久々にアクセス数を確認してみたら、DJの話題を読んでくれている人が多いようなので、とても嬉しい限りです。世の中にもっといろんなDJが増えたら楽しいのになあといつも思っています。
次は「HOUSEのひとはハッピーなひとが多いのに、なんでTECHNO界隈はストイックな気質のひとが多いのか」みたいな記事を練っているのですが、年末からなんだかバタバタしてしまって、記事にできず1月を終えようとしています。
これは僕の見解ですが、DJはプレゼンターだと考えていて、クラウドの求める曲をかけて楽しんでもらうことはもちろんのこと、「こういう曲をこんな風に楽しんでみるの、どう?」という提示をしていくのが理想的なあり方なんじゃないかなと思っています。最近だとJ-POPのDJをやる芸人とかも出てきていて、それはそれで良いと思うんだけど、もともとそのスタイルあったし、音楽というのは浪花節とかアフリカ民謡とか民俗音楽も含めるともっと広大だ。それにダンスミュージックには、ルーツにあるソウルやファンクだってある。
これが流行りとか、いま楽しいとか、そういうものとは違うベクトルでDJ自身が、音楽を楽しんだり新しい聴き方の輪を拡げていくっていうことが良いのではなかろうか。なんて思います。
目次
DJM-RECについて
Pioneer DJからRECアプリ(MIX録音アプリ)が爆誕
さて本題ですが、今回はPioneer DJがアプリをリリースした件について。
DJが曲をつないでMIXをつくる、となると録音したいなと思うのは当然の流れですが、録音用のスマートフォンアプリがひっそりと爆誕しています。とても便利そうで、使い勝手はレビュー動画を観るのが早いかも。
USB端子ベースのSEND/RETURNに対応しており、現行のDJミキサーだと、DJM-TOUR1・DJM-900NXS2・DJM-750MK2・DJM-450と、ここ最近リリースされているモデルとUSB接続するかたちになっています。
もちろんiPhone向けのマイクや、オーディオインターフェース(詳しくは用語集参照)を間に挟むことで、Pioneer DJ以外のDJミキサーにもつなぐことは可能です。
録音だけでは無いDJM-RECの機能
Rec&Shareは当たり前に
主要な機能としては録音&ソーシャルシェア。YouTube、Facebook Live、Periscope、Instagram、Snapchatといった主要なライブ配信にダイレクトにリリースが可能!Instagramでライブ配信やってみたいなあと思っていた自分からすると、これはとても重宝しそう。
かゆいところに手がとどく音圧調整も
録音してシェアできるぜ!というだけでも実は画期的なのですが、注目すべき機能としては「Pioneer DJのDJミキサーとUSB接続していれば、DJミキサー内部のリミッター処理をiPhoneからいじれる」というところ。非常に地味な点ですが、これがけっこうすごい。
一般的にDJミキサーから音を出力する際、出音が歪まないようにMASTERアウトプットを調節するのですが、録音機器のインプットと絶妙にレベル合わせをせねばならず、これがとても面倒なのです。まあ気にしないひとは気にしないんだけれども、大抵そういうMIXはクリッピング処理と呼ばれる、音域の強制カットが入ったりノイズが乗ったり、あんまり音質が良くない。それをiPhone側で簡単にコントロールできるのは、地味っちゃ地味だけどかなり手間が省けて便利。
またラウドネス処理と呼ばれる、音圧の調整もiPhoneアプリ内でできるので、なんか音がしょぼいなあというときも音圧を上げてクラブっぽい音に仕上げることが可能!
ミックスポイントのタイムスタンプまで可能
最後に、ミックスポイントについて。Pioneer DJとの接続であれば、クロスフェーダーの位置データをiPhoneに送信することで「どこで曲が切り替わってるか」を記録しておくことまでできます。そのセンサーつけておこうぜって言った開発メンバー賢すぎだろ。
SEND/RETURNって?
ここで、一番大切なiPhoneとDJミキサーをつなぐときの「SEND/RETURN」について
最近DJになった方のために解説しておきますと、SEND/RETURNというのは、「DJミキサーから一時的に音をエフェクターに送って、エフェクターから加工済みの音を戻す」ための端子。図にするとこんな感じです。
SEND/RETURNのための端子は、一般的にはRCA(下の画像でいう赤と白のコードね)なので2本セットなんですが、前述したDJM-TOUR1・DJM-900NXS2・DJM-750MK2・DJM-450という機種はSEND/RETURNがUSB接続になっており、そのUSBに繋いでくださいという仕様になっています。2本が1本になるので、便利です。
最近のPioneer DJから出てるDJMシリーズのミキサーは、スマートフォンやタブレットを視野に入れてかUSB端子のSEND/RETURNがついてるし、以前に紹介したエフェクターのRMXシリーズはいずれもUSBでDJミキサーとつなぐことを想定されています(RMXはRCA端子も有)。
エフェクターを使うと、DJミキサー内臓のエフェクト以外に様々なものを載せられるので、パフォーマンスに幅が出て面白いですね。参考までにRMX-500のプロモーション映像を貼っておきます。
この公式映像、「いまどのエフェクト使ってます」っていうのが左上に表示されるので、けっこうプレイの参考になってオススメ。
Pioneer DJのプラットフォームと、DJによるMIXの意義
Pioneer DJというメーカーは、これまでのDJミキサーやDJコントローラーの設計から言って、裾野を広げるプラットフォームとしてどんどんブランド資産を拡げていっている様子が伺えて、いちユーザーとしてはとても期待がもてます。日本のメーカーって大抵(音楽業界に限らず)、モノを作って終わってしまうケースがほとんどなので残念なのですが、昨今のPioneer DJのリリースラッシュを見ていると、DJやそれにまつわるエンターテイメント全体をプラットフォームとして捉えながら、プロダクトの設計をやっている気がします。
DJミキサー、コントローラー、PA機材と来て、このREC&SHAREアプリ。最終的には楽曲の著作権自体を管理するサービスとクロスオーバーさせて、DJが安心していろんなMIXを制作したり聴いたりすることができるようなプラットフォームになっていくんじゃないかな。事実、関連サービスを買収してますし。
そういう土台があれば、「曲を(プレイリスト、セットリストの文脈から)紹介する」っていうMIX本来の純粋な楽しみ方が、もっとできると思うんだよなあ。そして流行りの曲はもちろん、埋もれた名盤をいろんなひとが発掘する素晴らしさも広がっていくんじゃなかろうか。
iOS向けAppStoreにて販売中
DLは無料で30日間はフルアクセスが可能ですが、それ以降はアプリ内課金(¥1200)で機能をアンロックし、製品版として使えるようになっています。DL自体はタダなのでざっとチェックしてみても良いかもしれません。
DJM-REC(Pioneer DJ Corporation)
DJM-RECは、簡単にDJミックスを録音でき、世界中の人に効率よくプロモーションができるDJ向け録音アプリケーションです。 DJのニーズである「シンプルな接続」、「高音質な録音」、「効率の良いプロモーション」を、デジタルセンドリターン機能のついたDJミキサーシリーズ※との連携で実現します。
その他プレスリリースに関しては、こちらからどうぞ。
- Pioneer DJからのリリース(簡単にDJミックスを録音でき、世界中の人に効率よくプロモーションができる DJ向け録音アプリケーション DJM-REC を1月23日リリース)
- Pioneer DJの製品紹介ページ(DJM-REC High-quality DJ mix recording app)
[dj01equiplive]