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Pioneer DJから新たに発表されたプロフェッショナル向けDJミキサー「DJM-V10」が結構面白そうなモデルに仕上がっています。これを機会にPioneer DJのプロダクトは大きく変わってくる可能性がありますが、これから高めのDJ機材を購入しようか検討中の方には、今後のセットアップを考えるにあたり参考になりそうな考察を記事にまとめてみたいと思います。

DJMシリーズを大幅アップデート

王者の風格すら漂うフェイス

Pioneer DJのDJミキサーとしては、大型フェス向けにはDJM-TOUR1、クラブなどのプロフェッショナルな現場向けとしてはDJM-900NEXUS2が使われていました。今回のDJM-V10は価格としては40万未満という価格帯で、位置付けとしては00番台のDJMシリーズから基本的なデザインや機能を大幅刷新したモデルになりました。DJM-900NEXUS2の発売開始が2016年なので4年ぶりの上位機種ということになりますね。

Pioneer DJ DJM-V10 6chプロフェッショナルDJミキサー
パイオニア(Pioneer)

Pioneer DJは2018年から2019年にかけて価格の低いエントリーモデルや、部屋向けの10万ぐらいの中級向けモデルを立て続けにリリースしてきたので、ここにきてフラッグシップ級のモデルを大幅アップデートしたのは驚き。

これまでリリースされてきたDJコントローラーのミキサー部分って、大抵「DJM-900NEXUS2」だったんですけど、今後は高価格帯のDJコントローラーにはDJM-V10のレイアウトなどが踏襲されていくのではないかなと思います。プロモーション動画はこちら。

大きくアップデートされたポイント

贅沢な多いチャンネル化でソースは6ch、SEND/RETURNも2系統

まずリリースを見て驚くのは使えるチャンネル数が大きく増えたこと。多チャンネルのミキサーってあるにはあるんですが、DJブースは狭いので結構敬遠されがち。あまりにもミキサーのチャンネル数が多いと筐体それ自体の幅をとるため、大きくなってしまうんですね。そこを攻めにいったかーという感慨はありますね。

裏側を見てみるとさらに驚きなのがSEND/RETURNがなんと2系統付けられるようになりました。つまりエフェクターが同時に2台接続することができるわけですね。ただし、エフェクター用のMULTI I/O端子(USB接続)は1つなので、2台使う際は6.53mmのPhonoプラグでの接続になるみたい。

EQは4BANDへ

ハウスやテクノといったジャンルでDJする方には重要なのがEQ部分。高音や低音など、特定の音域をカットしたり強調したいときに役立つEQですが、一般的には3つ。今回DJM-V-10は4BAND EQになりました。表記上ではHI/HI MID/LOW MID/LOWの4つですね。

この4BAND EQですが、ダンスミュージック界隈だと最も有名なのはALLEN &HEATHが出している「Xone:96」。ALLEN & HEATHのXoneシリーズは音へのこだわりが強い海外DJ御用達になっていて、普及率ではPioneer、でも音はALLEN & HEATHだよね、というDJも多いです。今回4BAND EQを導入した背景としては、そういった音質勢向けの対抗馬としての意味合いもあるのかもしれません。

今後のDJやミュージックシーンへの影響は?

曲と曲を繋ぐだけでなく、サンプリングや打ち込みとの融合

このブログではずっと前から書いてるんですが、6ch化やSEND/RETURNの2系統対応なんかは、明らかに多様化するDJスタイルを意識していると思います。これまでは4chあれば十分だったチャンネル数ですが、それは使う音源が最大でも4つ程度だったから。

Pioneer DJのウェブサイトを見ると、CDJやターンテーブルとの接続にだけに止まらず、さらにサンプラーやシーケンサーなどをつなげた、より表現力の高いパフォーマンスが可能になるセットアップが参考画像として掲載されています。

こういうセットアップができるようになると、これまで曲と曲を繋いでおけばOKだったDJはもっと変わってくるはず。人気曲をかけながら、同時にサンプリングして打ち込んでシーケンサーからは別のメロディを出力し、即席のリミックスを即興で作り上げていく。こうした新しいスタイルというか、DJと音楽制作の融合みたいなパフォーマンスが、これからのトップDJには求められてくるはずです。

下位機種のスタンダードレイアウトに

あとはさきほども書きましたが、下位機種もそれに応じてレイアウトが変化するだろうなという点。DDJ-RZXのようなDJコントローラーとして上位にある高価格帯のモデルは、これまでDJM-900NEXUS2のレイアウトを踏襲してつくられていました。それが、今後リリースされる高級モデルだとV10のレイアウト、具体的には4BAND EQや2系統のSEND/RETURNをデフォルトの仕様としてデザインされるケースが多くなってくるのではないかな?と思います。

トラックメイカーが一気にDJになる

DJと音楽制作の垣根がどんどん低くなっていく、ということは音楽制作畑のひとがどんどんDJになっていく、ということでもあるわけで、DJM-V10を音楽制作機材として購入するひともいるんじゃないかなと僕は思っています。そうなればDJ人口って一気に増えるかもしれない。そういう爆発的な可能性をもったモデルであることは間違いない。というわけで今後もPioneer DJに期待です。

Pioneer DJ DJM-V10 6chプロフェッショナルDJミキサー
パイオニア(Pioneer)

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