大抵のひとは何らかのお守りや信仰をもって生きていて、その対象となるサイズの大小は様々だ。神社のお守りのときもあれば、富士山のような山の場合もあるし、はたまた大切なひとから貰ったプレゼントや子どもの写真だって、その対象にはなりうる。

僕が好きなエピソードは「ストロベリーショートケイクス」という映画のなかに出てくる、里子(池脇千鶴)という主人公のひとりがお祈りする神棚で、里子は道端で拾った石ころをお手製の神棚に飾っている。お祈りの言葉はこうだ。

恋がしたいです。誰かの女になりたいです。スペシャルなひとの、スペシャルな女になりたいです、なあんてね

日によってお祈りする内容はちょっと変わって

恋がしたいです。空が青いよとか、今日は星空が綺麗だとか、そんなくだらない話ができて、共感できる恋人がほしいです

というときもある。この普通さがとても素敵だ。

この映画は魚喃キリコの漫画が原作になっていて、原作は映画の設定とは若干異なるけど、原作者である魚喃キリコも映画に登場している。

原作もお気に入りのひとつだ。

何かを信仰するということは、自分の思考を自分の外側に託すということなので、これが過度なバイアスを生むとカルトにのめり込む場合もある。ただ一方で、個々人がいろんなものを信仰するという現象はとても面白い。自分だけの信仰と崇拝。何を願うのも自由だ。SMAPが解散したときや、安室奈美恵が引退するときに涙したひとがいるように、世の中にはいろんなものやひとに、自分の希望を投影するひとはいる。

いま一番面白いと思っているのが、クラウドファンディング・サービスのCAMPFIREで募集している「新しい御神体」。見てびっくり。スーパーロボットだった。

悔しいながらかっこいい。

覚醒巨神ビジランティスは、少年の心をもつ僕たちの心を燃え上がらせる御神体。いつの日かピンチになった世界を救うんだと奮起していた頃の自分自身を投影できる。それは確かに究極の偶像崇拝という名にふさわしいのかもしれない。が、しかし。CAMPFIREでは、御神体が1体1万ぐらいから入手できるのですが、目標100万円に対して、現時点で14万円ぐらいしか集まってないのが少し哀しくもあります。

もっと面白いものもあって、元Uberの幹部であるAnthony Levandowskiが立ち上げた団体「Way of the Future」は、「人工知能に基づく神の実現を発展・促進すること」を目的として設立された。つまりAIを神として信仰の対象にする宗教団体ということだ(米国歳入庁には税免除の申請はされていない。ちなみにアメリカでも宗教法人は税金が免除される)。

このひとは、Googleストリートビューの元になった位置情報とマップを紐づける技術を開発して、Googleに売却した人物で、Googleでは自動運転技術の責任者でもあった男だ。Googleを退職した後に設立した会社もUberによって買収された。その額は6億8000万ドル(約762億円)。ただし、Google(正確に書くと持株会社であるAlphabet)の自動運転技術を開発する子会社Waymoから、Googleの技術を持ち出したのではないかと疑われて訴えられている。Uberからは2017年に解雇されている。

何となく怪しいというか、税金対策みたいな感じの匂いがしないでもないけど、お金はもってるだろうし、何かの冗談で設立したのかもしれない。ちなみに公式サイトも一応開設されてはいる模様。

AIによる神というのは、どんなものなんだろう。AIは機械学習による言語処理や未来予測に使われてるけど、僕ら個々人の未来までも予言してくれるだろうか?もしくは、ドラゴンボールを集めると全世界のセキュリティホールに入れる秘密のパスワードを教えてくれるとか、そういうのだろうか?

まあ冗談のひとつだろうなとは思いつつ、人間が生み出したものがシンギュラリティ(人間の処理能力を大きく追い越してしまうこと)を迎えた未来で、信仰の対象になったとして、そのとき人間は何を祈れば良いんだろうか、とも思う。

 

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