ここ最近、仕事をしていて気付いたことがある。

自分のなかでは天地がひっくり返ったぐらいの衝撃なんだけれども、Twitterで呟くわけにもいかないのでブログ日記にメモしておきたい。

営業力より重要なことがある

それは営業ができることがビジネスをつくる上で、必ずしも重要ではないということだ。

デキる営業マンのイメージ

最近ちょこちょこ仕事を一緒にしている営業さんがいて、便宜上彼をAさんとすると、Aさんはハンパ無い営業スキルをもっており、一瞬にして相手の懐に入って着実に心理的な間合いを詰めていき、確実に与件をつくる。これは営業活動の基本で、この一連の所作をスムーズにできるひとというのは、実はなかなかいない。これは無茶苦茶仕事ができるということで、Aさんのおかげで最近の自分は良い意味で忙しい。

ただ一点懸念点があって、僕はいま「このままずっと仕事をしているだけじゃ、ビジネススケールしないだろうな」と思っている(もちろん、それをスケールさせるために毎日チームメンバーで頑張ってはいる)。

それはなぜか?

ずばり、営業力が邪魔している。ということなんじゃないかと僕は(ついさっきから)確信している。

これに気付いたことで、ここ最近ずっとモヤモヤしていたことが、一気に晴れた気分でとても清々しい。ただ、こう書いただけではちょっと訳が分からないと思うので、順を追って説明したい。

労働観とビジネスの掟は違う

僕の高校時代

僕はごく普通の一般家庭に育ったので、ちゃんと働くこと、具体的にいうとコツコツと地道に成果を出すこと。それこそが素晴らしいんだと信じてきた。それが着実に昇進し、そこそこ偉くなるコツで、世の中から求められた理想の大人像なんだと、本当にそう思っていた。今もこの感覚はある程度正しいと思っているわけだけど、「ビジネス全体における成果」という観点からすると、この考え方って実はかなり間違ってる。今はそう思う。

「コツコツちゃんと働く」という考え方は、小さな頃から親や学校に言われ続けると社会のルールのように感じてしまうわけだけど、これは単なる「いち労働者としてつつがなく生きていく労働観」みたいなもので、実際にビジネスで通用するかどうかは一切保証されない。要は「学校出たらちゃんと働いてお金を貯めなさい」と言っていることとほぼ同義だと言える。これはある意味で正しいけど、ある意味では間違いなのだ。

コツコツ働く、というアプローチを毎日の仕事にそのまま適応するひともいる。毎日クライアントのところに足繁く通い続け、飲みニケーションで絆を深めた後にチャンスをものにしてやっと発注をもらう・・・世の中の営業活動って大抵そんな感じだ。これは僕自身経験している、一般的な営業活動だ。イヨ!ニッポンのサラリーマン!といったところ(そんな僕ももちろんサラリーマン)。

ビジネスの基本原理はレバレッジ

ただこの「コツコツと営業して地道に売上を積み上げていけば・・・」という考えって実は経営観点から見ると、全然見え方が違ってくる。地道な努力なんて

「お前、数億円の売上はいつになったら立つの?」

の一言で玉砕だ。それほどに、経営者は数字と戦略しか見てない。つまり地道にコツコツと・・・というアプローチは本来経営者は求めてない。もっとドカンと売りが立つやり方、早いとこ考えろよ!というわけだ。この話ってもの凄く当たり前なんだけれども、僕は自分のグループをもってあくせく働いて、やっと身に沁みて理解できるようになってきた。

例えば僕一人が頑張ってプロモーション案件をこなしてもせいぜい回せるのは月に2~ 3件。せいぜい年間で粗利1億円ほどいけば、まあ頑張ったねという感じかもしれない。でもプロモーション業務自体をテンプレートにして「こうすれば絶対に成功するプロモーションができます」パッケージみたいなものをつくって、プレスリリースを出して・・・という方式で仕事をすると、営業する必要は無くなる。テンプレートで対応されることが前提の広告主からの依頼になるわけだから、ミスやクレームもたぶん少ないだろう。業務内容は全てマニュアル化してしまえば、プロモーションの成否が属人化してしまうことも無いわけで、人員をどんどん増やして案件をさばくようにすることもできる。かくしてビジネスは簡単にスケールさせることができる。数億円、もしくは数十億円の事業になるかもしれない。

ビジネスとは本来、こういうふうに、会社の看板やお金、人員といったリソースをかけて、レバレッジをかけてごっそり利益を生み出しに行くようなシビア場所なのだ。いままで真面目にあくせく働いていて全然気づいてなかった。

つまり、真面目にコツコツ働いてたらダメなのだ。いかに他社に先んじて、効率良く、新しい付加価値を生み出す売り物を設計できるか?そういう話なのだった。これは真面目に働くことを否定する話なんかじゃない。ビジネスとして大きな成果を挙げるための創意工夫というのが何よりも大切という話で、これこそクリエイティビティそのものなのかもしれない。

チートのようなこの世界の秘密

真面目にコツコツ案件をこなしていれば、いつか何か大きな仕事があるはず!と信じて疑わずに10年間過ごしてきた自分に喝を入れたい。もっと頭を使えよと。でも、こんなこと学校でも習わないし、親も教えてくれなくないですか?ボードメンバーは誰にそういうこと教えてもらうんですか?そんなビジネス業界のチートみたいな話。

と、酔っぱらいながら理不尽に質問攻めにすると、先輩は「まあ、○○さんお父さんが社長らしくってさ、家訓が孫子の兵法らしいからな」と呟いたっきり、僕らは虚空を見つめながら安酒をまだ飲んでいる。

 

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