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死者数世界一と恐れられている、谷川岳に行ってきました。

谷川岳を臨む

当初はかなりビビっていましたが、実際には初心者向けの雪山登山ルートとしてはかなりオススメできる山でした。もちろん急登があったりと、それなりの体力は必要ですが、山自体がとても険しいというわけではなく、初心者でも登りやすいが故に滑落事故などが多いみたいですね。

始発の上越新幹線に乗って、日帰りで百名山を登る

群馬の百名山「谷川岳」とは

谷川岳は、群馬と新潟の県境あたりにある山。山頂が二つに分かれているのが特徴で、それぞれトマの耳(標高1,963m)、オキの耳(標高1,977m)と呼ばれています。

2000m程度なので実はそんなに高いわけでもなく、駅近くから乗車すればスキー場(1319m)まで一気に高度を稼ぐことができるので、年間4万人ぐらいが登るそうです。が、その割に難所もいくつかあるため、滑落事故も多いことが有名な山として知られています。

群馬なら日帰りで登山できる

昨年の冬シーズンに上州武尊へチャレンジしたのですが、帰宅してから「実は日帰りでもチャレンジ可能」ということが発覚し、「だったら近くの谷川岳も日帰りで行けるのでは?」と軽い気持ちで計画を立て始めました。よく調べてみると、東京駅から始発の上越新幹線に乗って上毛高原駅まで行けば、あとはバスで谷川岳ロープウェイのバス停まで一本で行ける。

というわけで6時半過ぎの東京発上毛高原行きの新幹線に乗り、バスに揺られることさらに50分。谷川ロープウェイ駅に到着するとすでに人だかり…。登山客以外にもスキー場に来た方や、谷川岳の山頂からバックカントリー(スキーやスノーボードで下山していく)をしに来た方でごった返してました。

こんなに人がいるなら雪は踏み締められてそうだなと思い、スノーシューは荷物になると判断。麓のベースプラザのコインロッカーへ突っ込み往復チケットを購入しました。コインロッカーでぐずぐずしているうちに、もう長蛇の列ができていて、やっぱり人気のルートなんだなと確信。ロープウェイの乗り場には下りの最終時刻やバス、新幹線の時刻表まで貼り出してあって、とても親切なベースでした。

滝汗族の厳冬期ウェアレイヤリングについて

ミッドレイヤーは夏用のフリースで問題無し

普段ボルダリングに精を出していることもあって、上半身に筋肉がつきすぎている自分は登山時に体温が上がりやすいのが悩み。特に冬の登山だと汗をかきすぎてしまうと、汗冷えを起こして低体温症になってしまうリスクも、他の人と比べると高いのではないかなと思っています。

そこで今回は「着込まずに保温は最小限で」をテーマにレイヤリングしてみました。登山開始直後で-5℃ぐらいでしたが、上半身で着用したのはこの4点のみ。温度調節はハードシェルの脇下のベンチレーションジッパーを開けたり締めたりするだけで、その代わり寒いと思ったらすぐにベンチレーションを閉じるように気をつけていました。

結果としてはかなり満足。汗をかかなかったわけではありませんが、まあすぐ蒸発する程度の汗のみで汗冷えすることもなく下山することに成功しました。特に良かったのがMammutのAenergy Lightというミッドレイヤー。これ多分夏用の薄手のフリースなんですが、すぐに体温が上がってしまう自分には、夏用でも十分でした。以前は毛足の長いフリースや、予備には化学繊維の中綿ジャケット(インサレーション)も持参しましたが、結果としては夏用の薄手フリースで十分。暑すぎず寒すぎず、ちょうど良かったですね。

予備のジャケットはフリースから化繊のインサレーション

無茶苦茶寒かったら、インサレーションも重ね着しようかなと思ってましたが、山頂付近の-13℃でも滝汗族にはやはり出番無し。今回は山頂で休憩することもなかったので、身体がそこまで冷え込むこともなく不要でした。このジャケット自体はかなり便利で、歩いていて蒸れたりすることがないので普段着としても活躍しています。

ちなみに下半身はmonbellのジオラインの中厚手タイツにGORE-TEXのシェルパンツのみ。今後はこのセットを基本にしていこうかなと思っています。

登りの谷川

開始直後の急登で有名な谷川岳

急登後に息を整えながら絶景を見る

ロープウェイで天神平駅まで一気に登ると、スキー場エリアと分かれて登山口からアタック開始。天気が良く快晴。風も微風といった感じでとても登りやすいスタートでした。

この登山口。開始直後からものすごい傾斜の急な登りとして有名で、一緒に登っていた方々もみんな口々に「しんどいしんどい」と言いながら登ってました。かくいう自分も余裕が無いのと、前後に行列ができているので立ち止まることもできず写真や動画は一切無し。

