これまでトップDJたちが腕を披露するクラブでは、ターンテーブル、CDJ、そしてDJミキサーという構成が一般的なものでした。しかし最近の小規模なクラブではかつて初心者DJ向けの存在だったDJコントローラーを常設しているDJブースも増えてきました。というわけで今回は、これからDJを始めよう!と考えているDJ初心者に向けて、DJコントローラーに関するいくつかのトピックと、オススメのDJコントローラーを紹介していければと思います(随時更新予定)。

DJコントローラーとは?

DJコントローラーとは文字通りDJの使うコントローラー。DJはクラブで曲と曲をスムーズにつないで、フロアを盛り上げるものですが、そんなDJが「今流れている曲と、次に流す曲をスムーズにつなげる」のがDJコントローラーということになります。ただもともとはDJコントローラーというものがなくってもDJというパフォーマンスは1960年代から成立していました。

 

DJが元来使っていた機材はアナログ機材

もともとはレコードとテープでDJをしていた

レコードでDJする、クラシックなケースの機材セットアップがこちら。2台から4台のターンテーブル(レコードプレーヤー)をDJミキサーにつなげることで、どのチャンネルの音楽を鳴らすか適宜調整しながら、ダンスフロアに音楽を流していく、というのが基本的なスタイルになります。

音楽メディアの主流はその後レコードからCDへと移行するにつれ、クラブのDJブースで使われるのはターンテーブルに加えてCDプレイヤーも増えてきました。DJ使用のCDプレイヤーは「CDJ」とかって呼ばれていて、今でも現場で見ることはできるぐらい一般化していますね。

で、さらに時代が下ると、再生機器も進化して、音楽はデータファイルとして取り扱われることになります。mp3とかの圧縮ファイル全盛期が2000年代ぐらいで、最近ではファイルフォーマッットはあんまり気にならないほど、CDJプレイヤーにはUSBの挿しこみ口とかついてて、いろんな音楽ファイルに対応していますね。

 

PCDJムーブメントがDJコントローラーの進化を加速

PCDJによるDJ音源のデータ化

音源がデジタルファイルになることで、起こった大きな変化はまず荷物の簡素化が進んだのが大きいです。12インチレコードは場所をとるので、移動するにも一苦労。それに比べればデータを持ち歩けば良い、ということになれば荷物はメモリースティック一本にできる。これは大きな進化ですね。

さらに、DJパフォーマンスそれ自体も、音源のデジタル化の恩恵を受けました。音源がデジタル情報として取り扱えるので、曲名やジャンルだけじゃなくって、音楽のテンポや音量の細かな情報までも瞬時に読み込むことができるようになり、その流れで生まれたのが、PCDJやデータDJと呼ばれる存在。

音源をPCやラップトップに入れておけば、ディスプレイで情報を確認しながら、ストレージに保存した音源を瞬時に読み込んでDJすることができる、それがPCDJとか、データDJと呼ばれるものの大きな特徴(以下PCDJと呼びます)です。このPCDJソフトを操作するためのものが、DJコントローラーというわけ。

PCDJではコンピューターに細かな作業を丸投げすることで、これまで一定の技量が必要だったテンポ合わせや選曲などを圧倒的に手軽に行えるようになりました。ボタン一発で次の曲とテンポが合っているのはアナログレコード時代からDJをやっている身からすると感動でもあるわけですが、一方でアナログ時代からDJをやっているひとのなかには、そういった便利ツールに否定的な意見もあるっちゃあります。

2010年代前半まではDJ向けのコントローラーというと一体型というより、特定の機能だけもたせたものが多かったのですが、徐々に「オールインワンで使えるDJ機材を」という声もあって、今では様々な形態のDJコントローラーが販売されています。

各社がDJコントローラーとPCDJソフト、アプリを開発

そうしてPCDJ時代の競争が始まりました。かつてのDJ業界でしのぎを削ったのは、VestaxやTechnicsといったブランドだったはずが、今やNative InstrumentsやPioneer DJといったデジタル時代のDJ機材を開発・販売するメーカーが業界の巨人。この2社は自前のDJアプリーケーションを開発していて、USB接続するだけで、DJミキサー、CDJといったこれまでバラバラに用意しなければならなかった機材をひとつにまとめたDJコントローラーを、幅広いラインナップで展開しています。これがいわゆるオールインワン型のDJコントローラー。最近ではPCを使わずにスマートフォンアプリと接続するだけで使えたり、USBメモリーに音源を入れておくだけで使えるモデルもあったりします。

