子どもの頃から甘エビが好きなんだけど、何で好きなのか分からない。でもガリと並ぶと同じピンク色でキレイだなあといつも思う。

 

お寿司にはいろんな色があってカラフルだ。サーモンはオレンジ色だし、出汁巻き卵は真っ黄色。まぐろは赤黒くて、ぶつけてあざができた膝をぱっくり開いたらあんな感じの色してるんだろうな、とか想像しながらいつも寿司を食べています。終電がなくなって、晩ご飯を食べるところがなくなってから立ち寄る安い寿司屋には、いつも遅い時間帯だからホストやキャバ嬢みたいなひとしかいないけど、それはそれで哀愁が漂っている感じがいい。

 

sushi

 

寿司屋になんでガリが出てくるのかというと、魚の臭みを消してくれるからで、ホントは一貫食べる毎につまむものらしい。ホントの話ついでにいうと、新しいショウガでガリをつくるとお酢の作用で自然とピンク色になるから着色料で染める必要が無いんだそうだ。受け売りの知識なのでホントがどうかは分からないけど。

 

中学の頃読んだ現代文の教科書には、桜で染めた織物の話が載ってあったんだけど、桜色の織物を染めるためには桜の花びらは使わないらしい。桜が咲き始める直前に、木の皮を剝いで、その皮を煮出すんだそうだ。ピンクの花を咲かせるために、一年かけて溜め込んだピンク色の樹液が、パッと見は分からないあの木の皮に詰まってると思うと、剥いでしまうのもなんだかかわいそうな気がする。うろ覚えだから、ホントのところはこちらも分からない。

 

着物の中では知らないけど、ファッション—いわゆる洋装—だと、赤や黄色は「差し色」に使われる。差し色、というのはベースになる色に対してアクセントになるという意味で、近似色でまとめたコーディネイトに対して添える「華」だ。春になるとブラックやブラウンのコートを脱いで、みんな明るいトーンの服装になっていくけど、同じように足下もブーツからスニーカーや明るいパンプスになってく。

 

sneeker

 

みんな春になるまで溜め込んだエネルギーが、一斉に春になると咲いていくように見えて楽しい。

 

笑顔を花に例えたりするのは昔のトレンディドラマみたいで古臭いけど、むしろ着ているものがドンドン咲いていく様子のほうが、ビジュアルとしてはハッピーで面白そうだな、とか想像してみるのも楽しい季節ですね。自分はオシャレしないけど、オシャレなひとを観るのは好きだ。

 

sashiiro

 

「今日は暖かいですね」とか「暦の上では」なんて言い回しもいいんだけど、街を歩くひとたちの色で春になったことに気付いてみるのも、風情あっていいんじゃないかと思う。

 

・On the Street…The Fortezza, Florence « The Sartorialist

・On the Street…..via Sant’Andrea, Milan « The Sartorialist

 

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