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PCDJを始めるときにデジタル対応のミキサーを選んでいるひとは多いと思うので、どのミキサーがどのPCDJソフトに対応してるか、ちょっとまとめてみた。

Pioneer DJのDJM-850に買い換えてみた

PCDJをするために、Traktor向けのオーディオインターフェース「Traktor Audio A8」をずっと使っていたんですが、ケーブルの取り回しがとても面倒くさく、2年前ぐらいに普通のときは別のオーディオインターフェースを使おうと思ってTASCOMの「US366」を買いました。が、ここ最近プチプチとノイズが入るのが気になってました。

と、いうわけでちょうど部屋のいらないものも売りに出して清々したタイミングだったので、勢いでDJミキサーを買い換えました。

DJM-850というミキサーは、Pioneer DJという老舗メーカー(Pioneerが分社化されてPioneer DJになった)から出ている業務用のミキサーで、小さめのクラブなら大抵置いてあるモデル。

デジタルミキサーと銘打っていることもあり、PCやMacとUSBケーブル一本で接続可能。もちろんアナログレコード用のターンテーブルやCDJを接続することもできて、Macの音をどのチャンネルから流すか、なんて設定までできてしまう優れもの。

PioneerのDJミキサーから出てくる音を現場で聴いたのはもうだいぶ前の話ですが、やっぱり音がものすごく良くて驚いた。僕はハイレゾ音源を使ってはいないのですが(部屋でやるだけだし)、エフェクトをかけたときの解像度がとても細かくて、低音から高音の音の伸びもとてもすっきりして綺麗だ。ずっと聴いてられる感じ。今もミキサーにヘッドフォンを繋げて、音楽を聴きながらこの記事を書いてます。

最近はDJM900NXS2という上位機種がクラブの現場向けにどんどん出ていて、850はマイナーモデルになってしまったので、実際は市場の実勢価格よりもかなり安く入手できてオススメです。どの店にいってもあんまり在庫は無さそうですが。DJM-850のレビューについては、エフェクトの話とかもしたいので、そのうち別の記事で書こうかなと思います。

PCDJのミキサー選びは以外と面倒くさい

もともと「いっそのことDJ以外でもずっとMacに接続しておいて、普段も使えるDJミキサーにしたいなあ」と思っていたので、ミキサー一択で探していたんですが、これが意外に大変だった。

というのもUSB一本でMacと接続できるミキサー、いわゆるデジタルDJミキサー。結構多いというか、現在新しく出ているミキサーのほとんどはデジタルDJミキサーで、しかもモデル毎に対応しているソフトが全然違う。

Pioneer DJだと安価なDJM-500とかDJM-750はどうかなーって探してみても、「TraktorのDVS機能には対応しておりません」の文字。つまり、DJM-500やDJM-750でアナログレコードを使ったスクラッチなんかをやろうとすると、(自分の場合はもともと使っていたけど)Traktor Audio A6のようなオーディオインターフェースが別途必要なのだ(rekordboxなら可能)。

そうなると、せっかくMacとミキサーの間にまたごちゃごちゃ配線が必要になる。。。何のためにミキサー買い換えてるんだ、どうしてもUSB一本がいい!と思った結果、調べまくってDJM-850にした。

DJミキサーはソフトに公式対応してるものを選ぶのがベスト

特に、スクラッチもいつかやってみたいと思っている方は、焦ってDJミキサーを購入してしまって、使いたいソフトが実はミキサー未対応だったりしてがっかりしないようにお気をつけください。

大抵そういうのって、ミキサーのメーカーが自分の商品をまとめてるだけで、ブランドを超えてまとめてる記事が少ないなあと思ってました。ということで、主要なDJミキサーについてPCDJソフトの対応状況を一覧でまとめてみました。

最近はDJコントローラーでDJやるひとも多いので、あえてミキサーを買おうというひとは結構玄人志向なのではないか?という推測をもとに、ある程度主要どころかつ、現場に置いてある、中級~上級向けの機種に絞ってまとめています。漏れがある!とか、記載が間違ってる!というメーカーの方は、気がついたらTwitterか何かでご連絡ください。随時追記・変更しますので。

