ZINEを作っても、誰にも売ったり共有しないひともいます。もともと個人の趣味の延長だから。でもせっかく作ったZINEはいろんなひとに読んでもらいたい。カフェに行くとおしゃれなフライヤーに紛れてZINEが売ってることもあるし、交換できるイベントに参加するってのも手です。けど、売るっていうか、みんなに広く読んでもらう方法としては、ほかにどんなものはあるか気になってきたので、まとめてみました。制作方法などは末尾のリンクからいろんな記事を参照してみてください。
目次
どうやってZINEを販売する?
というわけで今回は、「国内ZINE事情」って感じで。ZINEの販売方法をご紹介しつつ、「国内ZINE事情」って感じで日本の面白そうなZineとかも紹介していこうかなと思います。
大きな考え方としてはリアルな場所で販売するのか、ネット上で販売したり公開するのか、という感じになってくるんじゃないかな。
実店舗でZINEを販売する
実際にZineが良く売られてるお店に持ち込んで販売する方法。これが一番ベタかも。
リアルな場所で販売するケースを想定するのは考えやすいです。これからZINEを作ろう!と思っている方は、ほとんどのケースでは手作りで制作するほうが多いかもしれません。原稿をコピーしたり、ハンドメイドでページを綴じたり、全部手書きのZINEなんても良さそうですよね。そういうZINEは実店舗で見て、触ってもらうほうが親近感が生まれて買ってもらいやすいかもしれません。
ZINEショップ、本屋さんで置いてもらう
さて、じゃあどこで売ろう?となったときにもっとも想像しやすいのが、このタイプ。ZINEを手に取るようなひとは読書好きな方は多いと思うので、本の関連グッズとして買ってもらいやすいと思います。この場合だと、一番はZINEの専門店が良いです。がしかし、国内でも専門店というのはそうないので、小規模出版の書籍などを中心に販売している本屋さんとかを探してみると良いかも。
・BOOK OF DAYS(第11回:通販でも買えるいい本屋さん見つけたの巻)
・ON READING OnlineShop
・古本トロニカ 通販オンラインショップ | 美術書・写真集・リトルプレス販売
・BOOK OF DAYS(第11回:通販でも買えるいい本屋さん見つけたの巻)
・MOUNT ZINE
・恵文社一乗寺店(京都では有名な本屋さんで、リトルプレス本も多数並ぶ)
カフェ、アパレルショップ、雑貨屋
最近では本屋だけじゃなくってオシャレなカフェとか雑貨屋にもあるので、オシャレで気に入ったお店を見つけたら、常連になってしまって、レジ横に置いてもらえないか交渉してみるのもGOODですね。
・お気に入りのカフェ
・お気に入りのアパレルショップ
・お気に入りの雑貨屋さん
テーマに合わせたショップや場所を選ぶ
あと変化球ですが、例えば音楽に関するZINEだったら、楽器屋さんとかライブ会場で売ってあるのが自然ですよね。山登りに関するZINEなら、登山用品店。ロードバイクの旅行記をまとめたZINEであれば、自転車屋さんに置いておけば、サイクリング旅行を参考にしたいひとが見つけてくれるかもしれません。
そういった風に「読んでくれるひとをある程度絞り込んで、置いてもらうのに適切な場所を探す」というのはアプローチとして多いにありです。グラフィティ/ペイントグッズ専門店のCRACKERSさんでは、グラフィティに関連したZINEを売ってたりします。これは、このお店で買うひとのニーズともマッチしてるよね。
・CRACKERS
・テーマに応じたお店ならどこでも!
イベントに参加する!
密かに盛り上がりを見せつつあるZINEムーブメントでは、ZINEを交換制で入手できるイベントや、ZINE専門のフリーマケットイベント、その他いろんなイベントがあります。大阪ではZINE DAY OSAKAというZINEイベントが開催されていて、出展による販売はもちろん、持ち寄ったZINEを無料で公開したりすることも可能です。
オンラインでZINEを販売する
最近ではヤフオクしかりオンラインで、ユーザー同士がやりとりするサービスはたくさんあります。てなわけで、オンラインで販売する方法というのもここ数年で盛り上がっていると思っていて、正直こちらも面白いです。
メルカリ、minne、creemaなどのフリマサービスを使う
最近ではフリマサービスが人気。メルカリでも結構ZINEは売ってます。またZINEを作りたい!というユーザーと親和性が高いだろうと思われる、minnne、creemaなどにはZINEカテゴリもあったりするので、アカウントをつくって、オンライン上で販売してみても良いと思います。
あとはBaseのような自分でECサイトを立ち上げてしまうのも手ですね。ただし、フリマサービスもしかり、このパターンだと「自分のことをまだ知らないひとに知ってもらう」ということが大切なので、Twitterアカウントから自分の制作しているZINEについて情報発信して、他のZINEクリエイターたちと繋がってみるとか、宣伝に工夫は必要。
・メルカリ
・minnne
・creema
・BaseでECサイトをつくってしまう
BCCKSなどのウェブサービスを使う
好みの段組みにできない可能性はあるものの、ウェブサービス上でデータとして販売することもできます。例えば、BCCKSはユーザー参加型の書籍作成サービス。レイアウトを選んで、写真とテキストを入れるだけでウェブ上の本がつくれます。なお公式アプリでも閲覧できます。 有料販売の方法はこちら。
