kinko’sで自炊できる?!
kinko’sというとパッと分かるひとはそんなにいないかもしれないけど、広告業界では便利な印刷屋さんとしてよく使われているお店。プレゼン資料なんかを製本するときもそうだし、最近の僕は販促ツールをよく制作しているので、ポスターやPOPの色チェック用にkinko’sで試し刷り、なんてことはよくあります。kinko’sって街の印刷屋さんに比べて、店頭のオペレーターさんが割と親切な印象なので、ど素人の自分でもいろんな仕事で使えて便利です。
で、そんなkinko’sでなんと「自炊(電子書籍にするためのスキャン作業)」ができるらしい、という話を先輩から聞きました。というのも、先日、蔵書を自炊代行サービスの業者へ大量に送ったのですが(手持ちの書籍を電子化したい -自炊への道-)、特急スキャンオプションをつけなかったので、仕上がりは3月中旬になるらしい。その間、ちょこちょこ買った本や、自炊代行サービスでは受け付けて貰えない書籍なんかもスキャンしたい。
さらっと書いたけど、自炊代行業者でもスキャンができない部類の書籍というのがあるんですよね。
僕も初めて知ったのですが、Amazonで電子書籍として既に販売されている作家や、写真集など技術が必要なものなどは、稀にですが自炊代行業者から「スキャンできません」と返送されるケースもあるそうです。先日蔵書を送った際には、事前にNGリストを確認していたので、「これは別でスキャンしよう」とちょうど思っていたところ。該当したのは高橋源一郎の「さようなら、ギャングたち」。大学の頃から何度も読み返しているお気に入り。
既にKindleで売られてもいるので、せっかくだし買いなおしても良いかなとも思いましたが、ずっと持ち歩いていたお気に入りだし、一旦スキャンすることに。
東京での対応店舗は汐留、秋葉原
kinko’sには全店舗でオフィス向け複合機が置いてありますが、それではなく富士通の「ScanSnap」をドキュメントスキャナとして置いてある店舗を利用する必要があります。いろいろ電話してみたんですが、電話口で「書籍を丸ごとスキャンしたいので、ScanSnapが置いてあるか確認できますか」とヒアリングするのが吉。
というのも、kinko’sってパソコンブースに必ずスキャナが置いてあるので、店舗スタッフによっては平置きのスキャナをドキュメントスキャナだと勘違いしているひとがいたりします。品川店がそうでした。。。確認する際は「書籍を丸ごとスキャンしたい」「複合機や1枚ずつのスキャナではなく、ScanSnapが置いてあるか確認したい」と訊くようにしましょう。
僕が調べた感じ、東京では汐留店と秋葉原店しか無さそうだったので、今回は汐留店へ行ってきました。山手線新橋駅からも歩いてすぐですね。
というわけでkinko’s汐留店。本来汐留店は24時間営業なんだそうですが、行った数日前に電通でコロナウイルス感染者が出た関係で、バイトスタッフの枠が埋まらず22時までということでした。もうちょっと早めに行けば良かった。
方法は「断裁サービス+ブース利用 × ドキュメントスキャナレンタル」
実際にどんな感じで自炊化するのかというと、「PCブース利用料を払って、無料でスキャナをレンタル」することで自炊作業ができるようになります。またスキャンする前に、本は断裁して1枚ずつの紙の状態にしておかないといけないので、合わせて断裁サービスも含めて依頼する流れです。
今回は文庫本、ソフトカバーそれぞれの書籍で合計9冊を持ちこんでみました。混み合っていたので、1時間ぐらい晩ご飯を食べて再度来店。背表紙を断裁された書籍を受け取って、PCブースヘ。くれぐれもページがぐちゃぐちゃにならないよう、持ち運びにはご注意ください。
あとはひたすらスキャンです。スキャナはScanSnapシリーズではありましたが、S1500という旧モデル。ただスピードは割と速かったように思います。紙詰まりが起こったりするとちゃんとアラートが出るので、便利ですね。スムーズに行けば文庫本1冊20分~30分ぐらいで完了しそう。
保存先は持ちこんだUSBメディアを指定。スキャンした後に色合いを調整できるようにjpgでの保存設定を推奨します。表紙はカラー片面、中身はグレースケールで両面スキャン、といった風にスキャン設定も変更するように気をつけてください。
お家に帰ったら、画像を調整してPDF化
スキャン画像をUSBメディアで持ち帰ったら、あとは加工作業です。綺麗なスキャナであればそのままでも問題ありませんが、若干ムラがあったり、経年劣化している書籍だと日焼けの跡も気になったり・・。これらを一気に修正します。
まずは表紙だけ綺麗にしておこうと思って、Photoshopで画像の傾きを少しだけ補正。
あとは本文ですが、200~300あるページを全て1枚ずつPhotoshopで加工していくのは面倒なので、今回は「Xn Convert」というアプリを使いました。Mac/Winにも対応しているのは嬉しいですね。アプリケーションを立ち上げて、編集したい画像を「入力」タブへ一気に放り込むと、1ページずつプレビューできるようになります。
出力タブで書き出し先や名前の設定をしたら、「動作」タブで画像を編集していきます。変換前と変換後を見比べながら作業ができるので、書き出す前にチェックできて便利。
「さようなら、ギャングたち」に関しては、日焼けが酷かったので白を飛ばしながら、文字を黒めに強調。作業としてはトリミングしたり、いろいろできるらしいのですが、正直よく分からなかったので「動作を追加 > マップ > レベル」から黒レベルと白レベルを調整するのみにとどめています。使い方が合ってるのか分からんけど。
で、補正した画像ファイルをここからPDF化するのですが、これ以降はちょっと次回ガッツリやっていこうかなと思います。
自炊代行のほうがおそらく安上がり、でも数冊なら良いかも
レシートを取っておいたので参考までに。背表紙の断裁は1冊200円、1時間パックのブース料金で1200円、合計で3000円でした。
正直、自炊代行に頼んだら1冊150円~200円ぐらいなので、明らかに自炊代行のほうが安いんですが、そんなに本は持ってないよっていう方とか、急遽スキャンする必要がある方にはオススメです。
それでは次回をお楽しみに。