お部屋PCDJ(クラブで毎週アナログでDJやってた時期もあるけど)が超初心者向けにPCDJについて解説していくシリーズ。前回(DJ始めたい!ってときに必要な機材やソフト)は、ざっくり何が必要なのか?について書いたけど、今回は具体的な「セットアップ」という話。セットアップというのは、DJが扱う機材一式のこと。つまりクラブにしろ、部屋にしろ、DJパフォーマンスをするために必要な、機材を指します。

 

 

DJのライブ映像を見るといろんな機材を使っていますが、まず「これからPCDJを始めたい」っていうひとが「じゃあ具体的に何を揃えれば良いのか?」をかいつまんで紹介。

 

 

最低限必要なもの

セットアップの話に移る前の大前提として、①スピーカー、②ヘッドフォン、③ケーブル類、は必ず必要になります。詳細はこちらをご確認ください

・DJコントローラーを買う前に!必要なおすすめスピーカー、ヘッドフォン

 

ぶっちゃけ雰囲気だけで良い、という方向け

やっとセットアップの話。正直、DJって機材揃えるまでがものすごいハードル高いんです。正直そこまで本気じゃない。部屋飲みしたときにちょっとDJ的なことをやりたいだけなんだけど・・・っていう方には、あまり本気仕様のセットアップはオススメできません。

ただ、最近はiPhoneやiPadのDJアプリで簡単にDJできますし、その延長線として「ちょっとだけDJ的なことをやってみたい」と思った方も多いのではないでしょうか。

そんな方への選択肢としては、①iPhoneやiPadに接続して使うコントローラーを用意する、②オーディオインターフェースもついている一体型の小型コントローラーを用意する、という2つの方法がオススメです。①に関しては最安値で始める方法として別途紹介するとして、②の小型の簡易コントローラーとしてはジョグダイヤルと呼ばれる円盤がちゃんとついてるのがオススメですね。

 

ミックスDJ/カンタンお部屋DJ向け
Native Instruments / TRAKTOR KONTROL S2

PCDJソフトTraktor専用のコントローラーである「Kontrol S2」はDJを始めたいという方向けのシンプルなコントローラー。本来は有償版(製品版)Traktor Pro 2というソフトが同梱されているので、インストール済みのPCやMacにUSBで接続すれば、すぐにPCDJが始められます。

また最大のメリットとしてはiPhoneやiPad向けに提供されているアプリをコントロールすることも可能。スクラッチもできます。

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ミックスDJ/4chでやりたいカンタンお部屋DJ向け
Native Instruments / TRAKTOR KONTROL S4

ダンスミュージックならではの悩みですが2chだけだと物足りない!という方であれば、Kontrol S4もオススメ。この動画ではターンテーブルをつないで、コントロールヴァイナルでスクラッチもやってますね。

・TRAKTOR KONTROL S4 → AmazonPowerDJ’s(楽天)サウンドハウス

 

スクラッチ/ターンテーブリスト的なパフォーマンスがやりたい
Pioneer DJ / DDJ-SB2

スクラッチやバトルDJ的なことがやりたい!という方にはTraktorではなく、SERATO DJというソフトのほうがオススメ。HIPHOPやRAGGAE系の現場で使っているひとも多いので、諸先輩方に助けてもらうこともできるかもしれません。万が一小さなイベントに出るとしても、同じソフトだと安心ですね。

「DDJ-SB2」はミキサーやCDJなどDJ向けの機材で有名なPioneer DJが、「SERATO DJ」向けに開発した小型コントローラー。価格帯もPioneer DJのコントローラーでは最も安い部類に属しています。なのに!このコントローラー、実はスイッチで4ch分をコントロールすることが可能という優れもの。Kontrol S2と同じく、オーディオインターフェース内臓なので、USBをPCやMacに繋げばPCDJデビューできます。

