先々月ぐらいからずっと蔵書を整理しているのですが、やっとひと段落がついたので、書籍をPDFファイルにするときの注意点や活用方法についてメモをまとめておきたいなと思います。自室に大量の蔵書がある方は是非参考にしてみてください。

書籍をPDFにするメリットと管理方法

いろんな方法を駆使してPDFファイルをじゃんじゃかつくってみましたが、iMacのなかはこんな感じ。手元にこれだけずらっと並んでいると、便利。本棚に並んでいる本を眺めながら、仕事のヒントになりそうな本を取り出して・・・というのも好きだったんですけどね。

本をスキャンしてPDFするメリットはずばり「デジタルデータとして管理がしやすくなる」ということ。これはDJがレコードよりデジタルデータを使っている状況にも似ていますが、PDFファイルなのでUSBメディアに入れて持ち運ぶこともできるし、Dropboxなどのファイル共有サービスを使えば自宅のiMac、仕事で使うMacBookPro、あとiPadやiPhone全ての端末で書籍を持ち運ぶことができるようになります。

しかも、OCR処理というテキストデータを埋め込む処理を施しているので、おろ覚えのタイトルや気になるキーワードから書籍を横断して検索したりすることも可能です。

僕の蔵書は小説も多いですが、仕事に使うようなクリエイティブ関連の書籍も多いので、何かしらインスピレーションを求めてファイルを検索するのも簡単。

デメリットとしては、ものとしての本はスキャン時の断裁で処分せざるを得なくなるということ。本棚から一掃したかったとはいえ、これはこれで寂しい気持ちはあります。

自炊代行業者を使うべきか?自分でスキャナを買うべきか?

じゃ今から書籍をスキャンしてPDF化しよう!と思っている方たちの疑問「業者に依頼するべきか、自分でスキャンするべきか」という話題。結論から書くと「自分の持っている書籍に愛着があるひとは、自分でスキャンしたほうが絶対に良い」とだけ書いておきます。

今回僕は①自分のもっているScanSnapでスキャンする(10冊程度)、②自炊代行業者「スキャンピー」へ依頼する(100冊程度)、③自炊代行業者「BOOKSCAN」へ依頼する(140冊程度)、④スキャナを置いてある自炊スペースへ行ってスキャンする(後述)、という4通りの方法にチャレンジしてみました。

書籍に愛着があるなら自分でスキャンすべし、と思う理由

まずは自分でスキャンしたほうが良いと感じる理由。僕は普段から、10年以上前に買った本も時折取り出しては読んでみてという風に、本に割と愛着があるほうで、ものを持ち続けていること自体にも結構喜びを感じていました。なのでスキャンしてデジタルデータ(PDF)になるとは言っても、スキャンするときに書籍そのものは断裁して処分しければならないのはかなりツラかった・・・。そういう人は、極力綺麗にスキャンしておきたいと思うはずです。

で、綺麗にスキャンするって実は自分で拘ってやり抜いたほうが納得感もあって良いと思います。万が一、自炊代行業者にお願いしたデータに満足できなかった場合の後悔って、後戻りできません(ソースは僕、理由は後述)。スキャナの性能に関しても、業務用と民生用って解像度はほどんと変わることはなく、スピードが速いだけ。数万出せば業者レベルのスキャナはごろごろあります。

スキャンするのは数冊だからスキャナを購入するほどでも無い、という方は都市部にお住まいならキンコーズに行くのもオススメですね。詳細は記事にまとめてみたので、10冊以内という方はご参照ください → kinko’sで自炊(電子書籍化)にチャレンジしてみた

自炊スペースについて

じゃ自炊スペースは?という方向けに少し、自分の経験を書いておこうと思います。自炊スペースというのは、書籍の断裁機や業務用のスキャナが用意されてあるスペースで、利用客は時間や書籍の数(もしくは重量)に応じて利用料を払うという場所。自炊スペースは関東にはいくつかあるようですが、東京だと自炊の森さんとか有名ですね。

僕も利用してはみたんですが、スキャン時のクオリティが満足できなかった印象。というのも店舗スタッフではなく、一般利用客がスキャナを操作することもあってか、どうしても端末の扱いが荒かったり年季が入っていたりして、僕の使ったブースでスキャンしたデータは歪みが激しかったりして使えないなあと思ってしまいました。ただ業務用のスキャナは使えるし、大量の書籍や漫画がとりあえずPDFになれば良い!っていう方にはオススメです。

書籍が大量にあるなら自炊代行業者はオススメ

「持っている蔵書に愛着があるなら自分でスキャンするのが最善」というのが僕の見解ではあるのですが、さすがに数十冊以上ともなるとかなり手間がかかるので、やはり大量の蔵書がある方には自炊代行業者をオススメします。ただ業者によって価格体系や注意点が異なるので、自分が利用したサービスのなかでいくつか注意したい(というか、自分が注意したかった)ポイントをいくつかまとめておこうかなと思います。