急登を終えた小休止スペースには既にウェアを脱ぎ始めるひとも。序盤の登りが落ち着くとすぐに素晴らしい稜線を堪能しながら歩くことができます。ちなみに冒頭の写真は急登後に息を整えるついでに撮影したもの。

ひたすら登り続ける

急登が終われば休憩できるとはいえ、累積で862mぐらい登る山行ではあるので、小休止を挟みながらもずっと登りが続きます。前日からの大寒波で稜線上の雪は案外ふかふかで足場を踏み込みにくく、スノーシューを持ってくれば良かったと後悔。アイゼンだけの方も多かったですが、スノーシューを履いているひともチラホラみました。

人が多かったのでトレース上にできた登山道に行列ができていて、ちょっとずつ休憩できたのが唯一の救い。前のひとが止まる度に少し休憩して、止まったら休憩して…を繰り返して、少しずつ登っていきます。

とはいえ、終盤になると雪がどんどんパウダーになっていって、このあたりはかなり疲れました。

牙を剥く谷川岳

肩の小屋から天気は急変

肩の小屋

序盤はかなり天気が良かったのですが、肩の小屋を過ぎたあたりから天気が急変。雲が出てきて、突風が断続的に吹くような天気に変わってきました。

前後にたくさん人がいるので、そこまで危なくはなかったですが、雪というか細かな氷が突風と一緒に飛んでくるので、油断すると無茶苦茶寒い。僕の場合はかなり身体が温まっていたので、ハードシェルのベンチレーションを締めただけですが、肩の小屋で着替えているひともちらほらいました。

ある意味幻想的なラストスパート

この天気の急変で辺りは真っ白に。

稜線左右に山脈を臨みながら歩くのも楽しいわけですが、真っ白になっているのも逆に幻想的で映画みたいなだなぁと思いながらラストスパートを登っていきます。

山頂のトマノ耳(1963m)手前では風が強過ぎて、インナー手袋を追加。アウターグローブをつけているひとも多かったです。

山頂付近は吹雪で視界悪化

やっと山頂に到着したは良いものの、ものすごい風と視界不良。記念写真を撮っている方が並んでましたが、周囲はほぼほぼ真っ白。

天気が良ければこのままオキノ耳(1977m)まで行こうかなと思っていたのですが、さすがに視界が悪過ぎて風も強いしで撤退していく人がたくさんいたため、自分も撤退することに。アタックしていく方を見送ったら、回れ右して下山。

下山が楽しい谷川岳

ほぼほぼ下りのルートで絶景を堪能

猛吹雪は山頂付近だけだったようで、下るにつれて視界はかなり開けていました。谷川岳の場合、登りはほぼずっと登りなので、逆に下りはずっと下り。なので絶景を見ながら下るようのルートになります。これがとても綺麗。

登りでも写真をとっている方はいましたが、下りのほうが皆さん立ち止まって撮影会をしているひとが多かったように思います。

稜線左右に広がる絶景

基本トレースがあるので、比較的狭くなっているところでも安心して歩けますが、狭い稜線の左右に広がる絶景がとても迫力があり、見惚れてしまう方多数。

稜線歩きが好きな自分としてはとても楽しめた山行でした。

復路から見た谷川岳

帰りに冒頭の写真と同じ位置から見た谷川岳ルート。山頂付近にかなり雲がかかっていて、やっぱり視界がかなり悪くなっているように見えます。トマノ耳で引き返したおかげでバスも一本早いものに乗れたし、夕方には東京に戻ってくることができたので、まあ良い判断だったのではないかなと。

荷物はもっと減らせるかも

バックパックは50リットルから30リットルに検討中

無駄なウェアを持ち歩かないというのが今回のテーマでしたが、山行ごとに不要な荷物を極力減らすことで、移動の疲労を減らしたいと思っています。以前まではバカでかい連泊用のバックパックで登っていましたが、今回使ったのは以前購入したMammutのTrion Spineという50リットルのアルパインザック。

左右のポケットが無いシンプルなつくりではあるんですが、ピッケルを収納できたり、アタッチメントを後からつけるつくりになっていてかなり便利でした。ただ、もっと荷物自体は減らせるかも。自分は山頂で休憩したりしないので、ダウンジャケットとか一切使わないんですが、そうした無駄を減らせば30リットル近辺でも十分いけるんじゃないかなと思ってみたり。

次の山行では同じシリーズの、もう一回り小さいアルパインザックでチャレンジしてみようかなと思ってます。

雪山にもだいぶ慣れてきたので、次は前泊して千畳敷カールあたりを登ってみたいなと思います。

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