映画祭に行ってきました。その名も「BANFF Mountain Film Festival in Japan」。

 

 

BANFF Mountain Film Festival

「BANFF Centre」というのはカナダのアルバータ州にある施設で、演劇などのカナダの文化教育活動の中心らしい。そのセンターが毎年主催しているのが「BANFF Mountain Film Festival」。

 

The Banff Mountain Film Festival is an international film competition and an annual presentation of short films and documentaries about mountain culture, sports, and environment. It was launched in 1976 as The Banff Festival of Mountain Films by The Banff Centre and is held every fall in Banff, Alberta. Held concurrently is the Banff Mountain Book Festival which brings the spirit of mountain literature to Banff, and features guest speakers, readings, seminars, and an international book competition.
Immediately after the festival in November, a selection of the best films entered in the festival goes on tour. The host organization in each tour location chooses a program that reflects the interests of their community. Each community creates a unique celebration of local adventure and adventurers. The World Tour visits approximately 305 cities annually in 20 countries, reaching over 220,000 audience members.(Wikipedia

 

日本語版での解説も是非。

 

バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバルは、バンフセンターで毎年11月初旬に開催される最も重要なプログラムの1つであり、世界有数の山岳フェスティバルの1つです。

今から35年以上前、登山家やアウトドア愛好者が、登山シーズンとスキーシーズンの狭間に楽しめる年中行事を探し、1976年にロッキー山脈の小さな街バンフ(アルバータ州)で開催されたのが始まりです。1日だけの登山映画際として始まったものが、今では、9日間にわたるバンフでのイベントに加えて、南極大陸を含めた全大陸をめぐるワールドツアーで、年間635回を超える上映回数を誇り、世界中で24万5千人以上のアウトドアファンに見られています。

そんなファンの熱狂に応えるように、世界中のクライマーや映画製作者、作家、写真家が山岳コミュニティの主要イベントと位置付け、ワールドツアーでの上映作品に選ばれることを夢見てフィルムコンペティションに出品しています。その結果、第1回が開催されて以来、クライミング、登山、アウトドア、山岳文化、環境分野の5000本を超える見事な映画がアーカイブされています。過去のフェスティバルでは、ダグ・スコット、ラインホルト・メスナー、エドモンド・ヒラリー卿、カトリーヌ・デスティヴェル、リン・ヒル、ブラッドフォード・ウォッシュバーン、ガーラン・クロップ、グレッグ・チャイルドをはじめ、世界トップクラスのクライマーや探検家が多数出演しており、フェスティバルを盛り上げています。(About|banff.jp

 

トレイラーも世界各国を回っているだけあって、気合い入ってました。

 

 

REEL ROCK Film Tourっていう別のフィルムフェス(これは映像プロダクション主催っぽい)にも同じ作品が多く紹介されてましたので、こちらも。

 

 

・The Banff Centre – Arts, education, and conferences in Banff, Alberta, Canada

 

上映作品のなかで面白かったものをざっくり紹介。

 

Origins Obe & Ashima

 

NewYorkで生まれ育った9歳の女の子“Asima”とボルダリングの話。

コーチを勤めるのは、かつてボルダリング界のスターであったObe Carrion。引退したスターがなぜコーチを引き受けるに至ったかというストーリーから、大会を制して腕を上げていくAshima。そして二人が次に向かうのは、ボルダリングのメッカであるテキサス州エフコ。世界中のクライマーが挑戦する難所にチャレンジする。

 

 

 

パッと見、ホントに普通の女の子なんだけれども、メンタルもずばぬけてる。コーチのObeが落ちぶれてた頃の話と合わせて普通に感動してしまったわ。

 

・Reel Rock:Origins Obe & Ashima

 

※About Bouldering

フリークライミングの一種で2mから4m程度の岩や石を確保無しで登るスポーツ。元々はロープを使用したフリークライミングの練習的な位置づけだったが、クライミングから確保という要素が取り除かれ、より純粋に岩を登る事に集中できる。また必要な装備が少なく手軽にはじめられる事から、ボルダリングを中心に行うクライマーが増えており、現在では独立したフリークライミングの一形態となっている。(Wikipedia