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小型コントローラーは便利だけどパフォーマンスには不向き

一体型のコントローラーはオーディオインターフェース内臓なので、対応のPCDJソフトをインストールしてUSBで接続すればOK。小さくて友達の部屋へ持っていくにも持ち運びがラクなのがメリット!DJデビューするにはとても簡単です。

ただし、どうしても小型コントローラーなので「やってる感」は薄いと言わざるを得ないのが、あえて指摘できるデメリットといったところ。特にスクラッチやエフェクトなど、いろんな操作を試して楽しみたい!という方にとっては、どうしても筐体が小さいし、パッド(ボタン)やノブが少ないので物足りなさは拭えないかなあーとも。

 

セットアップ例:ミックスDJ、クラブDJ編

小型のコントローラーじゃやっぱり物足りなさそうだなーっていう方向けの選択肢として、「ある程度多機能で面白く遊べるセットアップにする」というのがあります。

この場合だと、中型~大型の一体型のコントローラーを買ってしまう場合と、前回の記事で説明したようにミキサーとコントローラーを分けて買うという選択肢があります。

 

オールインワンコントローラー(一体型):Traktor Kontrolシリーズの上位機種を狙う

TECHNOやHOUSE、EDMのようなダンスミュージック向けのPCDJソフトである「Traktor」の場合だと、Kontrol S2やS4の上位機種であるKontrol S5やS8は一体型のDJコントローラーとしてかなりオススメ。こちらもオーディオインターフェースが内臓されているので、PC/MacにUSB一本で接続するだけ。

 

Native Instruments / TRAKTOR KONTROL S5

Kontrol S5は前述のS4の上位機種。4chミキサーが付いているのはもちろん、S4とは違い高解像度のディスプレイが付いているため、ほぼパソコンの画面を見ることがなくプレイに集中できます。

S4とS5の大きな違いとしては、「ジョグダイヤルが無い」こと。

「DJならスクラッチをするためにジョグダイヤルは必須だろ」と思っている方は多いかもしれませんが、正直HOUSEやTECHNOなどのダンスミュージックであれば、ビートシンク機能を使えるのであんまりニーズがありません。その代わりに、狙ったタイミングに音を合わせるホットキューや、Traktor独自の機能であるRemixDeck、STEMSといった機能向けのパッドが豊富。リアルタイムに楽曲をリミックスしてしまえるレベルのパフォーマンスが可能です。かなりダンスミュージックに振り切ったつくりになってますね。

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Native Instruments / TRAKTOR KONTROL S8

Kontrol S8はTraktor向けDJコントローラーのフラッグシップモデル。パッと見、S5よりもさらにパッドの数が多いことは分かります。

S5との違いとしてはパッドの数もさることながら、デッキ毎に縦フェーダーが付いていること。

TraktorでDJをやるのであれば、遅かれ早かれRemixDeckやSTEMSという機能を使うことにはなると思いますが、1chに割り当てられた音ごとに音量を抜き差しできるこの縦フェーダーはかなり大きな違い。よりきめ細かなパフォーマンスができるようになります。

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ジョグダイヤルで曲をグリグリしたい!という方は

それでもやっぱりジョグダイヤルをグリグリしたほうがDJっぽい!と思われる方は、S4でもまあスクラッチできないことは無いものの、正直Pioneer DJか、もしくはDENONの一体型コントローラーのほうが大きくて操作しやすいのでおすすめ。ただし、コントローラーは概ねソフトに合わせて開発されているものなので、PCDJソフトはTraktorではなく、Serato DJかrekordboxを推奨。

 

DENON / MCX8000

「MCX8000」はDENONというメーカーから出ているDJコントローラーのフラッグシップモデル。一体型といいつつ、実はMCX8000はパソコンすら不要!!!!というのが最もポイント高いですね。

Serato DJに対応しているので、そのコントローラーとして使っても良いですが、ソフトにこだわりが無ければUSBメモリを挿してパソコン無しでDJすることも可能。MCX8000本体のなかに搭載されている「Engine」というソフトがUSB内の音楽データを再生してくれます。

