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昨年の2020年はコロナ一色の年になってしまい、良くも悪くも自宅でDJする方が増えた年になりました。それに加え、DJ界隈の話題といえばオンラインライブの話が多くなっていて、新たなハードウェアの話はあまり出なかった気がします。と思っていたら、Pioneer DJからBluetooth時代を感じさせるDJミキサーが登場していました。
目次
とんでもないDJミキサーが登場してた
そのDJミキサーはずばり「DJM-S7」。Pioneer DJから出ているDJミキサーのなかでも、スクラッチパフォーマンスなどのDJバトル向けのSシリーズ現行4つ目のモデルとなります。価格は定価で17万円ぐらいでビギナーというよりも中級者〜プロフェッショナル向けの機材であると言えますね。
ただ、現行でのフラッグシップモデルのDJM-S11が25万円程度となっていて、それと比べると8万円程度安価。さらにこのDJM-S7、実はDJM-S11を買うよりもS-7のほうが良い機能もあるというすごいモデルになっています。まずは公開されたプロモーション映像をどうぞ。
DJM-Sシリーズ=バトル・スクラッチDJ向きのDJミキサー
DJM-Sシリーズは前述した通りスクラッチパフォーマンスといった技を披露するバトルDJ、ターンデーブリスト向けのシリーズ。通常バトルでは2チャンネルしか使わないため、物理インターフェースは2チャンネル形式となっています。また、エントリーモデルのDJM-S3を除けば、パフォーマンスパッドと呼ばれる多機能パッドに多くの面積が割り当てられており、両チャンネルのボリュームを示すレベルメーターが、ボリュームフェーダー付近にあることも特徴。
バトルDJは、パフォーマンス中に素早くスクラッチ音源を呼び出したり、左右のチャンネルから的確に狙い通りの音を出す必要があるため、理にかなったデザインであると言えます。
現行ラインナップは発売日順にDJM-S9(2015年10月)、DJM-S3(2017年10月)、S11(2020年10月)、そしてDJM-S7(2021年3月)となっています。
Pioneer DJあるあるなんですが、基本的に型番の数字が大きいものがフラッグシップであったり、高機能なモデルということにはなるんですが、最新機能は実装できるときにぶっこむという慣例があります。なので、実は今回のS7にしか無い機能というのもあるんですよね。
DJM-S7の特徴
地味にして最大の特徴=Bluetoothによる無線接続
「他のモデルに無い最もユニークな機能」それがまず注目したい「Bluetoothによる無線接続機能」です。Bluetooth接続が使えるというのはスマートフォンと無線で接続できるということで、つまりスマホ内にある楽曲を無線でDJミキサーに飛ばして、再生できるということを意味しています。
公式からの紹介では割と最後のほうにさらっと紹介してあるだけですが、この機能実はむちゃくちゃ革新的。スマホとDJM-S7があれば曲が流せるということは、DJ仲間みんなで集まって練習しているときに、それぞれのスクラッチネタを持ち寄って練習したりすることもできるし、現場でラップトップ調子がおかしい!となったときのアクシデントにスマホを繋げてその場を凌ぐ、なんてこともできます。公式からのリリースを読むと、オーディエンスからのリクエストに対して、スマホアプリで検索して再生してしまうという使い方も紹介されていますね。
Bluetooth機能を搭載しているので、ワイヤレスでオーディオ入力することが可能です。スマートフォンで再生されている楽曲に合わせてスクラッチ練習を行ったり、オーディエンスからの急なリクエスト曲を音楽アプリから探したりすることができます。PC/Macが誤作動を起こした場合でも、お使いのスマートフォンをバックアップとしてBluetooth接続しておけば安心です。楽曲の入力先はマスター、チャンネル1と2から選択することができます。 – – – Pioneer DJ「DJM-S7」
現状では1チャンネルでの入力でしか対応していないため、あくまで簡易実装といった印象はありますが、将来的にはラップトップもUSB接続する必要もなくなったり、2台のスマホでBacktoBackをやったりということができるモデルも登場するかもしれません。
DJミキサーでは初実装のLOOP MIDI機能
その他に特筆すべきポイントとしては、このモデルから初採用となったLOOP MIDI機能。
これはおそらく、他の商品であるRMX-1000に似た機能ですが、検知したBPMに合わせてMIDI信号を飛ばすことができる機能。
例えば、あらかじめハイハットやキック、クラップ音などを設定していて、再生中のビートに対してループを作動させることで、楽曲に味付けができるというものですね。HOTCUEを割り当ててループをつくっても良いし、ワンショットのサンプリング素材でループを組んでみることもできそうです。
