パンを買うならハード系のサンドイッチに限る。近所の駅に向かう途中には小さなパン屋さんがあって、僕は毎朝150円ぐらいで小さなサンドイッチを買って、もぐもぐ食べながら駅に向かう。食べ過ぎてもいけないし、ほんの少しだけ塩味がするところが気に入っている。
お気に入りのパン屋を見つけるのは意外と難しい。
パン屋というのはたくさんあるけれど、よくある系列店のパン屋はたいてい工場で生地をつくっている。大学時代にちょっとだけ働いていたパン屋は、工場から仕入れた生地を使っていて、ほとんど成形するだけが仕事だった(それだけでも大変なんだけど)。そんなパン屋の味は悲惨だ。味がちゃんとしていて美味しいパン屋というのは、おおむね個人経営だから、たくさん焼くのが難しくていつも売り切れている。それぐらいのお店が、本当はおすすめできるパン屋だ。
近所のお気に入りのパン屋さんは、夫婦で切り盛りしているみたいで、朝からお昼のピーク時にかけてパートのおばさんがレジに立っている。そんで売り切れたらおしまい。だから無理してなくて美味しい。
先日は「近所にイケメンのおじさんがやっているパン屋がある」と聞いたパン屋に行ってみた。
「WEST WOOD BAKERS」はパン屋というよりも、カフェみたいな感じで朝の9時から開いているのだけど、僕らが到着した日曜10時にはもう行列ができていて、みんな朝ごはんを食べているみたいで、結局僕がブランチを食べたのは11時過ぎだ。
中に入ると高い天井に2人がけのテーブルがいくつかあって、僕らはロードバイク通勤で、休日は趣味でスケートボードをやっていそうなイケメンのお兄さんに通されて、奥の4人掛けのテーブル席に座った。西海岸テイストで無骨な感じの内装がオシャレです。
随分待ったので、僕は結構お腹も空いていたし、喉も乾いていたから「さっき注文したメニューとは別で、店頭に置いてあるパンは今食べられますか?」と訊いてみたら、すぐにお出しできますとのことだったので、早速頼んでみた。店頭に並んでいたオリーブのパンとオレンジジュース。塩味とバターの香りがちょうどいい感じに効いていて、やっぱり美味しい。
ブランチに頼んだのは、ベーコンと卵焼きのサンドイッチ、クロックマダムの二つ。ちゃんとドレッシングのかかったサラダがついてくるのは嬉しいです。
こういう、外側が固くてちょっと灰色がかったサンドイッチが好きなんだ!俺は!と思いながら食べました。こちらのメニューも美味しかった。多過ぎず少な過ぎず、土曜日曜の朝ご飯にはぴったりなので、朝から行列ができているのも納得。
食べている間「何でWEST WOODっていうのかな」という話になったのだけれど、
もともとお爺ちゃんが「西村製パン」というパン屋さんをやっていて、息子はサラリーマンになってしまい後継ぎがいなくてお店を畳もうという話になっていたところ、孫がパン屋を継ぐという話になってリニューアルした結果「WEST WOOD」になったのではないか。
というのが、パンを食べた僕らの暫定的な仮説です。