日本ではZOZOの前澤さんの所得や、月旅行の話でもちきりだけど、海の向こうのアメリカではIT業界が騒然としている。

今月10日のアメリカ株式市場は、FANGを中心に大幅下落を記録した。FRB(連邦準備銀行)による利上げは債権市場への資金流入をもたらすので、一般的には株安になるのが普通で、ある意味予想されていたリアクションなのかもしれない。しかもこの売り浴びせは、弱気筋の自動取引ツールのせいでもあると言うひともいる。

米国株大幅安は「やや遅きに失した」、パニック見られず

10日の米株式市場では指標のS&P500種株価指数が2月以来最大の下落となり、ナスダック100指数は7年ぶりの大幅安を演じた。下落の規模は衝撃的だが、ウォール街のトレーダーによると、市場にパニックはほとんど見られない。

ブルームバーグ・ニュースがセルサイドとバイサイドのトレーダー10人に行った調査によると、9日と10日の早い時間に「ヘッジ活動が増えた」。また、ポジション追加のため市場に参加する投資家も見られたほか、売り注文の大部分はパッシブ運用ファンドによるプログラム売買デスク経由だったとの声も聞かれた。 – – – Bloomberg

FANGというのは英語では「牙」という意味の英語。だけどアメリカ株式市場のなかでは、IT事業で今やテックジャイアントとなった新興企業「Facebook」「Amazon」「Netflix」「Google」の4つを指す。直近の株価だけを見ると見事にナイアガラの滝のようにも見える。日本では「GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)」という言い方のほうが馴染み深いかもしれない。

ここ最近のアメリカの株高を牽引してきたのは、言うまでもなくトランプではなくIT関連株の業績が伸長していることによるものだ。付け足すならあとはAppleのような成長し続けるテクノロジー企業、IBMといったNASDAQの面々。FANGはここ10年で、ITバブルが弾けたと言われる2000年代初頭から、実に50倍から100倍も株価が伸びている。Amazonは先日、時価総額で1兆ドルを突破した。

1兆ドルというと、日本の2018年度の国家予算が98兆円ぐらい、世界第3位の国内総生産(GDP)が4兆USドルぐらいだから、日本の国家規模と並べても引けをとらないレベルだ。そういう意味では、Amazonの敵はもはや競合小売企業ではなく、各国の政府ということになるかもしれない。政府にとって脅威となるのは、もはや1960年代にアイゼンハワーが演説した「軍産複合体」ではなく、明らかにテックジャイアントだ。

そのテックジャイアント勢には、いま逆風が吹いている。株価の下落もさることながら、最も問題なのは個人情報の取り扱いについてだ。ヨーロッパでは先般GDPRが施行され、Cokkie情報などの匿名化された行動履歴を含めたデータは個人情報に準ずるかたちで、ユーザーの同意を得てから、適切に処理する必要が生じるようになった。

最も企業価値の毀損と闘っていると言えるのはFacebook。Facebookはハッキングによる個人情報の流出に関する事象を報告したが、5000万人のアカウントがハッキング対象として脅威にされされていた危険性があるという。さらに、Facebookがこれまで行ってきた企業買収(特にInstagramとWhatsApp’s)案件で、買収先とのデータ連携や広告枠の導入による収益化計画で、創業者との不和が問題にもなってきている。

Facebookの企業買収がまずいことになっている

Facebookと、Facebookが以前買収した企業の創業者のケースは、マーク・ザッカーバーグと彼の会社に買収されることがどんなことになるのかを如実に物語っている。最も尊敬と願望に満ちた買収の一つとされたWhatsAppの買収から5年、一連のスキャンダルでFacebookのM&A部門のイメージは地に落ちた。これにより、事業をFacebookに売却するよう起業家を説得するのは難しくなったかもしれない。またはFacebookは今後の買収で、より多く支払ったり、契約に自主性の保証を盛り込んだりすることを余儀なくされるかもしれない。 – – – Tech Crunch

Amazonは以前からくすぶっていた労働争議問題が再び加熱しつつある。Amazonの倉庫や配送業者は「効率的な」業務遂行を求められ、人間的な振る舞いが難しくなるほどの激務(それは例えば配送車の車中で用を足すことも含まれる)に耐えながら仕事をしているのは周知の通りだ。Amazonは檻のようなゲージのなかで仕事をする特許すら申請しているし、労働組合の対応策までマネジメント向けのビデオで教育している。

問題の指摘を受けて、Amazon側は従業員の給料を引き上げたが、その代わりストックオプションの支給を廃止したので実質的には何の賃上げにもならなかったという声もある。

極め付けはAppleとAmazonに降りかかるスパイチップ問題だ。スパイチップはIT企業のデータセンター中枢のサーバーに仕組まれていると噂されていて、その処理データを中国に送信しているとも疑われている。今の所AppleとAmazonは否定していており、陰謀論のようにも聞こえるのだけれど、かつてCPUに設計上の致命的な脆弱性があったことは事実であり、中国ではないにしろ、一種のゼロデイ脆弱性を利用したハッキングがFANGをはじめとしたIT関連企業に向けられていることは想像に難くない。

僕は個人としてAppleのサービスも利用しているし、Amaozonで買い物もよくする、Netflixなんて毎晩お世話になっているわけだけど、それが数千万人、数億人規模のレベルになってくると、悪巧みを画策するクラッカーや政府の思惑のサンドバックになることも十分考えられる。企業倫理自体が崩壊する可能性もある。

これからあと数年でAIがもっと発達して人間の職はどんどん奪われていくだろうと考えたとき、僕らのデータや行動を握っているテックジャイアントは、どんな企業になっているんだろうか。それは僕がかつてFacebookというウェブサイトを初めて開き、英語でイギリスの友達にメッセージを送った感動をつくってくれたときの、そのままでいてくれるだろうか。そうあって欲しいもんだなあなんて、最近のIT関連ニュースを見ながらついつい思ってしまうのだ。

 

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