気長に待てるならスキャンピーさんはオススメ

1つめに利用した会社はスキャンピーさん。基本的に1冊ごとに費用がかかる方式で、ウェブサイトを確認していただくと分かるんですが、フォームに冊数を入力するだけで料金も分かるので明朗会計。僕は次回からはここを使おうかなと思っています。

スキャンピーさんの価格は1冊づつの計算になるのですが、作業料金は1冊80円(300ページまで)で、表紙のみカラーにするとか、さきほど説明したOCR処理をやってもらうとか、そういうオプションを足していくことで、1冊あたりの単価が上がっていく方式になります。

例えば300ページの単行本をスキャンして表紙はカラー、OCR処理してもらおうと思ったら、ベースのスキャン費用80円に加えて、表紙カラーオプション(50円)、OCR処理(80円)となって、最終的には1冊あたり210円かかる計算ですね。2日以内にお願いしたい!という特急オプションはここからさらに100円追加ですね。

しかも21冊以上の場合はバリューパックという制度もあって、1冊あたりのページ数制限がなくなり、フルカラー、OCR、など各種オプション付きで、210円。分厚い本もたくさんあるような方にはかなり嬉しい価格設定になっています。

スキャンピーさんは各種サービス業者のなかでもかなり安いほうですが、その割に仕上がりもちゃんとしていたし、個人的には今後業者にお願いするときはスキャンピーさんにしようかなと思っています。

ただ注意点もあって「特急オプション」について。依頼する量が100冊以上になると、オプションかけるだけで100円×100冊という計算になるので、1万円を超えてくるお勘定になります。極力価格を抑えたいという方だと、特急オプションを無しにして気長にスキャン完成を待つのが良いかなと。

BOOKSCANさんは実用書向けかも

2つ目がBOOKSCANさん。ウェブサイトもしっかりしているし、何か信頼できそうだなと思って140冊ほど依頼。

BOOKSCANのサービス全容というのはちょっと分かりづらいですが、会員登録してマイページを見てみると良いかも。通常価格とプレミアム会員価格という体系になっていて、通常価格は1冊スキャン100円から。OCR処理のオプションは100円、ファイル名変更は50円、という感じになっていて、普通に計算すると合計1冊250円になります。

一方、プレミアム会員制度というのもあって、月額9505円(税抜)払えば毎月50冊までのスキャンが無料(OCR処理、ファイル名も変更)、さらに納期も当日~1週間程度と短納期にしてくれるし、サポートも優先的にやってくれます。

毎月大量に書籍を購入されている方だと、毎月1万円ぐらい払って50冊速攻スキャンしてくれるっていうのはかなり便利ですよね。プレミアム会員になるとマイページには会員番号に紐づいた送付先が常時表示されるので、そこに書籍を送りつければOK。Amazonやブックオフの送付先と宛名を設定しておけば、自宅で荷物を受け取ることなく書籍をスキャンしてもらえます。

ただし、僕がハマったトラップを注意点として紹介しておくと、BOOKSCANさんは「表紙はサービス対象外」ということ。これはかなり致命的でした・・・。マイページにずらっと並んだスキャン済みの書籍を見ると気がつかないのですが、PDFファイルをダウンロードすると表紙カバーはついていません。チューニングオプションで「表紙を付け加える」というオプションもあるのですが、基本的にデータベースからサムネイルを引っ張ってきているだけなので、画像サイズが小さくで荒く、完全にスキャンされた書籍とは言い難い・・・。ウェブサイトからは「本好きのために」という言葉が並んでいたため、自分的には結構思い入れのある本ばかりを送ったのですが、結果としてそれらの表紙は全部消失。メンタル的にけっこう凹みました・・・。

サービス設計的な観点から考察すると、「工程的に面倒なので表紙スキャンは対象外」という判断って、本をモノとしては見ていないひとの設計なんじゃないかなと思うのですが、おそらく中身が読めれば良い!っていう実用書みたいな、そういう書籍のスキャンを想定したサービス設計なんかもしれません。とはいえプレミアム会員のコストパフォーマンスはかなり高いので、大量に実用書をガンガン読んでいくスタイルにはマッチするんじゃないかなと思います。

今後の書籍スキャンの方針について

BOOKSCANの表紙無い問題、後から気がついてかなりの精神的ダメージを負いましたが、まあブログのネタにもなったし勉強にもなったかなと自分を納得させるとして、今後の方針を少し。

やっぱりモノとしての本も好きな自分としては、表紙のスキャンはマスト。1~3冊ぐらいだったら自分でスキャンしようかなと思っています。ただコミックみたいな大人買いしたいときや、そもそも一度に大量(21冊以上)に購入したいケースではスキャンピーさんにお願いしていこうかなと考えています。特急オプションについても、1回で300冊とかだとキツイですが、今後は数冊から20~30冊に抑えられるだろうなということを踏まえると、まあ払っても良いかなと。

今回は自宅から送ったので、ちょっと面倒でしたが次からはAmazonから直接スキャンピーさんに送ろうと思ってます。

最近はリモートワークで通勤時間が減ったし業務もかなり効率化してきているので、読書するペースを上げてインプットを増やしていきたいな。

 

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