Amazon Kindle上で販売してしまう
ここまでいくとちょっと高度な作業ですが、電子書籍として制作して、Amazon Kindle上で読めるKindle Bookとして販売する方法もあります。
この場合だと、コンテンツは電子データなので文章や写真、あとデザインなどに興味があってZINEを作りたい方向けの方法。電子書籍はepubと呼ばれるファイル形式を守ることで、ユーザーがKindleなどのアプリで本を読めるようにできるのですが、大抵の場合はAdobeのInDesignというアプリケーションで作成します。ちょっと勉強すれば制作自体は難しいものではないので、勉強してみても良いかもしれません。
電子書籍関連はハウツー本がたくさん。デザインと合わせて勉強したいところ。
アプリ化して配布する
どこまで本気かによりますが、iPhoneやiPad、Android向けにアプリ化しちゃうのも手かも。一番シンプルなのは、AdobeのCreativeSuiteシリーズのInDesign、Digital Publishing Toolなどで制作して、AppStoreとかで公開する流れ。Adobeのツールに関しては、上の書籍をご参考にご覧下さい。
DANTALIONさんでGETしたZINEをちょっと紹介
以前の記事にも書きましたが、中崎町のBooks DANTALIONさんで手に入るものから、何となく惹かれたZineをご紹介。
212.MAG:♯22
ニューヨークのストリートを現場感覚鋭くまとめたフォトマガジン。膨大な写真と編集力。もはやZine以上。特集も安易なラッパー紹介とかではなくって、グラフィティクルーやストリートのなかで生まれた新しい取り組みを伝えています。
212.MAGはニューヨークのリアルなスタイルを日本のみんなにも伝えたいという想いから生まれた。そこから毎号、編集長自らが現地へ出向き、独自の視点で”ニューヨーク”をとらえ、それを写真を通してダイレクトに誌面で伝えている。リアルなストリートのスタイルを伝えると同時に、その背景にある”文化”や”街”、”人々の暮らし”を伝える事が出来るメディアを目指している。
今号の特集は「HUNTS POINT」です。サウス・ブロンクスに位置するハンツポイントはたくさんの工場が密集する工業エリア。工場の壁面には色鮮やかな壁画=ミューラルが至る所に描かれており、半径2kmにも満たないこの小さな街は、たくさんの”芸術”で溢れている。
ハンツポイントにあるミューラルの中でも、特に多く目にするのが「TATS CRU」によって描かれているものだ。ニューヨークのグラフィティシーンを今まで数十年支え続け、現在も第一線で活動し、世界的にも有名な彼らだが、ここハンツポイントは「TATS CRU」がオフィスを構える場所であり、彼らにとってここは”庭”のような所である。
ニューヨークを見渡せば、「再開発」という名の高層ビル建設や区画整備が至る所で行なわれており、街は物凄い勢いで様変わりしている。しかしここ「HUNTS POINT」は高層ビルはおろか、オシャレなカフェすらなく、開発の波から取り残された「辺境の地」である。他の雑誌やメディアはこのような地区にはあまり見向きもしないのだろう。決して他では見る事は出来ない写真からは、ナマでリアルなストリートの空気を感じるに違いない。
ブログでは取材の様子なども発信中。
BOHEMIAN:ISSUE 02
2008年からの3年間でのべ4万5000部を自主発行した「LIVE FREE PAPER BOHEMIAN」が、「世界を見ること」と「メディアの再定義」を主軸に旅するインディペンデントマガジンとしてリニューアル。インタビューにはフリーペーパーの祖・「dictionary」編集長の桑原茂一氏、100万PV/月を誇るガジェットサイト「Fresh News Delivery」の管理人にしてメディアクリエーターのハイロック氏。編集部体当たりの旅記では10年目の9.11を迎えるアフガニスタンに潜入したり、ネパールをあて無く彷徨ったりとむちゃくちゃですが、混沌にまみれる今こそじっくり読んで欲しいマガジンだと勝手に思っています。
i/F(inter / Fhase):01
ポップな切り口からコアなテーマまで幅広いZine。ちなみにこの号、大友良英からオノマトペ大臣まで幅広すぎだろ的な人選。活字が多くて読み応えある感じです。
MANIMANI:Vol.1「会う論」。ISSUE
夢眠ねむが表紙。パッとみサブカルっぽくて買ってみようと思ったのですが、制作・編集はプロのデザインプロダクションとのこと。アイドルの取り上げ方が今っぽい。
いろんなところで販売されてるみたいなので、Amazonで検索してみたらやっぱあった。
KENCHIKU / ARCHITECTURE:2011
京都とフランスの建築に関する合同企画展示の際に販売されたZine。120分のDVD付きです。
こうして並べるとあれですね、どちらかというと編集記事系のものが多い気もする。
その他に気になるZINEクリエイター
yakk
以前にも紹介した女子4人組、yakk さん。ユーモアのある編集企画と装丁で、女子力の高いZineを展開中。装苑でも紹介されてるみたいです。確かにかわいい(しかも面白い)。
Vol.004(DANTALION)