2018年はDJ機材界隈でいろんな変化がありましたが、2019年から2020年にかけて、USBはType-Cが主流になり、機材のインターネット対応も進んでいくんじゃないかなあとか想像していて、それに対応してくる製品アップデートが楽しみですね!というわけで今回は2019年版のおすすめDJコントローラーについて記事にまとめていきたいと思います。
2018年の記事はこちら:2018年度最新 グレード別おすすめDJコントローラーを検討してみる
目次
2019年におけるDJコントローラー選びのポイント
2018年は主要メーカーの動きがとても大きかったなという印象。おすすめのDJコントローラーについて紹介する前に、ちょっと選び方を考える際の考え方とポイントをまとめてみたいと思います。
DJソフト(アプリ)はプラットフォーマーを選ぼう
ちょっと難しい用語ですが、プラットフォーマーというのは、単一のソフトウェアだけでなくいろいろな派生ソフトとの連携が可能になっているというぐらいに覚えておくと良いです。
例えばPioneer DJのPCDJ(といってもアプリも使えますが)ソフトであるrekordbox。これを使うためには「Pioneer DJ アカウント」というものを取得するとPioneer DJの提供するpioneerdj.com(ショップアカウント)、kuvo.com(クラブカルチャーの総合サイト)、rekordbox.com(DJソフトのアップデートなども可能)、 forums.pioneerdj.com(フォーラム掲示板)全てのサービスが使えるようになります。
SOUNDS.COM The Loop Loft Metapop
Native Instrumentsも同様ですが、NIの場合だと昨年リリースされたMetapop(トラックを公開してみんなからフィードバックをもらえるサービス)、The Loop Loft(音楽プロジェクトに使えるループ音源などが使えるライブラリーサイト)、SOUND.COM(映画音楽やPodcastのBGMにも使えるロイヤリティフリーのループ音源ライブラリ)といった現在進行形で育ってきているサービスと、NIアカウント共通利用というのは普通に考えられます。
PCDJソフトといっても、今後は音楽制作との連携というのはますます主流になってくると思うので、単にDJができる!というだけではなくて、こうした関連サービスも視野に入れつつソフトを選ぶと良いかなと思います。というわけで僕はPioneer DJとNative Instruments推しになっているわけ。
中級モデルなら現場での使い勝手も視野に入れて
DJコントローラーを選ぼうと思っている方であれば、当たり前ですがいつかはクラブのパーティーでイベントに出てみたいと考えている方も多いんじゃないかなと思います。
小規模なカフェなどでのDJイベントであれば、みな思い思いに機材を持ち込んでいるケースも多いので問題ありませんが、ちゃんとしたクラブだとビギナー向けのDJコントローラーを持ち込むというのはスペック的に問題があります。とはいっても中級~フラッグシップモデルを運ぶのは運搬が大変なのと、大きすぎるのでDJブースに持ち込むのは現実的ではないかなと。
となると「現場で使う機材を買って練習する」というのが常套手段となるわけですが、現場にある機材は高級な上位モデルが多いので、購入するのは難しい。そこで解決策としては「同じレイアウトや機能が実装されたDJコントローラーを選ぶ」というのがおすすめ。
例えばPioneer DJのDJコントローラーというのはクラブに常設してあるDJミキサーであるDJMシリーズのレイアウトを踏襲しているケースが多いです。
普段はDJコントローラーで練習して、クラブでの本番は普段練習しているミキサー部分とほぼ同様のレイアウト!あと、現場ではCDJプレイヤーなどが2台両脇に置いてあるケースが多いので、左右対称ではない方が良いかなと。
どんなジャンルでDJしたい?どんなプレイがしたい?をイメージしよう
最後に今後重要になってきそうなポイント。それはパフォーマンス自体の変化ですね。DJコントローラー単体だけでなく、あとで買い足す機材なんかも今後のことを考えると選びやすいかなと思います。
Pioneer DJやRolandといった老舗メーカーはサンプラーやシーケンサーを搭載した関連機材が多くなってきています。さらに言うとPioneer DJはVJとの連携なんかも割と豊富。
Native InsrumentsだとSTEMSといって楽曲自体を4トラックに分割したりワンショットのループをもとに曲を再構成したりといったリミックス系の機能が豊富。僕が使っているのはKontrol S8のコントローラー部を分割したTraktor Kontrol D2という液晶ディスプレイ付きのモデルなんですが、現行モデルであればF2は結構値段も安くて根強い人気。
それぞれのメーカーの得意分野を考えながら選んでみるのも良いかなと思います。
DJスクールで体験してみてから機材を選ぶのもオススメ
初心者で右も左も分からない・・・という方には、DJスクールに通ってから考えるという手も、実はあったりします。DJスクールというのは、DJコントローラーやヘッドフォンなど用意すべき機材が全てそろっていて、プロの先生DJに手取り足取りDJについて教えてもらえる音楽教室。詳しくはこちらのほうの記事を参照ください。
初心者向けならこの2モデルが圧倒的にオススメ!