DJコントローラーはこんな風にUSB端子でPCと接続して、アウトプット端子をスピーカーにつなげばすぐにDJをすることが可能。たらふくレコードを購入することもないし、ミックスするときにテンポが合ってないなんて先輩DJから面倒な説教を受けることもありません。

 

PC要らずになっていくDJコントローラーの最前線

数万円の初心者向けエントリーモデルから、多機能なプロ向けDJコントローラーも

DJコントローラー界隈のなかでまず起こったのが低価格化。つまり初心者向けのシンプルなDJコントローラーが爆発的に増えました。これまでDJを始めるには10万~30万円ぐらいの投資が最初に必要で、基本的にやりたい!と思っても始められないひとが多かったわけですが、オールインワン型のDJコントローラーで、5万、4万を切る価格帯のエントリーモデルが次々と登場することで、DJを始める敷居が革命的に下がったわけです。最近人気のモデルだとDDJ-400とかものすごく安い。

女子向けのものだと、もっとシンプルでオシャレなデザインのものもあったり。ちなみにこのDDJ-WEGOはスマートフォン接続だけでDJを始めることも可能!

価格が上がると音質や機能も高級なものになっていくわけですが、現段階でも40万を超えるものは無いですね。一番フルスペックのものになるとディスプレイがついて、音質も良くて・・・という感じになります。

一応DDJ-RZXなんかはDJコントローラーとしてはフラッグシップクラスに属するわけですが、DJ機材としてはミドルクラス。本当のプロ向け機材でいうと、Pioneer DJが出しているフェスや大型クラブ向けのDJミキサー「DJM-TOUR1」なんかになるとミキサーだけで市場価格60万ぐらい。TOUR1シリーズは本当のプロ向けなので、まあまあ納得ではありますが。

スマートフォン、タブレット対応になっていくDJコントローラー

もともとPCDJというのはパソコンのなかに保存された楽曲を、DJコントローラーを使って再生するものだったけど、ここ最近ではパソコンのいらないDJコントローラーも登場し始めてきています。それがスマートフォン対応のDJコントローラーたち。

この類のDJコントローラーはiPadやiPhoneにDJアプリをインストールしておき、USB接続することでDJプレイを楽しむことができます。有名なのはNative Instrumentsだと「Traktor DJ」。Pioneer DJが出しているものだと「rekordbox」。両社もちろんパソコン向けのDJソフトウェアをもとにスマートデバイス対応されたものなので、ソフトウェアとしての出来はかなり良いですね。

Traktor DJ (Apple iOS向けアプリ)

Native Instruments

rekordbox™ (アプリ版)

Pioneer DJ Corporation

スマホ対応という機能自体は割とエントリー層向けなので、低価格帯~ミドルクラスのDJコントローラーとか、単機能のものも多い感じですね。詳細は別記事にまとめてますので、興味ある方はどうぞ。→ iPhoneやiPadで使えるDJコントローラーについて

USBストレージ、USBメモリ対応でPCやスマホ要らずなモデルも

スマホやタブレットと接続するだけでDJできる!というのも便利ですが、最近ではUSBメモリに楽曲を入れて接続するだけでDJできるDJコントローラーも登場しています。実はさきほどのXDJ-RRなんかもそのひとつ。

rekordbox™ (アプリ版)

Pioneer DJ Corporation

USBメモリのみでプレイする場合、DJコントローラーに楽曲情報を表示させるディスプレイが必要になるので、Pioneer DJ製品が優位。ただ競合のDENON DJもUSBメモリのみでDJすることを前提にしたモデルを出しています。

USBメモリだけで行うDJというのは荷物が圧倒的に減らせるので、ものすごく便利。今回紹介したのはDJコントローラーだけですが、ミキサー部分を拝してCDJ形式になっている「DJプレイヤー」カテゴリだと、USBメモリを使えるモデルは結構多いです。→ USBメモリでプレイできる初心者おすすめDJコントローラー

 

その他のDJアイテムもお忘れなく

オールインワン型といっても、当たり前ですがスピーカーやヘッドフォンといった周辺機材やDJアイテムは必要になってくるのでお忘れなく。

・DJコントローラーを買う前に!必要なおすすめスピーカー、ヘッドフォン

・DJコントローラーを買う前に!必要なおすすめスピーカー、ヘッドフォン

あとは基礎知識。DJに興味があってもオーディオ関係の知識が少なくて困っているという声はちょくちょくいただくので、PA周辺の知識についてもまとめてみました(初心者DJとカフェ店長のためのスピーカー・PA機材入門)。DJ機材関連の記事は全部一覧をつくったので、こちら↓からその他の記事もチェックしてもらえると嬉しいです。

 

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