実際のパフォーマンス動画を見てみると、楽曲をミックスするというより、瞬時にリミックスしていくような感覚に近いのかなと思います。
基本的にはS-9の廉価版ではなくS-11のマイナーアップデート
リリースされている内容を確認してみると、その内容はSシリーズの初代モデルS-9の下という感じはなく、S11のマイナーアップデートともいうべき高いスペック。S9もかれこれ登場から5年以上経っているので、ちょっとスペック的に妙味はなくなってきているのかもしれないと思わせるほどのS7の完成度。
Beat FXと呼ばれる拍数に合わせて自由自在にかけられるサウンドエフェクトも、S9が15だったのに対して、S7はS11と同じ数の22。USBのハブ機能についても、ラップトップと繋げるためのType-B端子以外に、Type-Aの端子を2つ備えているので、USBハブを必要とせずに、他のコントローラーを接続することができます。これもS11にしかなかった機能。
DJM-Sシリーズ比較してみた
S3を除いてフロントパネルの面構えを並べてみるとこの通り。パッと見た感じの印象としては、それぞれのモデルにそこまで大きな違いは見られないように思いますが、ディティールを見てみると、やはり今回のS7はS9というよりもS11寄りであることが分かります。
DJM-S11 DJM-S9 DJM-S7
S11は中央部にタッチスクリーンが搭載されているため、レイアウトが大きく違いますが左右に8つずつに並んだパフォーマンスパッド付近を見てみると、HOTCUEやROLL、SAMPLERのボタンがパフォーマンスパッドの上部にそれぞれ配置されていて、中央部に配置されているS9とは大きく違うことが分かります。さらにエフェクター部分もECHO、VYNAL BRAKE、PHASERとそれぞれに色が違うのでDJ中に間違ってパッドを押してしまうことも減りそう。
細かな違いをピックアップしていくとキリが無いですが、代表的なポイント比較だけ表にまとめてみました。
DJM-S7 | DJM-S9 | DJM-S11 | |
チャンネル数 | 2 | 2 | 2 |
Bluetooth入力 | ◯(1chのみ) | × | × |
LOOP MIDI | ◯ | × | × |
Touch MIDI | × | × | ◯ |
USB Type-A(USBハブ) | 2 | × | 2 |
USB Type-B | 2 | 2 | 2 |
BEAT FX | ECHO DUCKING ECHO ECHO OUT SPIRAL HELIX DELAY REVERB BACK SPIN ONE-SHOT SPIN VINYL BRAKE ONE-SHOT BRAKE FLANGER PHASER HP-FILTER LP-FILTER TRANS KILL ROLL FADER PITCH FADER SYNTH (SINE/SAW/SQUARE) | BACK SPIN DELAY ECHO FADER SYNTH SAW FADER SYNTH SINE FADER SYNTH SQUARE FLANGER HP FILTER LP FILTER PHASER REVERB ROLL SPIRAL TRANS VINYL BRAKE | ECHO DUCKING ECHO ECHO OUT SPIRAL HELIX DELAY REVERB BACK SPIN ONE-SHOT SPIN VINYL BRAKE ONE-SHOT BRAKE FLANGER PHASER HP-FILTER LP-FILTER TRANS KILL ROLL FADER PITCH FADER SYNTH (SINE/SAW/SQUARE) |
Deck 3/4 control | × | × | ◯ |
rekordbox Hardware Unlock | ◯ | Paid | ◯ |
Serato DJ Pro | Serato DJ Pro Serato DVS PITCH ‘N TIME DJ | Serato DJ Pro Serato DVS | Serato DJ Pro Serato DVS PITCH ‘N TIME DJ |
こうして比較してみても、やはりS7はS9よりもS11寄りであることが分かります。
S9よりもS7のほうがおすすめかも
DJM-S11と比較するとタッチディスプレイが無かったりと、もちろんハードウェア的に劣る部分はありますが、機能的にはかなりS11に肉薄している印象のDJM-S7。スクラッチなどのパフォーマンスのスキルを磨いて、バトルDJを目指している方にはS9よりも断然こちらをおすすめしたい。
SシリーズのSっておそらく「SeratoDJ」のSということみたいですが、rekordboxにも対応しているし幅広く使えるDJミキサーだと思います。
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