とうわけでまずは初心者向けのモデルから。
Pioneer DJ DDJ-400
DJは初めて!という方にそんなに高級な機材ってオススメしにくいもの。とくに本当に初めてだとDJコントローラーのほかにもスピーカーやらヘッドフォンやら、いろんなものを買う必要があります。というわけで2019年現在最もオススメできるDJコントローラーは、Pioneer DJのDDJ-400。
DDJ-400は必要最低限の機能を備えながら、レイアウトも現場仕様。価格も3万を切ってくるモデルでこれだけのスペックというのはそうないので、DJをこれから始めたいという方にはピッタリ。
関連記事:初心者向けには最強のDJコントローラー「DDJ-400」が誕生
Native Instruments Traktor Kontrol S2 MK3
もう一つのモデルとしてオススメなのはNative InstrumentsのTraktor Kontrolシリーズからアップデートされた最新モデルS2(MK3)。オフィシャルサイトではMK3(マーク3と読みます)表記がありませんが、現在オフィシャルで販売されているものはMK3。つまりバージョン3ってことです。
メルカリとかには旧シリーズが結構売っていることが多いのでお気をつけください。
Native Instrumentsの良いところは拡張性。前述のKontrol F1などの機材を買い足して自分のDJセットアップをどんどん高度にしていくことも可能。僕はNative Instruments関連製品の剛性の高さとか、ツマミを回したときの質感とか結構気に入っていて、初めての人にはオススメしてますね。
今後を考えるなら高機能な中級モデルを選ぼう
初心者向けならまずは価格重視という感じではあるのですが、もう少しこだわったDJプレイを目指したいというひとには、やはり上のグレードのモデルのほうがオススメ。とはいえ20万超えみたいな機材を最初に買うのはオススメできないので、そこそこなものをちょっと紹介してみます。
Native Instruments Traktor Kontrol S4 MK3
Kontrol S4はS2の上位モデル。実はS8というさらに上位のモデルもったりするのですが、オススメはS4。S8は液晶ディスプレイがついていて、ダンスミュージック向けのDJプレイにはとても便利なのですが、ジョグダイヤルがついていないので、これから始めるという方にはS4のほうがオススメ。
S4は4チャンネルになったことと、エフェクトなどのパラメータを操作する操作子が多いので、操作も格段に楽にっています。さらにMK3になった現行モデルのジョグダイヤルは、ホットキュー(曲の再生開始位置)などを振動で伝えてくれる機能もあって、かなりハイテク。この機能かなり便利です。
ちなみにS8はジョグダイヤルを利用したDJプレイよりも、4つ打ちのループを利用したダンスミュージック向けのDJコントローラーと言えますね。
Pioneer DJ XDJ-RR
Pioneer DJからはXDJシリーズをまずひとつ。XDJシリーズというのはDDJシリーズとは違って、オールインワンDJシステムと呼ばれるシリーズ。簡単に言うとPCやiPhoneなどのスマホ、iPadなどのタブレットがなくてもDJできるという優れもの。USBメモリに楽曲データを入れておいて、XDJ-RRのコネクタに挿せば、すぐにDJをプレイすることが可能です。
XDJ-RRはかなり高機能ですが、グレード的にはフラッグシップではないので2チャンネルなのでけっこう買いやすい値段なのはオススメポイントですね。
