自転車をひとにあげるので、綺麗な状態で渡したいなあと思って、水洗いの方法を調べて試してみたわけなんだけれども、10年以上乗り回した自転車に蓄積した汚れには歯が立たず、結局プロ(の自転車屋さん)に自転車の洗い方を指南してもらいました。ちょっと長いので、実際に洗ったBefore/Afterは別記事にまとめるかもしれません。自転車の洗い方について、動画にまとめて解説してみた記事はこちら。
目次
10年乗った自転車のサビと汚れ
まずは現車チェックから
というわけで、早速部屋のなかに入れた僕の自転車がこちら。無印良品で購入した旧式の小径車です。現行のデザインは横方向に伸びるチューブ部分が2本になっていますが、僕が買った当初は1本のシンプルデザインでした。購入の決めてはタイヤが小さくて小回りがきいていて、丈夫そう。という感じ。
雨の日に野ざらしにしない方針で使っていたのと、定期的にライトを自転車屋さんで交換した際にチェーンを見てもらったりしていたため、錆びている様子はありません。パッと見た感じは綺麗。
ハンドル部のサビやオイル汚れ、黒いススが目立つ
遠目では綺麗なんだけど、アップしてみると、やっぱり年季が入ってるのが分かります。ハンドル部分はところどころサビが目立っているのと、シートポストもサビが侵食していたせいか自転車フレームと固着してしまって、抜くのが大変でした。


さらにはススのような汚れ。これはおそらく道路を走ったときに巻き上げる土埃とか、排気ガスのスス汚れなんだと思いますが、チェーンオイルやタイヤ軸受近辺(エンドと言います)のオイルと絡まって真っ黒になっているのが分かります。


今回この自転車は、譲り先では部屋のなかに置くスタイルになるので、こういった汚れはこの際ピカピカにしておきたい。
まずはボディの汚れをごっそり落とそう
サビ取りとボディ用ワイパーを購入
チェーンまわりはややこしそうなので、まずはボディをピカピカにしたい。ヨドバシカメラの自転車コーナーに行き、自転車用のサビ取りクリームと、ピカピカになりそうなウェットタオルみたいなワイパーを購入してみました。
あと作業するときに部屋が汚れそうなのでタオルも。ベランダで作業するひとは問題無さそうですが、部屋で作業するひとは、ぞうきんというか、もっと大きなバスマットぐらいのマットを敷いて作業したほうが良いかもなあと思いました。僕の場合、新聞紙をひいてましたが、結局床まで濡れちゃってぞうきんで拭き掃除するハメに。
さすが自転車用ケミカル!サビトリでサビは結構とれる
まずはスチール部分のハンドルのサビ取りからスタート。トゥルーワイパーにクリームを塗って、自転車にすり込んでいくと水のようにひろがっていきます。最初はあんまり落ちている感じがしませんでしたが、ゴシゴシ丁寧に磨いていくとかなりピカピカに。ハンドル部のサビはかなり目立たなくなりました。
左側がサビ取りを使ってみたところ。右側はブツブツしたサビが浮いているのに対して、左側はピカピカに。ただ、サビが取れた部分はスチールが侵食しているので、まあそこは仕方がないかなとも。綺麗になれば問題無い。
今回使ったサビ取りは、使ったあとに短期間だけですがサビを防止してくれるらしいので、割と安心感はあります。この調子で、ハンドル部分とシートポストをひっこぬいて綺麗に。細かい部分となると、自転車を完全に分解してしまわないといけなくなるので、今回はいったん大きな部分のみ。
こういうのはどこのケミカルメーカーも出しているとは思うから、正直どれを選んでも良いかもしれません。
黒い汚れを落とすには考えが甘かった・・・
サビが取れて晴れ晴れした翌日、次はメインとなる自転車フレーム全体を綺麗にしていこうと、トゥルーワイパーでゴシゴシボディ磨きにチャレンジ。しかし、長年溜まって黒ずんだボディはなかなか綺麗にならず断念。
このワイパーは、自転車掃除に使うウェス(布切れのこと)の代わりにはなるかもしれませんが、これ自体に強力な洗剤がついているわけではないので、普段のライドから帰宅した後の簡単お掃除用なのかもしれません。使い捨てなので、便利ではあるんですけどね。
試行錯誤の結果、自転車フレームにはメラミンスポンジがベスト
トゥルーワイパーに落胆した後、亀の子タワシを使ってみたりと、いろいろ試した挙句、結論としてはキッチン用のメラミンスポンジがベストという結果に。なんじゃそりゃ。メラミンスポンジの粒子はとても細かいので、特につや消しなどの塗料で塗装された自転車のフレーム、ボディを洗うには良さそう。