主要ミキサーのPCDJソフト対応状況比較表

2chDJミキサー

2chのミキサーを選ぶひとは、おそらくHIPHOPやREGGAEでDJをやろうとしているひとだと思います。特にこの2ジャンルにおいては、DVS機能は結構必須な機能。HIPHOPではブレイクでスクラッチを入れるひとも多いし、REGGAEではレコードを巻き戻して華やかに曲をチェンジしてみたり。

  TRAKTOR SERATO rekordbox
Native Instruments / TRAKTOR KONTROL Z2    
Pioneer DJ / DJM-S3    
Pioneer DJ / DJM-250MK2    
Pioneer DJ / DJM-450    

このなかであえてオススメを書くなら、「DJM-S3」です。

理由としてはソフト。HIPHOPやREGGAEのDJのなか主流なのは「SERATO DJ」で、DJ仲間や先輩にいろいろテクニックを教えてもらうのも、同じソフトであったほうが良いんじゃないかなと思います。

4chDJミキサー

4chの場合は、ハウスやテクノ、EDMをやってみたいというひとが多いんじゃなかろうか。4chのミキサーは結構いろんなメーカーから出ているものがあるので、迷います。主流はやっぱりPioneerDJのものが現場でも多いですね。特に最近はDJM-900NXS2。96kHz/24bitのハイレゾ対応。一方でヨーロッパのほうではAllen&heathも多いです。

  TRAKTOR SERATO rekordbox
Pioneer DJ / DJM-750MK2    
Pioneer DJ / DJM-900NXS2
Pioneer DJ / DJM-S9    
RELOOP / RMX-90 DVS    
Rane / MP2015  
Allen & Heath / PX5    
Allen & Heath / XONE:DB4    

4chでダンスミュージックのDJをやるとなると、PCDJソフトはTraktorかrekordboxのほうがオススメ。というのもTraktorはもともと音楽制作ソフトを作っていた会社なのでエフェクトやパラメータがたくさんあっていじりやすい(Traktorは音質が悪いと書いているひともたまにいますが、それは設定ミス。この件はまた書きます。)。またrekordboxに関しては、現場にPioneer DJのCDJを置いているケースなんかもあって、上位機種との連携を考えるとrekordboxも捨てがたい。

この比較表では、うーんかなり迷いますが、割と資金が潤沢にあるのであれば、Pioneer DJの「DJM-900NXS2」ですかね。ただし、このモデルはガチの業務用といってもいいほど高級で、もの凄く高い。

現実的にはTraktorを選ぶなら「DJM-850」、rekordboxを選ぶなら「DJM-750MK2」といったところでしょうか。DJM-750は2017年に発売された、新しいモデルでDJM-850にも引けを劣らない機能満載。Traktorでなくてもいいひとは、DJM-850の在庫を探すより、DJM-750を買ったほうがいいと思います。

追記:その後DJM-750はMK2となりちょうど良い塩梅のデジタルDJミキサーとして生まれ変わりました。USB一本で接続できることはもちろん、エフェクトのSEND/RETURNもUSBでできる優れもの。

ではなぜその他のメーカーを載せているかというと、DENONミキサーのフィルターって意外に好きなひと多いんですよね。あと、ハウスDJを極めたい!っていうひとならぜひRaneの「MP2015」のデジタル対応ロータリーミキサーはおすすめ。

デジタルミキサーはとても便利

買い換えた身として言えるは、やっぱりケーブル一本でいいっていうのはとてもストレスフリーだってこと。今までMacの裏はケーブルだらけで埃かぶってましたが、スッキリしたおかげで、とてもいい気分です。

また、DJミキサーも最新のデジタルミキサーであれば、2000年頃に発売されたものよりも格段に音が良くなってます。ハイエンドスピーカーを既にお持ちの方であれば、PCやMacから音出すときのオーディオインターフェース代わりに使っても全然違和感無いレベル。

DJ機材や歴史とか、知りたいことがあるひとはPodcastもやってるので、お便りいただければいつか喋ります。

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