フランスに本社を置く世界最大の化粧品メーカー、ロレアルは最先端技術へ積極的に投資していることでも知られていて、AI技術を開発する会社を買収したというニュースがちょっと前に上がっていました。

世界最大の化粧品会社であるフランスのロレアルは、カナダ・トロントに本社を置く化粧品関連IT企業のモディフェイス(ModiFace)を買収すると16日発表した。モディフェイスは、画面に映った自分の顔で化粧やヘアカラーを本物そっくりに試せる拡張現実(AR)や人工知能(AI)技術を持ち、ほとんどすべての主要化粧品ブランドに採用されているという。買収金額は明らかにしていない。

ロレアルでは、デジタルサービス加速戦略の一環としてモディフェイスの100%買収に踏み切る。パソコンやスマートフォンでの化粧体験、SNS向けに美しく見えるツールなどとして使ってもらい製品自体の販売拡大を狙うほか、モディフェイスが開発したAIによる肌診断サービスも含め、化粧品の店内(インストア)販売での差別化につなげる。

モディフェイスは2007年に創業。70人近いエンジニアや研究者を抱え、3次元バーチャル化粧のAR手法で定評がある。これまでに200本を超える研究論文を発表し、30以上の特許を保有するという。

– – – 仏ロレアル、カナダのAR企業買収 スマホや店舗でリアルな化粧体験を提供(日刊工業新聞 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00466213)

AI技術で顔を解析して、AR技術でリアルタイムにメイクのテストをするのはとても効率的だ。店頭で適切なメイクを教えたり、そのひとに似合ったメイクについて考えるのは時間がかかるし、熟練した技術も必要で、一朝一夕で人材育成できるもんじゃない。人間のアシストをするために、こういう最先端の技術を活用するのはとても便利だし、メリットが多い。

ModiFaceのアプリケーション、髪の色とかもものすごい自然に見えますね。ヘアカラーを入れる前って何色に仕上がるのか不安なひとも多いだろうし、こういうのはニーズありそう。将来的には美容院のミラーは全部ディスプレイになる日も近いかもしれません。

さて、この店頭向けの取り組みをもっと広範囲にするにはどうすれば良いか?

そこでロレアルがタッグを組んだのがFacebook Camera。店頭にひとを連れてくるよりも、スマートフォンでメイクを確認してもらったほうが早い。というわけで、Modifaceの技術とロレアルの知見をそのままFacebookCameraに組み込んで、プロモーションとしてではなく、より長期的な取り組みとしてアプリをアップデートするんだそうだ。

100年以上の歴史を誇る化粧品会社のL’Orealは現地時間8月9日、最近買収した拡張現実(AR)およびAI(人工知能)企業ModiFaceを活用し、新たなAR体験をFacebookにもたらすと発表した。

ModiFaceとL’Orealは、FacebookユーザーがARを利用し、「Facebook Camera」を使ってL’Orealブランドのメイクアップ商品を「試用」できるようにする。Maybelline、L’Oréal Paris、NYX Professional Makeup、Lancôme、Giorgio Armani、Yves Saint Laurent、Urban Decay、Shu Uemuraなどのブランドの製品を試用可能になる。まずNYX Professional Makeupが、8月末に最初のAR体験をFacebookで提供開始する。- – – ロレアルがFacebookと提携–ARでメイクアップを体験できる機能構築へ(CNET Japan https://japan.cnet.com/article/35123922/)

Facebookページに公開されているのは、おそらくプロトタイプかなとは思いますが、これは凄い。すっぴんでカメラに写ってもメイクしてくれる時代が来るんじゃなかろうかと思わせる技術ですね。

とても上手いなあと思うのが、世界最大だけあって、こういうプラットフォーマーと組んでしまうというところにマーケティング施策としての巧さを感じます。

 

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