ソフト無しでUSBデータを流しながら、次の曲はSerato DJを立ち上げて次のひとに交代、みたいな芸当ができるのはおそらくMCX8000ぐらい。

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Pioneer DJ / DDJ-SZ2

「DDJ-SZ2」はPioneer DJから出ている一体型コントローラー。Pioneer DJの強みは何と言ってもミキサー部分。クラブに置いてある定番ミキサーである「DJMシリーズ」と同様のレイアウトで、同じエフェクトを使えます。

DJMシリーズのエフェクトってクラブで聞くとものすごく心地よく響くんですよね。僕はColorFXの「NOISE」エフェクトがとても好きですが、いろんなDJの方が使っているのをよく見ます。ミックスだけじゃなく、エフェクトも駆使したいって方には良いかなと。

Pioneer DJのコントローラーを使うのであれば、同社から出てるrekordboxというPCDJソフトを使うのが良いですが、Serato DJにも対応してるのでソフトの選択肢も選べるのはメリット。

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ミキサーとコントローラーを分けて検討する場合

「オールインワンもいいけど将来的に機材を買い足したりして、徐々に広げていきたいなあ」という方は、ミキサーとコントローラーを分けて買っておいたほうが良いですね。初めてDJのセットアップをつくるのに高級なものは買えないと思うので、それぞれコストパフォーマンス重視で機材を探すのが良いと思います。安価なミキサーでも性能の良いものはたくさんあります。セットアップとしてはこんな感じ。

さて。初心者向けのコストパフォーマンスが良いミキサーをピックアップするなら、このあたり。

 

BEHRINGER / DDM4000 DIGITAL PRO MIXER

BEHRINGERというブランドはドイツの貧乏DJ御用達ブランドですが、侮るなかれ。エフェクター付きで4chミキサーとしては破格のプライス。

・BEHRINGER / DDM4000 → Amazonサウンドハウス

 

RELOOP / RMX-60

RELOOPは日本では馴染みが薄いですが、ヨーロッパでは広く人気のあるブランド。「RMX-60」はボリュームフェーダーの立ち上がり具合を調節できるので、パフォーマンス毎に自分好みのセッティングまで可能。オールラウンダーです。

・RELOOP / RMX-60 → AmazonPowerDJ’s(楽天)サウンドハウス

 

オーディオインターフェースが別途必要

1点注意事項として、安めのミキサーだとこれまで紹介してきたようなオーディオインターフェースが内臓されていないミキサーも多いので、使いたいPCDJソフトに合わせてオーディオインターフェースも買っておきましょう。Traktorだと「Audio A6」がそれにあたります。

「Audio 6」は「TRAKTOR Scratch A6」というDVS機能を使うためのパッケージに付属してます。昔はA10っていう10ch分の入出力ができるやつまであったんですが、あんまりニーズ無かったのかな笑。

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Traktor向けの簡易コントローラー

Traktorに限らず、Serato DJもrekordboxもそれぞれミキサー部を除いたコントローラーがいろいろ出てますが、Traktorで選ぶのであればまずはKontrol X1。とりあえず左右のデッキに曲を入れることができて、エフェクターをいじれる簡易なものがおすすめ。動画見ると、これだけでもいいじゃんって思うはず笑。

・TRAKTOR KONTROL X1 → AmazonPowerDJ’s(楽天)サウンドハウス

 

クラブDJデビューも目指したいひとは

もっと本気度が高い方は、ゆくゆくはクラブでDJデビューしたい!レギュラーDJになりたい、という方も多いかもしれません。

ところで、クラブデビューを目指すなら、大きな一体型コントローラーは避けたほうが無難です。というのも、フェス会場ならともかく、一般的なクラブのDJブースはそんなに広くなく、横幅1mを超える機材を置くスペースなんて、そうそうありません。また前提としてクラブのDJブースには4ch~6chぐらいのミキサーを置いているケースがほとんど。

