LEGOでできたースーパーカー「LEGO Bugatti Chiron 1:1」に関する記事を書いてみたら、直後にBugattiから新しいモデルがリリースされていました。その名も「Divo」。レクサスのスピンドルグリルのようなフロント、あれ正直僕はあんまり好きではないんですが、こうしてスーパーカーだと思ってみるとカッコいいですね。

「公道を走行できるスーパーカー」という超富裕層の所有欲を刺激するコンセプトに値する「Divo」という名前は、アルベール・ディーヴォからきていて、彼は国際的なカーレースとしては最も歴史が古いイタリアの公道自動車レース大会「Targa Florio」で1928年と1929年に優勝経験をもつ。まさに創成期の伝説的なレーサーだ。

この新しいスーパーカーは、2018年8月24日にアメリカのカリフォルニアで開催された「The Quail, A Motorsports Gathering」で発表。限定40台の発売で、価格は500万ユーロ、日本円にして6億6200万円もするが、もう買うことはできない。発表前に完売してしまったから。発表前に、というか仕様が判明する前に6億円もするスーパーカーが40台も売れてしまうの正直パない。

Divoはコーナリング性能を売りにしていて、公開されたワールドプレミア動画は余すことなくスーパーカーである所以を訴求してくる。

ただしこの動画の走行映像は、おそらくほぼCGだろう。光の当たり方が少しおかしいところもあるし(だからカッコいいのだが)、自動車のCMは昔からボディの曲面を強調するためにCGが多用されてきた。ただし再現度はかなり高いし、YouTubeで視聴するぐらいであれば全く問題ないレベルだと思う。

グラフィックにしろ、ムービーにしろ、自動車をモチーフにするCGには注意が必要で、その最も難易度が高いものが「光」だ。自動車のボディはなめらかな曲面で、光は複雑に反射するため、他のものをCGにするのとはわけが違う。また、背景の実写映像と、合成したCGの物体には影の方向や長さがずれると違和感ができてしまうので、、常に光源の位置を記録しておき、常に正確な計測をしておかないといけない。

この面倒を解消するために開発されたのが、CG制作プロダクション「The Mill」が開発した「The Blackbird」だ。

このゴーカートのような奇妙な車は一人乗りで、一般的な自動車のようなボディパネルは無く、上部に360度で撮影しながら太陽の光源を特定できるカメラも装備している。この車で何をするかというと、「この車にそのままCGの車を合成する」ことができる。

The Blackbirdは、臨機応変にあらゆる車のサイズに対応する必要があるので、ホイールベースの長さや車高など様々な基本的仕様を変更することができて、後でCGによる自動車モデルを合成しやすいようになっている。

カンヌ広告祭でライオンを受賞したイノベーションプロジェクトになっていて、紹介動画が公開されているので、これを見たほうが分かりやすいかも。

これまではいちいち光の角度を計算して撮影スケジュールを組んだり、撮影した後からカットを加えちゃって明らかに違和感を感じるものになっちゃったりと、大変だった自動車の動画撮影が、(もちろん、背景には高度な計算技術が実装されているわけだが)ものすごく簡単になりそう。

最近では背景の撮影場所ですらCGにしてしまうことも多いみたいで、カメラのカタログなんかも、実はほとんどCGらしく、全て3D-CGらしいんです。僕らが買いたいと思う広告のなかでも「実際にその商品である」必要性ってけっこう薄くなっていくんじゃないかなとも感じます。

 

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