かつて存在したイベント前のDJあるある

DJというのはダンスフロアに音楽を届けるのが仕事。だから当然音楽をたくさん持ち歩いていないといけない。その昔、DJといえば12インチレコードを使っていた時代には、僕もイベントの度に大量のレコードをキャリアーに積んで運搬していて、出かけるのにもひと苦労。大抵はみんなレコードをしまえるハードケースを、2輪式のキャリアーにくくりつけていました。

レコード70枚ぐらいならまだマシ。運び込むのがレコードだけならまだしも、ちょっとこだわったエフェクターなんて持ち込もうとか、100~200枚ぐらい欲張ってレコードを持ち込もうものならもう悲劇。(まれにアシスタントというパシリ君を引き連れていることもありますが)DJというのは大抵一人で活動するものなので、DJイベント当日の出番前には腕が若干プルプル震えている、なんてことも昔はよくありました。

 

レコードからCD、CDからデータへ

僕の記憶が確かなら、クラブのDJブースにCDJが置かれて、CDでDJできるようになったのが2000年ぐらいから。Pioneerから初代CDJコントローラー「CDJ-50」が登場するのが1994年なので、まあまあ普及しつつあった時代。僕が当時目にしていたのが「CDJ-700S」「CDJ-100S」。そして衝撃的だったのが、ジョグコントローラーの上に手を載せるとスクラッチできるようになる、という今では当たり前の機能となったスクラッチ機能が実装された「CDJ-1000」。

2000年代はCDJというのが一世を風靡していて、ジャマイカのレゲエセレクター(DJのこと)なんかもCDでDJしてるよ〜なんて声を、ジャマイカに行った先輩が笑いながら喋っていた言っていました。その後も進化を続けているわけだけど、いまやCDJプレイヤーの高機能化はすさまじい。

一番大きなポイントとして挙げられるのは、音楽のリスニング環境が圧倒的に変化したこと。とくに2018年の暮れである現在、レコードでリスニングするというのは結構特殊な趣味になりつつある。一般消費者はCDすら買わない。もはや音楽はデータで楽しむのが普通だ。意識が高いDJならBeatportでエクスクルーシブな音源を購入するけど、普通のひとなら、SpotifyやApple Musicといったサブスクリプションサービスがあれば十分で、いちいち音楽を購入する必要すらない。

 

PCDJ、データDJが一気にDJ機材の進化を促した

データで音楽を聴く、とう行為が普及すれば、じゃあDJも、となるのが普通で。そんな流れのなかで台頭してきたのがPCDJやデータDJと言われる「アナログレコードやCDを使わないDJスタイル」。アナログターンテーブルの代用品としてCDJを使うことで単体運用するという考え方が生まれる前に、普及してしまったのがこのPCDJ、データDJというスタイル。

PCDJはDJ機材をMacBookProなんかのラップトップに接続することで、PCのなかにあるデータとしての音源を鳴らすことができるので、キューポイントや検索、現場に持ち込めるカタログ数は圧倒的に多くなる。荷物問題からDJたちを解放したのがPCDJだった。だから一気に広まった。

そして最近の新しい傾向としてはラップトップ、PCすら必要ないという新しいかたちが生まれつつある。それが「USBメモリだけを使う」という方法。

USBでDJできると荷物が圧倒的に減らせる!

これは本当にポケットにUSBメモリを入れて現場に参上すれば良いというもので、数十GBのメモリに入っている音源を、USBメモリ対応のDJコントローラーで読み込めば良いだけ。こんなに便利な現場入りがかつてあっただろうか!!!!というレベルの衝撃なんですよ。それが今回取り上げるPioneer DJの「XDJ-RR」。

 

XDJ-RR -Pioneer DJ待望のUSB対応DJコントローラー-

USBメモリを刺しただけで使えるDJコントローラーって、実は前からあって、DENON DJから発売されていたMCX8000なんかがそれに当たります。

MCX8000はミドルクラスのDJコントローラーだったので、13万円程度で出回っており、こちらのDJコントローラーもかなりお買い得ではあったのですが、ここにきてついにPioneer DJからUSBメインのDJコントローラーが出てきたぞ、ということで取り上げてみます。

Pioneer DJが独壇場であったCDJ機材。これまで様々なCDJプレイヤーを市場に投入してきたわけですが、ここ数年の動きとして気になっていたのが「CDJと銘打っているのに、実はUSBメディアが使えるし、なんならそちらのほうが便利」という状況がありました。例えば現行モデルでは5万円台とかなり安価なCDJプレイヤーである「CDJ-350」のパネルを見ると分かるんですが、ソースセレクトにUSBって書いてあって、つまりこれCDJプレイヤーなんですが、実質的にはUSBメディアプレイヤーになっています。

もともとUSBを使ったDJコントローラーというのは作れる状況にあって、満を持して投入したのがこちら「XDJ-RX」。今回のXDJ-RRの先代というか兄貴分になりますね。

Pioneer DJ XDJ-RX2

こちらのモデルはUSBだけでプレイできるDJコントローラーとしは20万ぐらいするミドル〜フラッグシップ級のモデル。USBでDJできるっていうのはすごく便利なんですが、本来その手軽なスタイルでDJを楽しみたいというひとにとっては、気軽に手が出せる値段ではなありませんでした。そこで登場したのが、廉価版のXDJ-RR。

Pioneer DJ XDJ-RR

廉価版といても、実はなにか性能が劣っているというわけではなく、ほぼRX2の規格を踏襲しながら、入力端子を減らして初心者仕様に。なのでRX2とは違って、外部のCDJやターンテーブルを取り付けたりすることはできず、USBメモリをさしてDJするか、パソコンをつないでPCDJをするかという二択のみになります。ただ初心者仕様ということを考えると、この仕様の切り捨てはまあまあ正解かなという気も。

USBでDJできるということは、例えば友達がこのDJコントローラーを持っているなら、USBに音源をぶっこんで家に持っていけばDJの練習が手軽にできるということを意味します。これまでよりも、もっと気軽にDJ仲間と音楽を聴いたり、ミックスすたいるを探求したりっていうのが当たり前になっていく時代になるんでしょうね。

その他にもPioneer DJならではの機能は「スマホアプリ」との連携。無料アプリであるrekordboxアプリをDLしてXDJ-RRと接続すると、あらかじめ設定したホットキューなんかも読み出せるし、iPhoneを操作することで、DJコントローラーを操作することも可能。

以前、iPhone対応のDJコントローラーという記事をまとめたんですが、一般的なスマホ対応DJコントローラーって、DJコントローラー1つに対してスマートフォン1台なんですが、この動画を見る限り、それぞれのDJがもっているiPhoneをそれぞれつなぐことができそう。つまり、チャンネル毎にiPhoneを接続して、バックトゥバックも可能ということかなと思います。これは地味に熱いポイントなので、そのうちDJコントローラーのまとめ記事は更新してていこうかなと思っていたりも。

Pioneer DJのDJコントローラーって最近のものは上位機種のNEXUSシリーズなんかとボタン配置を揃えていたりするので、家で手軽に練習するのであればこちらはオススメ。購入するときは埃が入らないように専用カバーも忘れずに。

 

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