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DJブースを充実していく過程でDJ向けのスピーカーやAV環境を整えていく記事をいくつか書いているわけですが、スピーカーの記事は特に人気で、今でもずっと読まれているので、せっかくなのでずっと最新情報が保てるように更新し続けています。
DJ機材を揃えるうえで、DJコントローラーやミキサー、スピーカーと並ぶ最重要アイテム、それが「ヘッドホン」。
少し前にPioneer DJの新作ヘッドホンがSENNHEISERそっくりという記事を書いてみましたが、僕はかれこれ10年以上SENNHEISERのHD25という定番かつオールドスタイルなヘッドホンを使っています。HD25は主にハウスやテクノといったダンスミュージック界隈のDJたちの定番になっているもので、少しレトロな外観もお気に入りのポイント。
DJ向けのヘッドホンとして選んだ際の理由のいくつかあるわけですが、せっかくなのでDJを始めたいというビギナーの方や、DJ向けのヘッドホンを探している方向けに、おすすめのヘッドホンや選び方のポイントをまとめてみたいと思います。
DJ向けヘッドフォンの選び方
フロアの音を聴いてみよう-DJにヘッドホンが必要な理由-
そもそもDJは何のためにヘッドホンをしているのか分からない、という方のために一応解説しておくと、DJがヘッドホンを使うのは「実際にフロアへ音楽を流す前に、次の曲を確認するため」です。
クラブのDJはフロアで踊っているお客さんの足を止めることなく、次の曲へスムーズに曲と曲をつなげることが求められます。そのためには曲自体の雰囲気はもちろん、曲自体のテンポ(BPM)をピッタリと合わせる必要があって、フロアで実際に鳴っている音楽と次に待機している曲をそれぞれ確認する作業が必要。というわけで片方の耳でフロアの音を聞きながら、片方の耳ではヘッドホンで次の楽曲を確認(モニタリング)、という動作になるわけです。DJブースでDJが片耳だけヘッドホンを耳に押し当てているのはそういう理由なんですね。
ヘッドホンは消耗品だと考える
じゃあヘッドホンは何買えばよいのよ、という話ですが、僕が相談されたときに毎回伝えることが、この言葉「ヘッドホンは消耗品!」です。これは、実際に自分がDJを始めた頃に先輩に言われた言葉でもあります。
DJ向けのヘッドホンなわけだから、さぞ音が良いものを買ったほうが良いんだろう、という人がたまにいますが、DJにとってヘッドホンは消耗品みたいなもので断線したり壊れたりするのは日常茶飯事。ダンスミュージック黎明期のDJ達は、片耳だけの頑丈なボディのものを使ったり、電話の受話器を改造してヘッドホンを作っていたという逸話もあるぐらい。
家でお部屋DJしてるだけであれば音にこだわるものアリですが、個人的にはヘッドホンに5~6万とかかけるのはもったいないなと思っていて、ヘッドホンにお金をかける余裕があるのであればDJコントローラーやミキサーのグレードを上げたほうが、上達も早いはず。というわけで、大抵は2~3万のものが妥当なのでは?と思ってます。
ハウジングが前後に動くものは片耳モニタリングが楽
ヘッドホン自体の選び方として最も強く強調しておきたいのが「ハウジングが可動式か否か」というポイント。
ハウジングというのはヘッドホンの音が鳴る部分のことですが、片耳でフロアの音を確認して片耳でモニタリングするためには、どちらかのハウジングを耳から外す必要があります。そんなときに便利なのがこの可動式ハウジング。
特に、左の写真のように前後に動くようなタイプのヘッドホンはオススメ。一般的なヘッドホンは前後に動かないので、ただヘッドホンをずらして着用しているDJがほとんど。一方で、SENNHEISERのHD25のような可動式のモデルだと、写真のように正しい位置片耳にはフィットした状態で、片耳を外すことができるようになってかなり便利です。
カールコードに対応しているか?交換はできるか?
意外な落とし穴がコード。DJブースで取り回しやすいのは圧倒的にカールコードと呼ばれる、伸縮するコイル型の形状になっているコードのほうが良いです。
DJミキサーやDJコントローラーを触っている最中に、余ったコードがフェーダーやスイッチに触れたり、実際のクラブのDJブースではドリンクを引っ掛けて液体を機材にこぼしてしまう可能性もあります。万が一、音が止まったり機材を壊してしまうと大変。なので基本的にはカールコードのヘッドホンもしくは、コードを付け替えられるヘッドホンを選んで、後から付け替えるなどして対応したほうが良いかなと思っています。
最大入力値はクラブ仕様?
