以前にもiPhoneでDJできるDJコントローラーを紹介したりしてきましたが、現実的な問題としてiPhoneは画面が小さいので、僕は友達にはiPadを持ってるならそちらのアプリで始めたほうが良いよ、と伝えるようにしています。というわけで今回は、その理由とiPadでDJできるDJコントローラーに特化して、いくつか選び方をご紹介。
目次
iPadでDJをするメリット
抜群の携帯性!思い立ったらパーティーへ持ち込める
大型フェスやクラブでDJをするとなったら、処理能力の高いラップトップを使うDJが一般的ですが、モバイルデバイスを使う一番のメリットは「持ち運びやすさ」。iPadそのものもそうですが、大抵モバイルデバイスに対応しているDJコントローラーはコンパクトなものが多いので、思い立ったら部屋から持ち出して、友達と一緒に練習なんてことも気軽にできます。
iPhoneよりも画面が大きく検索性に優れる
そしてなぜiPhoneよりもiPadなのか?というところですが、結論から書くと「画面が大きく楽曲情報を確認しやすい」から。iPhoneの場合は画面が小さいので、流れている曲を表示するコントロール画面と、楽曲を選ぶためのミュージックライブラリー画面が別々になっていることが多いです。一方でラップトップやiPadのDJアプリは全てひとつの画面に収まっていることが多く、ワンタッチでライブラリーを呼び出せたり操作がしやすい。また画面が大きいので、楽曲リストから曲を選ぶのもストレスが少ないですね。
SpotifyなどのストリーミングサービスでDJできる
これはiPadに限らない話ですが、最近のDJアプリはストリーミングに対応しているケースが多いです。この領域で先行しているのはSpotifyに対応しているalgoriddim GmbH社のiOSアプリ「djay」。Spotifyのカタログは現在4000万曲以上と言われていますが、djayアプリはPC版もリリースしているので、ラップトップなんかでもSpotify音源でDJが可能(Spotify Premium を定期購入する必要があります)。
業界トップのPioneer DJもDJソフト「rekordbox」ではBeatport Linkに対応してはいるものの、残念ながらiOSアプリには対応しておらずパソコン版のみの提供に止まっています。
ちょっとしたパーティー向けとしてはオススメ
持ち運びも気軽にできて、さぶすくサービスでストリーミング可能。なのでiPadでDJするシーンとしては、音源の処理能力的に大箱なクラブでは難しいと思いますが、友達の部屋でちょっとしたパーティーをやったり、結婚式の二次会、カフェで小規模なパーティーを開くといったシーンにはオススメ。つまりちょっとDJやってみたいなあという初心者の方にはかなりオススメです。
iPadに対応したDJアプリ
iPadに対応したDJアプリって結構あるんですが、ここからは安心して使える大手のDJアプリをピックアップしてみました。
TRAKTOR DJ 2 (Native Instruments)
TRAKTOR DJは、ドイツのソフトウェア/ハードウェアブランドであるNative instruments社がもっているPC向けDJソフト「TRAKTOR」のiOS版。Native instrumentsはもともとソフトシンセとかエフェクトを開発している会社なので、効果音やユーザーインターフェースに関してはかなり定評があります。
テクノマスターRichie Hawtinが初期の開発に参加していたこともあり、ダンスミュージックを好むDJはTRAKTORを使っているひとが多いです。
djay (Algoriddim)
実はこちらもドイツで開発されているDJアプリ。初期のdjayは「DJ体験をiPadでも」という初心者向けの触れ込みだったため、割と初心者向きな印象でしたが、最近は様々なコントローラーがdjayアプリに対応するようになり存在感を増してきています。
特にストリーミングサービスとの連携については早くから行われており、本格的なDJアプリでSpotify対応したのはdjayが最も早かったですね。
WEDJ for iPad (Pioneer DJ)
最後に紹介するWEDJは世界トップのDJ機材ブランド、Pioneer DJからリリースされているDJアプリ。Pioneer DJの方針として、本格的なDJはラップトップでという思考があるようで、WEDJは比較的初心者向けのシンプルなUIになっています。
後ほど紹介するWeGO4はこのアプリのために作られたDJコントローラーですね。
iPadでのDJに対応したDJコントローラー
以降はざっと対応しているDJコントローラーを紹介していきますが、数が意外と多いのでメーカーごとにまとめて紹介していければと。
TRAKTOR KONTROL S2 / S3 / S4 (Native Instruments)
TRAKTOR DJに対応するにはNative InstrumentsのDJコントローラーが最も安心。ということで純正コントローラーがこちらの3つ。
TRAKTOR KONTROLシリーズは型番でいうとS8まであるんですが、現状対応しているのはS4まで。Pioneer DJと同じく本格的な運用はパソコンで、という感じなのかもしれません。
TRAKTOR KONTROL Z1 (Native Instruments)
Native InstrumentsのDJコントローラーでも異色な存在がこの「TRAKTOR KONTROL Z1」。このZIは、2chミキサーの中央部以外を削ぎ落としてシンプルにしたコントローラーになります。
ジョグホイールがついてないけど大丈夫?と思ってしまいますが、特にTRAKTORというソフトはテンポ検出機能がとても優れているので、曲と曲のスピードをジョグホイールで合わせる必要が、あまりありません。なので、曲と曲をつなぐだけであれば、このぐらいシンプルなモデルでも十分DJはできます。
DDJ-200 / DDJ-400 / DDJ-WeGO4 / XDJ-RR (Pioneer DJ)
次に紹介するのがPioneer DJから発売されているシリーズ。Pioneer DJは番号やアルファベットが若いほうがエントリーモデルなのですが、スマートデバイスに対応しているDJコントローラーは概ねエントリーモデルですね。
DDJ-WeGo4は先ほど紹介したWEDJというDJアプリに対応したDJコントローラー。このDJコントローラーはとてもコンパクトでスマートなので、軽い気持ちでDJをスタートするならオススメです。
あと最近のPioneer DJの傾向として、「パソコンが不要になりつつある」という流れがあって、USBメモリだけでDJをすることができるDJコントローラーが増えてきています。オールインワンDJシステムと命名されたシリーズのなかでiPadに対応しているのはこちら。
XDJシリーズは先般4chの新作XDJ-XZも発売されたところ。上位機種はiPad対応しないと思いますが、オールインワン型の下位機種であるこのXDJ-RRにもディスプレイなどはついてるので、他のモデルよりも高機能といえば高機能。
BEATPAD2 / MIXON4 (Reloop)
最後に紹介するのはちょっと変化球なDjブランド「Reloop」から。Reloopも実はドイツ発なんですが、現在国内ではDirigentが正規販売しています。
BEATPADはiOSとの接続を前提とした設計ですが、MIXON4のほうはSERATOというパソコン向けDJソフトにも対応しています。HIPHOPのDJだとSERATOが多いので、MIXONも良いかも。
ステップアップがしやすいDJコントローラーがオススメ
ざっと紹介してみましたが、iPadといったスマートデバイスに対応しているDJコントローラーは、エントリーモデルであるケースが多いってところも分かっていただけたのではないでしょうか?DJ機材は何度も購入するのは野暮なので、iPadに特化して最適化されたものというより、その後もステップアップしやすそうなDJコントローラーをオススメします。今回紹介したものでいうと、Pioneer DJのDDJ-400とか、Native InstrumentsのTRAKTOR KONTROLシリーズ。
また、iPadからの音だと物足りなくなってくることも多いので、合わせてDJ向けのコスパ良いスピーカーを買っておくのもオススメですね。