DJを始めようと思う方の最初のハードルがケーブル。パソコンとの接続にはUSB、スピーカーとの接続にはオーディオケーブルが必要なわけですが、この知識が無い方からよく相談のお便りをいただきます。先日の記事でも書いたのですが、オーディオオタクからすると当たり前の知識でも、最近のスマートフォンは無線が前提でケーブルの種類やプラグの変換方法を知る機会はあまりないように思います。というわけで、簡単に記事をまとめてみました。

ケーブルにはデジタルとアナログがある

DJを始めよう!と思ってDJコントローラーなんかを物色してみると、商品仕様の入出力欄にはいろんな端子の名前が記載されているのが分かります。USBとか、RCAとかとか。乱暴に書くと、それらのケーブルは大きく2種類に分類することができます。その分類方法とはケーブル内を流れている信号。ここではデジタル信号、アナログ信号、と呼ぶことにしましょう。

デジタル信号とアナログ信号の違い

スピーカーはコイルと磁石で振動している

デジタル信号というのはデータをやり取りするための信号。なので音声ファイルは勿論、動画や様々な電子データをやり取りすることができます。パソコンのUSBケーブルや、iPhoneのLightningケーブルなんかが分かりやすいですね。デジタルデータなのでケーブル内には大量の0と1という信号が送受信されています。

一方でアナログ信号というのはデジタルデータを送ることはできません。アナログ信号が送っているのはずばり「スピーカーのコイルを振動させる信号」。スピーカーの内部はコイルと磁石でできていて、電流が流れることでコイルが磁石と反発しあって振動することにより、音が生まれる仕組みになっています。つまり、アナログ信号はデジタル信号のようにデータを送るのではなく、振動する電流を送っていることになります。

デジタル信号とアナログ信号の違いをざっくり書くと上記の通り。両者の信号は根本的に異なるため、デジタルからアナログ、アナログからデジタル、という風に信号を変換するためには特別な機材が必要になります(オーディオインターフェースに関してはこちらをどうぞ)。一方で、デジタルからデジタル、アナログからアナログという変換は様々な変換プラグがあり、簡単に変換することが可能です。

というわけで、以降のデジタルケーブルとアナログケーブルの細かな種類について解説してみます。

パソコンやDJコントローラーを接続するためのデジタルケーブル

USBは同じコネクタ形状でも通信規格によってデータ転送速度が違う

USB Type-Aのコネクタ

DJコントローラーとパソコンを接続するためには、一般的にUSBケーブルが使われることが多いです。前述した通り、USBケーブルというのはデジタル信号を送受信できるケーブル。ただし様々なUSB端子が存在します。一般的なのはUSB Type-Aと呼ばれる端子で、普通USBと呼ぶときはこのType-A端子のことを指す場合が多いです。

USB Type-Aはコネクタ形状を指す名前なので、中を流れるデータ通信規格には「USB 1.0」「USB 2.0」「USB 3.0」「USB 3.1」「USB 3.2」「USB 4.0」といった風にいくつかの通信規格が存在しています。数字が大きくなるにつれ、新しい通信規格で通信速度が速くなります。コネクタはパッと見た感じ同じなのですが、最近はほとんどがUSB2.0対応ですね。古いケーブルを購入しないようにご注意ください。

USB Type-Aから様々なUSB端子へ変換が可能

世の中的に一般的なコネクタ形状はUSB Type-Aですが、Type-Aの端子は大きさが大きいのでモバイル端末向けに様々な小型コネクタが存在します。例えばDJコントローラーはUSB Type-Bが多く、デジタルカメラなどはmini USB、Micro USBといった端子がよくあります。それぞれの端子から変換できる変換プラグや、一方がUSB Type-Aで一方がUSB Type-Bになっているケーブル(DJコントローラーに同梱されているのはこのケースが多い)などもあります。

DJコントローラーに同梱されているケーブルが短い場合には、Type-A→Type-Bになっているケーブルを購入すると良いです。

アナログ信号へ変換するためにはオーディオインターフェースが必要

オーディオインターフェース

USBケーブルはデジタル信号を流しているものなので、DJ向けのモニタースピーカーへはそのまま接続することはできません。USBスピーカーと呼ばれるパソコン向けの簡易スピーカーであればそのままパソコンの音は流せますが、DJコントローラーからスピーカーへの出力信号はアナログ出力なので、USBスピーカーを使うのはあまりオススメできないかも。それでは、アナログ信号しか受け付けないスピーカーにパソコンの音を出力したい!となったときにはどうすれば良いのか?

ここで登場するのが「オーディオインターフェース」という機材です。オーディオインターフェースはデジタル信号で表現された音の情報を、アナログ信号へと変換するための機材(もちろんマイクやBGMなどの音声をデジタル信号に変換することも可能)。安いものから高いものまで様々なものが販売されています。用途も録音用から、音楽制作時のモニタースピーカー出力用など様々。さっきも書きましたが オーディオインターフェースに関してはこちら をどうぞ。

最近だとYouTuberがオーディオインターフェースを紹介するケースも増えてますね。

Universal Audioの卓上オーディオインターフェースはもともとDTM向けのものですが、最近では動画編集者がマイクで音声を録ったりするのにもよく使われています。

Pioneer DJの機材にはLANケーブルを使うものも

その他の例外としては、Pioneer DJのプロフェッショナル向け機材にはLANケーブルを必要とする構成もあったりします。これは機材同士を繋ぎ、ネットワーク化することで全ての機材の同期をとる高度な業務向けシステムで、PRO DJ LINKという名前がついています。

