人類学の用語で“ポトラッチ”というものがあります。“ポトラッチ”というのは、部族の勢力者が権威を誇示するために、みんなに贈り物をし大盤振る舞いをしたり、財宝を積み上げて惜しみなく焼いたりすることを言うんだそうです。前に岡本太郎の本で読んで、面白いなと思って憶えています。
で、最近ネットまわりのことを考えているときに、いつも考えるのがモンティ・パイソンが開設したYouTube内のチャンネル。タダでいっぱい投稿するから、DVD買ってねっていうキャンペーンです。
広告キャンペーンに関わらず、動画という形式のネックは、やはり勝手に動画をアップされたり改変されたりすることなんだけれども、いまそれらに対抗する唯一の手段が、この“ポトラッチ”なんじゃないかなと思うんです。
コンテンツの権利を囲い込むのと正反対のベクトルで、大量でかつ質の高いコンテンツを、無料で大盤振る舞いする。こういうやり方が、ネットユーザーの反感を買わない、一番賢い方法なんじゃないだろうか。もちろんユーモアは絶対に必要条件なんだけれども。
・The Monty Python Channel on YouTube