Zineを作ろう!と思い立ったので、「そもそもZineって何よ」というところから制作までやっちゃおうという連載企画。前回は豆Zineを作ってみたので、第9回はちょっと離れて雑誌所感などをお送りします。

最近のとか

お金そんなにないのでたまにしか買わないんですが、EYESCREAMっていうカルチャー雑誌があって好きです。なんと背表紙の広告に大きな初音ミクが。

アパレルブランド「VANQUISH」のサイトを見ると、堂々たるコラボ感!

広告とはいえ、雑誌にこういったポップアイコンが出現するというのも時代を感じますね。AKBは無いように思うけど、「ももクロ」や「でんぱ組.inc」「lyrical school」みたいなグループも一般的になるのかもと思ったりする。

しかし雑誌広告の「分かってる感」というのはどこから来るんでしょうね。出稿する側の媒体愛みたいなものもある気がします。

 

雑誌の魅力

雑誌をめくるたびに感じる、あのワクワクした感じはどこから来るんだろう。

雑誌の魅力は、ずばり特集。深く掘り下げることで発見される新しい知識や切り口。それが雑誌の魅力なんだと思う。

 

EYESCREAM

で、そのEYESCREAM最新の特集は「帽子カルチャー」。ジョンレノンからウィリアム・バロウズまで帽子の似合う著名人を紹介。マルコムX とかまで出てきます。深い。

ちなみに、2012年はビートルズがデビューして50周年。そういうとこ、ニクい。

 

HUgE

HUgEもEYESCREAMと良く似たカルチャー誌。EYESCREAMよりも、アート寄りな特集が多いのが特徴。ウェブサイトからAboutが見れるんですが志が雑誌っぽくていいですね。

「読むたびに発見がある、好奇心が刺激される雑誌。」

HUgEは必ず「何か」がある、と期待されるような雑誌を目指しています。

ワンテーマ特集ゆえの奥行きのあるアプローチ、表層的な情報の集合でなく、きちんとした編集、リファインされた誌面。

編集部のフィルターを透過した良質な情報を独創的な視点から切り取り、対象をアグレッシブに浮かび上がらせます。

で2013年1月のテーマがすごい。

テーマは「THE NINE ARTISTS and ALTERNATIVE REALITY」。9人のアーティストが切り取る新しいリアリティについて、インタビューを中心に構成された誌面。

知っているアーティストもあれば知らないアーティストの名前も。こういう深く掘ることで知る新しい知識っていうのが、この雑誌の魅力の源になってて好きだ。

「Zine」×「ワンテーマ」という可能性

雑誌の魅力というのは「編集者の発見」で、ことにカルチャー雑誌ではそのアンテナの広さ×深さが重要なわけなんだけど、考えてみるとZineの魅力というのは話題の散らかり感というか猥雑さにあるように思う。「つくりたい」が先行して、よく見えるように編集するようなベクトルが実は薄いし、またそれがいい味になっていて雑多な感じを楽しめるというわけ。

個人的にはHUgEのようなワンテーマを徹底的に掘り尽くして編集したZineというのをつくったら面白いだろうなあと思ってみたり。

最近だとNHN田端さんの「MEDIA MAKERS」とか、コンテンツそのものよちも「スキーム」の話が人気のようですが(とてもネット的ではある)、コンテンツのほうを研究しても面白そう。「MEDIA MAKERS」は近々読んでみようかと思います。企業のウェブサイトやソーシャルアカウントが、何万人ものファンを持つメディアになり得る時代、結局コンテンツが重要になっていくだろうし。