 

All. I. Can: The Short Cut

 

偉大なスキーヤー達によるダイナミックで華麗なシークエンスの連続。そして、息を飲むような美しい山々の四季の移り変わり。しかし、一方で破壊されいく自然環境が忘れてはならない現実として目の前に広がっている。最先端の映像技術で美しく創造的なスキーとその山々のシーンを映し出しながら、一筋縄ではいかない地球環境への対応を考えさせてくれる作品。

 

 

街なかをスキーで爆走するシーンがあるんですけど、街の下のほうまで滑りきった後、バスに乗って丘の上までまた登っていくっていうクールな演出が素敵でした。

 

 The Freedom Chair

 

下半身マヒになったフリースタイルスキーヤーの話。

Josh Dueckはかつてオリンンピックを目指す貪欲なスキーヤーでありコーチだった。しかし2004年に事故で脊髄を損傷し、夢を諦めることを余儀なくさせられてしまう。そんな彼が出会ったのがイス型の「シットスキー」。怪我の痛烈な経験を吹き飛ばし再び人生の喜びを取り戻したJoshは、カナダ代表にも選ばれる。パラリンピックではその実力を遺憾なく発揮しメダルを獲得。Joshの次のチャレンジは、かつての自分のスタイルであるフリースタイル。世界中のワイルドで切り立った急斜面やバックカントリーなどに取り組んでいく。

 

 

下半身マヒを乗り越えるっていうより、一人の青年が真っ当に更生していく様子がとても感動的だった。最後のほうでメダル獲得するシーンが流れるのだけれども、ベタな演出にぐっときてしまった。

 

Race for the Nose

 

アメリカ・ヨセミテ国立公園にある岩壁エルキャピタンのノーズルート。1958年に初めて登られたこのルートはその後も続々とクライマーが挑戦し、最もワイルドなコンペとしてスピードクライミングがおこなわれている(要は速登り競争)。

岩壁エルキャピタンは巨大な花崗岩の一枚岩で、約914mの垂直の岩。50年間、世界中の著名なクライマーたちが一秒でも早く登ろうと互いに競い合ってきた。ここを2時間37分05秒以内に登りきらなければならないチャレンジにDean PotterとSean Learyが挑むドキュメンタリー。危険と隣り合わせのギリギリの状況で、数分が命取りのスピードクライミング。

 

 

記録は破られるためにあるわけですが、だいの大人が張り合って続々と挑んでいくエルキャピタンの 歴史っていうのが可笑しくて、会場も笑ってました。

 

Other Films

その他の上映作品。ちなみに全部観ましたよ。

 

Chasing Water

監督でもありナショナルジオグラフィックのカメラマンのピートはコロラド西部の農場で育ち、コロラドリバーとともに育った。彼はある時、自分の家の農場に灌がれている水がどこに流れ着いているかを追いかける旅に友人のジョンと出かけることに。空撮も駆使した映像はコロラドリバーの美しい雄姿を映し出す。そして、最後にジョンとピーターが辿り着いたところは・・・。

 

From the Inside Out

アントヒルフィルムとコースタルクルーの強力タッグによるマウンテンバイクフィルム。山、裏庭、大会など各種映像が盛り込まれ、軽快に走り、技を決める様子と音楽が重なり、観ている側もバイクにまたがり走り出したくなる映像の数々。 世界で名だたる有名ライダーが登場し華麗なライディングを見せる。

 

Cold

中国とパキスタン国境にあるガッシャブルムll峰。その暗く、深い冬山で、アルピニスト・コリーリチャードのカメラが、ありのままの情景を克明に映し出す。-36.7度というテントの中も凍える寒さの中で、苦痛や恐怖、疑念など、織りなす心象風景を巧みに切り取り、極限状況の下で人が何を感じ、考えるのかをリアルに表現している。

 

