「どんな仕事してるの?」と言われたときに、何と回答すれば良いのかいまだに分からない。

僕は広告会社の一部門である「クリエイティブ」と呼ばれる部署に所属している。主に広告に使われる配信素材を制作する部門だ。とは言うものの一般のひとに「どんな仕事をしてるんですか?」と聞かれても、簡単に答えるのは難しい。

制作といってもいろいろあってCMなら動画、ポスターやバナー広告であれば静止画のデザイン、実施するプロモーションによって作るものは多岐にわたるし、企画といってもプロモーション企画案そのものを指すひともいれば、マーケティング戦略のことを指して「企画」というひともいてバラバラだ。

肩書きだけ考えてみても、業界的には名乗ったもん勝ちみたいなところもあって、正直いろんな◯◯プランナーがいる。だから広告業界に就職したいというひとがもしこの記事を読んでいるなら、OB/OGの肩書きを見るのではなくって、「その会社が過去に手がけたキャンペーン」を見ることをオススメします。

クリエイティブプランナーという肩書きなのに、実際は就職イベントのブース設営してるみたいなことは、けっこうある(人材広告が悪いわけでは全然無いよ)。最初に働いた3年ぐらいで、後の人生が決まることを考えると、そういうミスマッチは極力減らしたほうが良いだろうなと僕は思う。

 

ところで、昨日はちゃんとしたスタジオで動画の撮影があった。僕の仕事はプランナーなので、考えたプランが実際に動画として動いたときに「意図と違ったものになってないか」はちゃんと立ち会って確認しておく必要があるので、まあ当然なんだけれども。いっときはLINEスタンプとか、ゲームのアニメーションCMとかばっかりつくっていたので、スタジオに入ってがっつり、という案件は久しぶりだった。

去年とだいたい似たテイストのクエリエイティブをアレンジするということで、今年の進行はだいぶスムーズだったけど、CG合成(クロマキー)用のブルーバックが、いつもより綺麗な色だったのが印象的だった。

プロデューサーのひとと話してみると、最近は発色の良い明るいブルーバックのほうがよく使われるんだそうだ。僕のイメージしてたのはもっと濃い青とか、昔は肌の補色の緑とかのほうが多かったように思う。制作費をはずんだので、気を利かせてくれたのか、ちょっと良いものに変えてくれたみたいだった。昔はスタジオに家やシーンを再現するための建て込み撮影がよくあったみたいだけど、最近は少なくなりましたねえ、とも言っていた。

僕は演出のプロではないので、特に指示するわけではないけど、「この動きはちょっと不自然なので絵コンテ上はこうなってるけど、こう変えてほしい」とか、気になる部分を監督に相談しながらテキパキと進行していくタイムライン。監督さんもカット毎に「ここ、ちょっとどうですかね?」とか細かくやりとりしてくれる優しい方だったので、すごく雰囲気の良い現場になって良かった。

 

営業はスタジオで撮影を立ち会うのは初めて、と言っていたけど「こんなにたくさんのひとが動いて制作するんですね」と驚いていたのが、なんだか可笑しかった。一つの制作物をつくるのも、本当は汗水たらして働いているひとがたくさんいて、ここではそれぞれにちゃんとした役割があるのだ。

クリエイターという人種は孤高のアーティストのように思われることが多いけど、実際はチーム作業なんであって、独りよがりでものをつくるなんてなことは無く、皆でゴールに向かって進んでいくものだ。

そういう文化祭の前日みたいなチームワークが僕は好きで、だからいまだに企画屋家業は楽しいなと思う。

 

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