ。
店構えからすごい感じ。白黒で撮影するとホントに大学時代の学生会館みたい。
店内は個性的なZINEだらけ
お店に入ると事務所ほどの広さの店内にずっしりリトルプレス系の雑誌やZINEがずらりって感じです。
人のよさそうな店長さんに「ネットに載せてもいいですか?」と訊くと、「僕を含めて著作権フリーです」とのこと笑!写真撮ればよかったなあ。
店内にあるものは大きく分けると、ZINEと、あとリトルプレス系のマガジンが少しといった感じ。ZINEは①ホチキスで留めたような完全DIY系、②印刷所を通して発刊した手の込んだもの(懲凝りようも様々)と大きくふたつ。テーマは地元のおいしい食材やお店を紹介した個人的なものから、撮りためた写真をまとめたアートブック、イベント取材を行って制作した編集スタイルのものまでたくさんある模様。
並べてみると作品集って感じの趣き
個人的な趣味の作品から、デザイン事務所がつくちゃったものまで。表紙に見覚えのあるひとが写ってるZINEがあるなと思ったら、でんぱ組Inc.の夢眠ねむだった!編集プロダクションが自主制作でつくっているZINEでした。ホントにいろいろあるなあ。
参考までに店長の堺さんに根掘り葉掘り訊いてみました
naka_chang:お店で一番の売れ筋というか人気のZINEってどんなやつですか?
堺店長:うーん。人気のやつって売れちゃってすぐ無くなっちゃうんですよね
なるほど笑。
naka_chang:リトルプレス系の本を取り扱うのって流行ってますけど、ZINE専門って珍しいですよね
堺店長:雑貨屋さんとかにたまに置いてあるぐらいで、あんま無いですね。イベントが多いかもしれません
naka_chang:イベント?
堺店長:ZINE Picnicっていうのを前にやったんですけど、公園とかに集まって自分でつくったZINEを買ってもらうんです。フリーマーケットみたいな感じで。で、ZINEとZINEを交換してもいいっていうルールとかもあって、結構楽しいイベントでしたね
naka_chang:それヤバいですね。超楽しそうです
堺店長:ひとり、女の子だったかな、ポップコーン大量に持って来てZINEと交換してた子がいましたね
それは間違いなく楽しいと思うな。“Picnic”という響きが良い。是非行ってみたい。
たまたまZINEクリエイターが来店してました
マジでたまたまお店に来ていたみたいなんですが、自費でニューヨークの下町を10年以上取材し続けてる猛者の方にお目にかかることができました。
「212.MAG」というZINEというか、もはや雑誌なんですがコンテンツ量が凄い。昔のWoofin’とかで入ってても全然違和感ないレベル。早速買って帰りました。
ちなみにこの最新号(♯22)の特集は「Hunts Point」。Hunts Pointはニューヨークのブロンクスにある一画で、HIPHOPカルチャー好きの方は知っているひとも多いかと思いますが、グラフィティの聖地としても知られています。
参考までに、212.MAGの公式ブログから引用。
サウス・ブロンクスに位置するハンツポイント地区。この地区はたくさんの工場が密集する工業エリア。工場の壁面には色鮮やかな壁画=ミューラルが至る所に描かれており、半径2kmにも満たないこの小さな地区は、たくさんの “アート” で溢れている。
ハンツポイントにあるミューラルの中でも、特に多く目にするのが「TATS CRU」によって描かれているものだ。ニューヨークのグラフィティシーンを今まで数十年支え続けたレジェンドで、現在も世界各地のストリートの第一線で活動する彼らだが、ここハンツポイントは「TATS CRU」の活動の中心地であり、彼らにとってここは”ホーム”のような所である。
そして彼らのオフィスと同じ敷地内には「THE POINT」という非営利団体の施設があり、そこではこの地区のコミュニティの人々に様々な文化プログラムが無償で提供されている。それらは基金の寄付や一般の募金などによってまかなわれており、幼稚園児から大学生までたくさんの人々がこの場所にやってくる。このハンツポイント地区にはTHE POINT以外にもたくさんの非営利団体があり、かつては犯罪や暴力が蔓延り、ネガティブだった街が、今は少しずつポジティブな方向へと進もうとしている。
個人的には、写真をまとめてコピーしたような作品集が多いのかなあと思ってましたが、個人の趣味から凝ったMAGAZINEレベルまで、ホントにいろいろあった。DANTALIONさん以外でも、雑貨屋さんの片隅なんかにも発見できるかもですね。
というすごく楽しいお店体験でしたが、何とDANTALIONさん9月末で実店舗は閉めちゃうんだって!残念。 知らない方は今のうちに足を運んでみてください。ネットでは引き続き販売するようですのでひとまず安心ですが。また、ZINE関係で違うプロジェクトも考えているみたいなので、大いに期待です。
次は、ゲットしたZINEをいくつか紹介することにしよう。
参考リンク
・zine / リトルプレス専門店 Books DANTALION
追伸:イベント情報
セルフパブリッシング好きのためのピクニックZine Picnicのウェブサイトはこちら。9月は23日に香川で開催される模様!10月は滋賀の成安造形大学だ!
・Zine Picnic
Zine Picnic in 香川
【日時】2012年9月23日(日)11:00〜17:00
【@】四町パティオ広場 ※詳細はこちら
Zine Picnic in 滋賀
【日時】2012年10月13日(土)12:00〜16:30
【@】成安造形大学内CAFE「結」 ※詳細はこちら