オーディオ機器同士を接続するためのアナログケーブル

いろんなプラグが存在するも、信号自体は概ね同じと思ってOK

アナログケーブル、いわゆるオーディオケーブルですが、こちらもデジタルケーブルと同じく用途によって様々なものが存在します。一部の例外を除けば流れている信号は概ね同じ。なので、アナログケーブルも変換ケーブルやプラグが数多く用意されています。

民生用では最もよく見かけるのはRCA端子

RCAケーブル (ピンジャック)

アナログケーブルで一番最初に紹介するのは、DJ以外にも馴染み深い「RCA端子」。ピンジャック、ピンプラグ、ピン端子とか呼ばれることもあります。歴史的には1930年代に蓄音器向けのプラグとして原型が開発されたもので、RCAという名前はそのメーカーに由来しています。

赤が右で白が左。それぞれを左右のスピーカーに接続することで、ステレオ音声を出力することができます。かつてはこれに黄色いケーブル(映像出力)を加えたものが、家庭用ゲーム機とTVをつなぐケーブルでした。

楽器やヘッドホンはもちろん、音響機材にも使われるPhoneジャック

次に紹介するのがPhoneジャック(フォーンジャック)。フォーン端子とか、フォーンコネクタとも呼ばれます。

このPhoneジャックはかつて電話をつなぐための交換台で使われていたもので(昔の電話は交換手と呼ばれる人が、ケーブルをつなぎ変えて電話していた)、もともとはモノラル(2極)でしたが、後にステレオ(3極)になったり、ミニサイズになったりという進化を遂げてきた端子。「6.3mm(1/4インチ)」と呼ばれる端子が本来の標準サイズ。6.3mmのモノラル端子はエレキギターなどの楽器に、ステレオ端子はヘッドフォンなどによく使われています。一回り小さな端子は3.5mmミニプラグと呼ばれていて、ひと昔前のイヤホンケーブルの端子がこれでした。

Phoneジャックは前述のRCAと併用されていることも多く、片方がPhoneジャック、片方がRCA端子になっているケーブルは結構多いですね。

また3.5mmのミニプラグを6.3mmの標準プラグへ変換するものも多く販売されています。

この逆で標準プラグをミニプラグへ変換するものももちろんあります。

XLR(キャノン) – 業務用プラグのスタンダード

XLRタイプコネクター(キャノンコネクター)

最後に紹介するのがXLRタイプコネクター。別名キャノン端子、キャノンコネクターとも呼ばれているケーブル。これはCannon社が開発したことに由来した呼び方。画像のように3極のピンが出ているのが特徴。

業務用マイクのなかには電源を必要とするものがあり、そのために整備されたコネクターで、ケーブルが長くなってもノイズが乗りにくいという利点があります。民生用だとそのメリットは大きくは無いですが、業務用の標準規格になっているということもあって、XLRで入力できるスピーカーも多いです。

もちろんXLRからフォンプラグやRCAへ変換するアダプタも各種販売されているので、DJコントローラーとの接続で困っているときは探してみると良いです。

USBケーブルとオーディオケーブルの種類一覧

本当はもっとたくさんありますが、ざっくり下記を知っておけばまあ問題ないかと思います。

デジタルケーブル アナログケーブル
デジタル機器同士を接続するために使われるケーブル。主にはUSBケーブル。ケーブル先端の端子はUSBといっても様々な種類が存在しており、通信スピードなどが異なるため、注意して確認する必要がある。 元来オーディオ機器を接続するためのケーブル。オーディオ機器はコイルと磁石の振動によって音を発生させるため、アナログケーブル内で流れている信号はデジタルではなくアナログ。
USB (Type-A) 一般的なUSB端子。同じコネクタでも1.0から3.1まで通信規格が最新になるほど速い。 RCAケーブル ピンケーブルとも呼ばれる一般的なケーブル。大抵は赤(右)と白(左)。これに黄色(映像)を加えたものが昔の一般的なTVケーブルだった。
USB Type-B DJコントローラー側によく使われる端子。プリンタやスキャナなどのパソコン周辺機器に多い。 Phoneケーブル フォーンプラグとも。端子の先に絶縁体が入っており接点が2点なのか3点なのかでモノラルプラグかステレオプラグなのかが分かる。6.3mm(1/4インチ)が標準サイズ。

USB Type-C タブレットやiPadProなどに使われている端子。iMacで使われるThunderboltと形状は一緒。 miniケーブル Phoneケーブルの一種。イヤホン向けに小さくなっており、3.5mm Phoneとか呼ぶひともいる。モノラル、ステレオの違いはPhoneケーブルと同様。
Mini USB Type-B デジタルカメラやモバイルバッテリーなどで採用されている小型端末向けのUSB端子。 XLR(キャノン) 業務用のオーディオ機器で使われているケーブル。接点が3つあるため音にノイズが乗りにくいという利点がある。そのためマイクのケーブルは大抵XLR方式。
micro USB Type-B    
micro USB Type-B SuperSpeed 大容量の外付けドライブなどで使われる端子。    
LANケーブル 大容量の情報が転送可能なケーブル。パソコン同士を接続したりインターネット回線への接続によく使われており、Ethernetと呼ばれる通信規格でUSBとは異なる。    
Lightning 皆さんご存知、近年のiPhone端末のケーブル    
 

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