メディアプランも含め、広告制作の場面で最も神経を使うのが「何を訴求するのか」です。1枠15秒のスポットCMや数秒間しか目に触れないポスターでは、このシンプルで強いメッセージが広告の骨子になります。
「詳しくはネットで」という文言が多くなった昨今、では誘導先となるクライアントのウェブサイトは何をよりどころに制作すればよいのか。その問題は未だ放置されているのが現状であるような気がします。では例えばキャンペーンサイトは何が重要なのか。
僕の持論でもないのだけれど、その答えは「情報の整理の仕方をデザインすること」になるじゃないかな。
最近、面白い見せ方をしているキャンペーンサイトを見つけました。
女子美術大学という学校の、受験生向けサイトなんかはとても秀逸ですよね。
↓こちらも魅せ方という点でとても面白い発想。検索エンジンのブログ検索結果を街に見立てて、サイトの規模の大きさを建物の大きさで表現しています。Google Earthみたいでかっこいいですよね。
この二つのウェブサイト、根本的なデザインの考え方で共通しています。それはずばり、「イメージしやすいデザインである」ということ。
デザインって本来、伝えたいことを分かりやすくするための考え方なのですが、“ウェブサイト”となるとどうしても「何となくどこかで見たような」ものになりがちです。例えば、Yahoo!のトップ画面のように縦3列(3カラムと言います)で、コンテンツは真ん中にあってカテゴリ別メニューが左側にあって・・・というような。
女子美術大学に限らず、受験生向けのキャンペーンサイトをつくるのであれば、「入学した後のことが想像しやすそうな」サイトデザインを心がけるべきですよね。そのオリエンに対する制作チームの回答が、「ウェブサイトそのものを学校にしてしまおう」という発想だったのだと思います。
実際こういう風にかわいい魅せ方であれば、少々難ありな動画を載せても全く気にならない、むしろよりリアルなものに見えてきますよね。
Blogopolisも方向性は逆ですが、“ウェブサイトの規模”という普段想像しにくい部分を見事に地図に置き換えた、面白い発想です。
ウェブサイトを何カラム構成で・・・というような発想より、むしろ「本当に伝えたいこと」を視覚的にジャンプさせるクリエイティビティが、キャンペーンサイトでは重要ですね。