学校の図書室といえば夕暮れどきにオレンジ色の西日が差してくるものだろう、とそう思うのは、小学校の図書室がそうだったからで、中学以降なんとなく体育会系になってしまった自分のなかでは、やっぱり図書室のイメージは小学校の図書室のままで止まっている。青春というのは体育館でもグラウンドでもなく、西日の差す図書室が一番ぴったりだ。と真剣にそう思っている。僕が映画を撮るなら絶対にそうするだろう。

さて。

映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作である「指輪物語」は、実は小学生のときに図書室に置いてあったものを読んだことがあって、僕の記憶が確かなら3部作がそれぞれ3冊ずつ構成された全10冊だったはずだ。カバーはついていないけれど、赤い布地のハードカバーの本は図書室では珍しくって、裏表紙を開いて見ると案の定誰も借りたことが無い大作。誰も借りられていないなかった様子がゲームに出てくる魔道書みたいだなと思って、何気なく手にとってずーっと借りっぱなしにして、半年ぐらいかけて読破した。

ちなみに10冊のうち、最後の一冊は追補編。物語ではなくって、本編に出てくるいろんな要素の百科事典になっていて、これが本編よりも面白い。そのほかにも、指輪物語の各冊には必ず中つ国の地図が描かれてあって、想像力を刺激させる。こういう細部への無駄なこだわりが素晴らしい。

地図がいいんだよ。地図が。

かつて「なんとなく、クリスタル」という小説を書いた後、長野県知事になった田中康夫は作品中に大量の脚注を入れるという手法を採用して絶賛されたわけだけど、無粋な脚注よりも「地図」のほうが数万倍イケてると僕は思う(大学生の頃に読みましたよ一応)。

脚注は単なる説明だけど、地図にはロジックとストーリーの両方が必要だ。地図には純然たる歴史があり、現在の営みを想像させるのが良い。だから僕はフィクションとしてのリアルさを追求した地図もそうだし、架空のレビュー本なんてものも読んだことがある。スタニスワフ・レムの本は今読んでも普通に面白い。脚注を超えた偏執狂的な文章への執着心を感じる。

世の中にはそういう架空の世界を創作するのに長けたひともいるわけで、とくにライトノベルなんかじゃなく、実際に自分でも地図をつくってしまうひともいたりする。こういう完全に自分の世界に閉じこもってつくられた創作物は、独特の手触りがして、現代美術を見ているときのような目眩に襲われて好きだ。

ウェブサイト「空想都市へ行こう!」もそうした空想の都市を紹介する古参サイトのひとつで、サイト内には横幅3000ピクセルを超える地図が掲載されていたり、架空のチェーン店の看板集なんてものもある。バスや電車の時刻表、落し物の再現まであって至れりつくせりの情報量。

見返りもなくただただ広がり続ける架空の世界というのがとても素敵。確か以前タモリ倶楽部に出演していたのもこのひとで、Amazonで探してみたら大判の本まで出版していました。

探してみるとほかにも結構いっぱいある。

・ANOTHER CITIES -空想都市「多奈崎」へ行こう-

・MAP CREATION

最近だと、架空の中世っぽい都市の地図を出力するジェネレーターというのがあって、これがけっこう面白かったです。

お城や教会の有無も選べて、ジェネレートしたマップのブロックも自由に変形できたりするんだけど、これ何のために自動化しようと思ったんだろうね。素晴らしいけど、なんか無駄、という。この絶妙なさじ加減が様式美、といった感じで感心します。

・Medieval Fantasy City Generator by watabou

こういうひとはどうせ、第二弾とか平気でつくるんだろうなあと思っていたら、案の定3D化していた。。。

3Dの城下町はヨーロッパ風や冬の積雪時、砂漠といったふうに風景を変更することも可能です。

・Toy Town by watabou

さらにクリエイターのサイトでは、地方地図から世界地図を生成する自動化ツールまで用意されていて、ゲーム制作とかで使ってるのかなあ。と、あてもなく妄想しています。

 

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