Pioneer DJ DDJ-1000
DDJ-1000はDDJ-400の上位モデルとも言うべきモデル。ジョグダイヤルのなかにディスプレイを入れてしまうという、かなり攻めた構成になっています。
DDJ-1000は先ほど紹介したDJM-900NXS2であったり、同じシリーズのCDJ-200NXS2のボタンやノブと同じ配置になっていて、中級グレードにはとてもオススメのモデル。
他のDJとはちょっと違うモデルを選びたい方は・・・
ちょっと他のモデルを選びたいなあという方向けに、ミドルクラスのモデルを参考までにご紹介しておきます。
DENON DJ MCX8000
Pioneer DJやNative Instrumentsといったブランドは人気だし、会社としての安心感も抜群ではありますが、ちょっと他人とは違うモデルを選びたいという方向けにオススメなのはDENON DJ。MCX 8000はDENON DJのフラッグシップモデルではありますが、価格帯的にはミドルクラス。かなりオススメです。
とくにMCX8000はUSBだけでプレイすることができるので、PCもスマホも、iPadなどのタブレットも不要。かなり便利ですね。
Roland DJ-808
DENON DJの他のメーカーとしてはRoland。RolandはDJ機材というより、トラックメイキング向けのシーケンサーやシンセサイザーをつくっている会社。有名なのはTRシリーズで、シカゴハウスやテクノ創成期に重要な役割を担ったブランドですが、詳細はこちらの関連記事をどうぞ。
関連記事:Roland発DJコントローラー DJ-808/DJ-505/DJ-202 に注目する理由
DJ-808は簡単に言うとDJコントローラーにシーケンサーをのっけたような機材になっていて、DJ中のテンポに合わせてリアルタイムにトラックメイキングができるようになります。
こういうDJ×トラックメイキングという方向性は今後強まっていくと思うで、派生商品がサードパーティーメーカーからもどんどん出てくるかもですね。
DJを始めるならスピーカーやヘッドフォンも忘れずに!
今回はDJコントローラーだけの紹介にとどめますが、今からDJを始めたいと言う方はスピーカーやヘッドフォン、関連するケーブルの端子なんかのチェックも忘れずに。
関連記事:自宅でDJ!初心者向けおすすめスピーカーの選び方と基礎知識
関連記事:DJコントローラーを買う前に!必要なおすすめスピーカー、ヘッドフォン
参考:メーカー別 最新グレード別モデル一覧表
前回はNumarkとかも紹介してたんですが、今回は主要なものに絞ってグレード別の最新モデル一覧をまとめてみました。
メーカー | フラッグシップ | ミドル | エントリー |
Pioneer DJ | DDJ-RZX DDJ-RZ DDJ-SZ2 | DDJ-1000 DDJ-SX3 DDJ-SR2 XDJ-RR XDJ-RX2 | DDJ-800 DDJ-400 DDJ-200 DDJ-SB3 DDJ-WEGO4 |
Native Instruments | TRAKTOR KONTROL S8 | TRAKTOR KONTROL S4 | TRAKTOR KONTROL S2 |
Roland | DJ-808 | DJ-505 | DJ-202 |
DENON DJ | MCX8000 | MC7000 MC6000MK2 | MC4000 MC2000 |
年内にリリースされる最新モデルなんかはちょこちょこ追記していこうかなと思いますので、よければブックマークしてみてくださいな。それじゃ素晴らしいDJライフを!