ヘッドホンを選ぶ上で最後のポイントが最大入力値。これは、ヘッドホンに対してどれだけの大きさの音声を入力できるか?という指標で、一般的なヘッドホンは高くて1500mW(ミリワット)程度ですが、例えばPioneer DJから販売されているDJ向けヘッドホンの最上位モデルである「HDJ-X10」は3500mW。大きな音の入力を前提につくられているということは、大音量の鳴り響くクラブのDJブースでもモニタリングしても、大きく正確な音で確認ができるということを意味します。DJ仕様のモデルだと2000~3500mWぐらいが一般的ですが、ヘッドホン選びで迷った場合は最大入力値をベースに決めるのもオススメです。
DJおすすめのヘッドフォン
かつてはSONYのMDR-Z500DJとか、MDR-Z700DJといったメカニカルなデザインのヘッドホンが主流だった時期もありますが、そもそもSONY自体がDJ向けと銘打ったヘッドホンを出さなくなり、最近はすっきりしたデザインが主流に。というわけで現在入手できそうな定番品、最新のおすすめヘッドホンをまとめてみました。
SENNHEISER HD25 PLUS
というわけで一発目のおすすめヘッドホンは管理人も使っているSENNHEISER HD25です。僕が買ったのは数年前ですが、今ではHD25PLUSという名称になってカールコード付属。ダンスミュージックでは定番ヘッドホンとなった音のモニタリング性能も抜群な上、前後に動くハウジングは現場でも使いやすいアイテムに仕上がっていて文句なし。ミニマルで少しレトロなデザインもお気に入りです。
唯一、欠点を挙げるのであれば側圧が強いこと。シンプルな作りなので優しくフィットするような最近のヘッドホンとは違い、少しだけギュッと抑えるような着用感になっています。ハウジングを後ろに動かして片耳着用している自分はあまり気にはなりませんが、通勤通学でも使いたいという方だと少し違和感はあるかもしれません。
Pioneer DJ HDJ-CX
2つ目のヘッドホンは、前回のDJ関連記事でも紹介した、HD25クローンとも言われている「HDJ-CX」。
公称の再生周波数帯域は「5~30000 Hz」と、ひと回り広い範囲をカバーしつつ、予備のイヤーパッドも付いていて汗や皮脂汚れでボロボロになりがちなイヤーパッドを交換するのも気軽にできます。
試着した感じはHD25ほどタイトな作りではなく、やや優しいフィット感でした。この側圧は好みの問題かもしれませんが、逆に言うと普段使いしてもあまり問題ないレベルなので、他の人があまり使っていないヘッドホンとして普段使いするのもオススメかもしれません。
audio-technica ATH-PRO5X/ATH-PRO7X
次に紹介するのはaudio-technica。HIPHOPやR&B、REGGAE界隈では根強い人気のあるブランドで、長らく採用している金属製のスライダーが特徴的。
ATH-PROシリーズはDJプレイを想定され長年愛されてきたシリーズですが、2018年にリニューアルして名の末尾に「X」の文字がつくようになりました。リーズナブルな価格帯と、大きなハウジングから鳴る音のバランスが非常に良く、ビギナーにもよく選ばれるモデルです。
実は、高校の頃に僕が使っていたのもaudio-technicaのモデルで、当時はギターの音が鳴らせなくてアンプにつないでモニタリングするために使っていましたね。audio-technicaの耳を包み込むようなハウジングは、圧迫感が無いので好きな人は多く、DJの他にもトラックメイカーや音響エンジニアにも支持されています。
audio-technica ATH-M50x / ATH-M40x
audio-technicaのヘッドホンはDJ向けと銘打っているもののほかにもMシリーズと呼ばれるエンジニア向けモデルが存在します。このシリーズはスタジオレコーディングやミキシングといったスタジオ作業に用いるために設計されたヘッドホンで。爆音のなかで使うというよりは、静かなスタジオで使われることを前提にしているので、最大入力値は1600mW程度のものが多く、最上位の「ATH-M70x」でも2000mWとなっています。数値自体は低めですが、1500mW以上あれば部屋でDJするには十分なスペックなので、DJの他にもトラックメイキングもやる予定の方はこういったヘッドホンのほうがオススメ。
ハウジングを前後に動かすことはできませんが、頭にフィットするように可動するので長時間着用していても疲れにくいのは流石audio-technicaといった感じ。
Pioneer DJ HDJ-X7/HDJ-X5
DJ向けのグッズといえば真打ちはPioneer DJ。Pioneer DJからももちろんDJ向けのヘッドホンが発売されていて、Xシリーズと呼ばれるものが中心的なDJ向けシリーズになっています。Xシリーズの最上位は「HDJ-X10」ですがかなりハイエンドなモデルになるので、そこまで高いものを選ぶ必要はないと思っています。
トレンドの楽曲に対応するように、低い音から高い音まで幅広く対応するように設計されているのがPioneer DJヘッドホンの特徴で、周波数特性は5~30000 Hzまで対応しているところも魅力的。
XシリーズのX5については、Bluetooth機能がついて「HDJ-X5BT」というモデルも用意されています。無線でスマホやパソコンにもつながるので、普段の生活や移動中にスマホから音楽を聴くこともできて、使い方が広がって良いですね。
下位のモデルでも十分な耐久性をもっていて、アメリカ国防総省が制定したMIL規格に準拠した試験をクリアしているので、ある程度雑に扱っても安心感がありつつ、コンパクトに折りたためるので移動の多いDJにも嬉しい機能性。
Pioneer DJ HDJ-CUE1 / HDJ-CUE1BT
Pioneer DJからはXシリーズの他にもCUE1という比較的安価なDJヘッドホンもあるので、これから始めるのでお金を節約したいという方にはおすすめ。CUE1は先述のX5のようにBluetooth対応モデルもあります。
安いモデルではありますがハウジングの可動するスイベル機構も上位モデルと同様の動きに対応はしていますし、半年ぐらいで潰してしまうことを前提にするのであれば、一旦こういうモデルを買って初めてみるのは良いかなと思いますね。Bluetoothモデルなら普段使いもできるし。
モニター用のスピーカーも忘れずに
以上が、DJにおすすめなヘッドホンについてのまとめ記事でした。今から始めようという方にとっては、何が必要なのか分かりにくいことも多いと思うので、今後もちょこちょこ記事でまとめていこうかなと思います。その他に必要なグッズとしては、DJ向けのスピーカーについても、音が出る仕組みやお部屋DJにもピッタリなコンパクトサイズで鳴りの良いおすすめスピーカーをまとめているので、よかったらチェックしてみてください。
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[dj01equipaudio]