よって、前のDJから自分の出番になったとして、置いてある機材を一旦移動させて、自分の機材を置かねばなりませんが、そんなデカイ顔できるDJはよっぽどの大物で現実的には無理。

なので、部屋でDJやるときはオーディオインターフェース付きのミキサー+ミキサー機能の無いDJコントローラーというセッティングが理想です。レコードを再生するターンテーブルやCDJを接続するかは好みですが、セッティングとしてはこんな感じ。

クラブイベントやパーティに出演する際は、DJコントローラーだけを取り外し、PC/MacとDJコントローラーを持参して臨みましょう。またミキサーは、割とクラブにおいてあるPioneer DJのミキサーに慣れておいたほうが、現場で取り扱いにあたふたすることも無いのでオススメ。

 

Pioneer DJ / DJM-850

Pioneer DJの定番ミキサーシリーズ「DJM」は様々なクラブに常設されていますが、この「DJM-850」というモデルは、後述する「DJM-900」の廉価版(といっても高級機の属しますが汗)。部屋でDJをやりたいホームDJ向けモデルの最上位モデルとしてリリースされています。

オーディオインターフェース付きなので、Audio A6のような機材は不要で、USBでパソコンと接続するだけでDJが始められるほか、もちろんCDJやアナログレコードを再生するターンテーブルからアナログ入力方式で音声を入力し、ミックスすることももちろん可能です。

またPioneer DJのPCDJソフト「rekordbox」に対応していることに加え「Serato DJ」「Traktor」などのDVS機能にも対応。DVS導入キットを購入することなく、ターンテーブルやCDJでパソコン内の楽曲をスクラッチできます。

DJMシリーズのサウンドカラーFXはやっぱり良いですね。ホワイトノイズがとても気持ちよくかかる。

・Pioneer DJ / DJM-850 → AmazonPowerDJ’s(楽天)サウンドハウス

 

Pioneer DJ / DJM-900 Nexus2

「DJM-900 Nexus2」は「DJM-850」よりさらに上位のモデルで、これは部屋用というより、クラブなどの店舗向け高級ミキサーといったほうが良いかもしれません。もちろん部屋でも使えるけど。

DJM-900 Nexus2は使えるエフェクターが多いほか、音を出力するサウンドボードもより高級なものが使われているので、もちろん音もさらに良いです。軍資金が割とたくさんある方で、ガチンコDJになりたい方にはぜひオススメ。

・Pioneer DJ / DJM-900 Nexus2 → PowerDJ’s(楽天)サウンドハウス

 

TRAKTOR KONTROL D2

この「KONTROL D2」というDJコントローラーはミキサーと併用するコントローラーで、Traktor専用のものになります。パッと見で分かりますが、オールインワンコントローラー「KONTROL S8」からミキサー部分を取っ払って、片方だけ取り出したものがコレ。

S8と同じレイアウトなので、Traktorの機能をフル活用することができ、イベントに出演するときもこのコントローラーだけを持参すれば良いので、とても可搬性が高くオススメ。X1よりもちょっと高いので、普通のエフェクトは一通りマスターして、次のステップに背伸びしてみたいという方向けのモデルですね。

・TRAKTOR KONTROL D2 → AmazonPowerDJ’s(楽天)サウンドハウス

 

まとめ

PCDJを始めたい!といってもいろんなニーズがありますよね。雰囲気だけで音が鳴らせればOKなひともいるし、割とちゃんとした機材やコントローラーで始めたいひと、ゆくゆくはクラブでDJデビューしたいひと。

DJの機材は本当に高いので「どういった方向性でDJをやりたいのか」というのと、自分がパフォーマンスしたいスタイルに応じてPCDJソフトを選びつつ対応する機材やコントローラーを選んでいくのが良いと思います。

 

PCDJ入門シリーズ 目次