しかも、タワシやブラシだと、室内で洗車する際に水が飛び散って悲惨な目にあいますが、メラミンスポンジであれば水を含ませて磨く感じになるので、ぞうきんなどで水気を拭き取りながら磨いていけば、水浸しになることもありません。この方法を試しているひとはネット上ではあんまりいませんでしたが、なかなかの発見でした。
ギアとチェーン、エンド周辺の油汚れを落とすには
洗うために必要な手順
次にギアやチェーン、タイヤの軸受になっているエンド周辺を洗っていきます。
水で丸洗いしたり、KURE556でブシャーっとサビをとるひともいるらしいのですが、自転車を洗うためには「汚れが油と絡まっている」ということを理解しないといけません。つまり、ただサビをとったり、水で丸洗いしたりすると、さらにサビが進行するもとになってしまいます。
適切な洗車の手順としては①汚れを油ごと付着している部分から浮かせる(流しやすい状態にする)→ ②水洗いもしくはクリーナーで、汚れを油ごと落とす → ③潤滑剤とオイルを注油して皮膜をつくりサビを防止、という流れなわけです(自転車屋からの受け売り)。
自転車用に用意するクリーナーは2種類
というわけで、今回は①の「汚れを浮かせる」作業と、②の「汚れを落としきる」作業を行うために、2種類のクリーナーを買ってきました。これもヨドバシカメラの自転車コーナーとかに売ってます。大抵は「ケミカル」とか書かれてるコーナーにありますね。
まず汚れを浮かせるために使うのが、左の「チェーンクリーナー」。これは環境に優しい生分解成分でできているので、ベランダとかで一気にブシャーっとやって排水溝から流しちゃっても安心なタイプです。
あとは左にあるフォーミングマルチクリーナーというのは、汚れを洗い落とすためのクリーナー。ノズルから出てきた液体が一気に泡になっていくタイプのクリーナーなんですが、自転車の油と反応してさらさらの水になって、汚れを一気に洗い流してくれるという仕組み。
注油だけではなく、サビ防止のためには皮膜&潤滑剤も必要
上のクリーナーを使うと、チェーンオイルはもとより各部の油が落ちてしまうので、洗ったあとは注油が必要です。というわけで用意するのがこちらの二つ。
「ラスペネ」というのは潤滑剤で、ギアチェンジするシフターや、フロント、リアについているプーリーのような部分に吹き付けて使うことで、皮膜をつくってメカ周りを錆びにくくしながら潤滑剤の役目を果たします。
最後に使うのが「ルブ」。これはまあチェーンオイルですね。チェーンにさしてからペダルをぐるぐる、ギアチェンジをしてチェーン周辺部全体にオイルを馴染ませれば完成。
この作業、ベランダで初めてで慣れていたわけではなかったですが、油が一気に落ちてピカピカになっていく様子が楽しかったので、また記事にまたまとめます。
洗い終わった結果
控えめに言ってピカピカに
ほんで完成したのがこちら!チェーンカバーも外して、劇落ち君で磨きまくったので、ピカピカになりました。ギア周りもピカピカ。チェーンはもともとそこまで錆びていなかったので、かなり綺麗になって見た目も良くなりました。
10年ぐらい乗っていたので、チェーンのなかにまだ汚れが少したまってはいるものの、出来としては大満足。あとは、譲る直前にもう一度まるっと洗っちゃえば、新品同様ぐらいの見た目にはなるんじゃないかなあとは思います。
ひとにあげるときは、整備も忘れずに
今回は見た目を綺麗にする、というのがゴールだったので、まずは自分で掃除してみましたが、自転車を人にあげるときは、そのあと事故などにつながらないよう、自転車屋さんで整備してもらったほうが良いです。僕の場合は、タイヤを外さずに洗車したので、軸のベアリングといったパーツのグリスをチェックできてません。回転部が汚れでうまく回っていない可能性もあるので、今度最終整備に出してからプレゼントしようかなと考えています(今んとこすごく快適ではあるが、念のため)。
自転車を洗うならこの動画が一番
いろんなブログ記事とかを読んではみたものの、みんな我流で洗車していたので、正式な方法論というのがあまり世の中には出回っていないんだなあと、今回チャレンジしてみて思いました。というわけで、一番参考になった動画をご紹介。
今回使ったクリーナーやルブを製造しているメーカーの方によるロードバイク洗車の実演です。ただ洗うだけじゃなくって、原理をきちんと説明してくれるので、後で応用ができて嬉しいなあと思いました。今度アートサイクルスタジオのロードバイクを買おうかなと思っているので、届いたら試してみたいところ。