On Assignment Jimmy Chin

クライミングと写真撮影を融合させた情熱的なアスリート、それがジミーチンだ。ジミーチンはナショナルジオグラフィックの写真家としてクライミング文化やヨセミテの最前線のクライミングを撮りつづけている。ヨセミテは昔も今もクライミングの中心であり、ヨセミテにて多くの偉業が達成され、体力的、精神的なチャレンジが世界の目の届かない場所で続けられている。

 

Ski Bums Never Die

カナダ、ブリティッシュコロンビア州クートネーのスキーヤー仲間の日常を追った作品。仲間の一人、メアリーは75歳。若い人が魅せる技を競うようなスキーとは違い、ベテランの落ち着いた安定感のある滑りをするシニア層。スキーが好き好きでたまらない=゛スキーバム゛の彼らは雪の中でくったくのない子供のような笑顔を見せ、生涯スキーヤーでいることの楽しさを彼らの姿から見つけることができる。

 

SPOIL

パイプライン計画の脅威にさらされているカナダのグレイトベアーレインフォレスト。計画では年に225回もオイルタンカーが通行する予定であるという。環境問題を社会に訴えるため、森の環境や熊に精通した先住民族のギトガとともにスピリットベアという幻の白い熊を探しに行く環境保護団体等で構成されたチームの一団。森や川、海の生態系は?人間を含めた生物の生存危機と環境汚染にチャレンジするプロジェクト。 

 

Blue Obsession

アラスカ氷河に魅了された主人公が新しい氷壁を求めて探検するアイスクライミングアドベンチャーフィルム。自然がつくりだした産物「氷壁」に登る美しい姿。すべてのシーンでシェイプや色合いが異なり、青く透明度の高い氷壁にアイスアックスをさすときにできるひび割れに息をのむ。 

 

Solitaire

コンセプトは『南米大陸の冬の大自然や山々に滑り手の視線からせまって行く旅路』。 2シーズンという長い時間をかけて、ペルーはコルディシェラ・ブランカからアルゼンチンのラスレニャスを超え、パタゴニアの最果てまで、南米の大自然にせまる。凍てつく冬が広がる南米の高地にある砂漠で、スキーとスノーボードを背負った2人の放浪者。

 

今年の作品はもちろん、カナダのBANFFセンターのサイトではこれまでのアーカイブも観ることが出来ます。

 

・BANFF Mountain Film Festival in Japan 2012

・Banff Mountain Film and Book Festival

 

来年も行きたいです。

アウトドアのスポーツって結構気合い的な意味で暑苦しい印象を感じる人が多いかもしれないけど、去年観に行ったときはチャレンジングな人達のチャーミングな一面(相方と喧嘩しちゃったり、にっちもさっちも行かなくなって超困ったり)を取り上げてるドキュメンタリーが面白くて、とても記憶に残って今年も参加してきたのだけれども、今年は割と「いい話」が多くて、また新鮮だった。

 

こんなにクオリティの高いフィルムが一度に観れるなんて、去年参加するまで全く知らなかった。もっと盛り上がってしかるべきや!という話@帰りに友達と寄ったやきとり屋。

 

ついでに去年観て感動したフィルムを最後に。Murray Fredericksはオーストラリアの世界的に有名なフォトグラファーだ。彼が6年間続けているプロジェクト「SALT」。西オーストラリアのエア湖という塩湖で、定期的に写真を撮影する、というもの。撮影ポイントの周囲には、何も無い。それを滞在期間中ずっと撮影し続ける。最後に、撮影された写真が出てくるんですけど、鳥肌ものだった。

 

 

撮影された写真はポートフォリオ用のサイトから閲覧できます。

 

・Murray Fredericks

 

かっこいいフィルムもいいけど、人間的な側面が観られるドキュメンタリー、しかもアウトドアに限定したフィルムフェスなんて滅多に無い。普段から野外の音楽フェスに参加してる方にもオススメ。今年参加できなかった方は来年も参加してみては。

 

・The Banff Centre – YouTube