流通総額6259億円のメルカリ(2019年6月期)

ビットコインの価格が爆上げしているわけだけど、この前社内でそんな話になったときに喋ってみたことを少しまとめてみたい。ビットコイン価格の上昇は、資産的な魅力が増したことではなく、購入障壁が下がったことによるものが原因で、つまりはアプリのUI/UX(使い勝手や体験のこと)がその大半の要因だ、という話。

アプリを開発すれば儲かるのか

2020年6月通期のメルカリの決算は、巣篭もり需要もあって流通総額は27%増の6259億。Yahoo!JAPANの2019年3月の通期決算ではヤフオクの取扱高が8899億円。年成長率1%程度のヤフオクに比べて、27%成長というのは経営者からするとかなり魅力的だ。おそらくヤフオクの流通総額もそのうち抜いてしまうんだろうなと僕は思っていたりもする。

クライアントとこういう話になると必ず、「アプリをつくるだけでそんなに儲かるのか・・・。じゃ、うちもアプリを・・・」という話になるわけなんだけど、話はそんなに簡単じゃない。メルカリが提供しているのは実は「アプリ」ではない。「赤の他人に簡単に売れる」「赤の他人から簡単に買える」さらに書くと「現金いらずでそのままリアルなお買い物も」という“アプリを通じた体験”なのだ。

送金から株取引までできるCash Appの凄まじさ

「どんなアプリなのか」よりも「どんな体験なのか」は海外のベンチャー界隈の情報を漁るときにとても役に立つ。冒頭のビットコインの価格上昇という話題でいうと、それに貢献しているのは、PayPalやSquareといった送金アプリの付随機能だ。

Square社の送金/決済アプリである「Cash App」は、本来は送金や決済のために使うアプリなんだけど、彼らが提供しているのはアプリを通じた「(支払いも含めた)資産の移動」だ。だから利用者はビットコインや株式をアプリ内で購入することも可能になっていて、つまり、お金に関する全てのことをCash Appに集約して管理できる。株式の取引画面もかなり工夫されていて、1株あたりの取引ではなく「コカコーラの株を1ドル分」といった買い方もできるのはすごい。ちなみにSquare社はTwitterの創業者の一人であるJack Patrick Dorseyが設立した会社。

COVID-19でロックダウンに見舞われたアメリカで給付金が決定したとき、アメリカの若者は銀行口座を持っていないひとが多かったかわりに、SquareのCash AppやPayPalのVenmoといったアプリのアカウントはもっていた。だから政府はそうしたアプリを通じて給付金の支給を決定したわけだけど、そのお金って多分というか絶対ビットコインとか株式に右から左へ流れていってるわけですよね。

Cash Appのユーザー数は3000万人。ちなみに、日本国内第1位を誇る野村證券の口座数は532万口座。Cash Appを単なる決済アプリと見るか、金融資産のカストディサービスと見るか、視点をちょっと変えてみるだけでその凄さに驚く。PayPayが目指しているのも、おそらくそうしたところなんだろう。

Qooore -Z世代の株取引は超POP-

株式関連でいうと、Z世代向けに洗練された取引サービスとしては「Robinhood」なんかはよく話題に上っていて、そのユーザーはロビンフッダーとか呼ばれている。だた今日はもっとキワモノを紹介したい。

Qoooreはまだまだ国内では情報が少ないんだけれども、カリフォルニアのITベンチャーで株取引アプリをリリースしていて、まだテストユーザーを募集している段階。

ただし、そのUIはとても面白く銘柄に関連するニュース画面や、ポートフォリオ管理、インフルエンサーによるライブ配信機能まで実装しようと試行錯誤しているところはとても興味深い。

金融取引というと堅苦しい、つまらない、手を出すべきものではない、老人の嗜みのようなイメージが日本にははびこっているかもしれないけど、Qoooreの画面は超POPで、まるで新しくリリースされた注目のゲームや、TikTokのような装いをしている風に見える。

これからの証券会社はこうしたデザインを纏うのが一般的なのかもしれない。たしかに、映画「ブレードランナー」とかで、部屋のディスプレイに株取引画面が投影されてたら、こんな感じになるんだろうなあなんて思います。

体験を定義し直して生まれ変わる習慣

劇的に使いやすい印象を与えることができれば、レガシーなサービスも生まれ変わることができるかもしれない。

これまで「出前」と読んでいたものは、「Door Dash」「Uber Eats」になったし、結婚紹介所は「Tinder」になった。ユースホステルや民泊は「Air BnB」になったし、まだ日本には上陸してないけど医薬品の価格コムは「Good RX」になるんだろう。

そういう事業を自分自身が起業してつくりたい、とは思ってるわけじゃないんだけど、少なくともそうしたダイナミズムのなかにどっぷり浸かってられるようにはしないとダメだなあと、最近のニュースを見ていてふと思った。変化しているのは表面じゃなくて、その裏側にある通奏低音みたいなもので、今日書いたような潮流は当分続きそうだなと、僕個人としては思っている。

 

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