国内最大のDJ輩出実績を誇るIII FAITHS DJ SCHOOLさんへのインタビュー企画。シリーズ最後の今回は、DJとして伸びるひとの特徴や、DJシーンのこれからについて語っていただきました!

悪しき慣習は排除!な生徒第一主義

生徒さんって何名ぐらいいるんでしょうか?

常時80名ぐらいではありますけど、ハイシーズンになると100名ぐらいですね。やっぱ夏~秋のフェスシーズンが多いですね。やっぱフェスに参加してDJの素晴らしさを目の当たりにすると、やりてぇ!ってなるんでしょうね。

スクールを運営するうえで気をつけてこだわってることは?

生徒さん第一主義ですね。もともとDJやってたときから、DJシーンのなかでおかしなことってちょくちょくあって、「こういう習慣は良くないよな」とか思ってたんですけど、DJスクールを開設するに当たっても悪き習慣とかを踏襲しないように気はつけてますね。

何かちょっと悪ぶってるひとが集まってるみたいな偏見というか、イメージありますもんね笑。

そうそう。クラブっていうとやっぱりどこか悪いイメージあるじゃないですか?そういうのが自分は嫌だったので、もうカフェみたいなDJスクールにしたかった。全くの初心者が、気軽な気持ちでDJとして成長していける場所をつくりたかった。一般とクラブにある溝に架け橋をつくれるよう、バリアフリーにしたかった。

スクールに入った瞬間の、生徒さんの和やかな雰囲気を見ると、この想いは徹底されているなと感じました。

DJとして伸びるひと/伸びにくいひとの特徴

スクールを運営していて、こういう生徒さんはDJとして伸びるな。とか、こういうひとは伸び悩みがち、といった傾向は感じたりしますか?

これはもう必ずそうなんですけど、プラス思考のひとは絶対にDJとして頭角を現していきますね。逆にマイナス思考のひとは伸びない。

「誰でもできるレベルまで解説する」ていう前提でカリキュラムや支援体制をつくっているんですけど、自分でブレーキをかけちゃうひとはやっぱりいます。「こんなの私できない・・・」っていう。でもそう思っちゃうと立ち止まってるだけなので、前に進めない。一方、プラス思考のひとっていうのは、分からなくてもまずはやってみる、で先生からちゃんとフィードバックをもらってテクニックを磨いていく。そうすると、やっぱどんどん伸びてくんですよね。でも、これは何の世界でも一緒なんじゃないかなって気もします。

なるほど。練習が必要なものって、基本的にはそうなのかもしれないですね。向かっていく行動をさっと取れるひとと、自分でブレーキをかけてしまいがちなひとと。

そうですね。だから年齢って本当関係ないんだなって思います。

70歳でDJになりたいと思うひとは、前提として相当前向きですよね笑。

ただ、まあやっぱり70歳のひとがDJできるようになってから想像できる数年後のDJシーンと、6歳の子が見ることになる30年先ってやっぱり違いますよね。そこを考えると、やっぱり若いうちにこういうカルチャーに触れてもらいたいなっていう感じはあります。

もちろん何歳でも大歓迎ではあるんですけど。

プロデューサーとしてのDJ論

6歳の子の話でいうと、やっぱ現在進行形と未来に飛び込めるっていうのは強くて。

いまビルボードのチャートなんかを見てもほとんどがDJによるものですから、そういう可能性を想像できる強みっていうのは、若さにはあるんじゃないかな。まさにDJをやらないと良い曲がつくれない時代に突入しつつあるし。その肌感覚を前提にできてるかどうかっていうのは重要です。

曲流すひとが曲つくるっていう、シンプルなんだけど、すごく面白い状況がここ10年ぐらいでぐっと加速してきてますよね。オーバーグラウンドではEDMのDJなんかがすごく有名になってきてるわけですけど、もともとDJって優れたプロデューサーでもあるわけですもんね。Derrick MayとかJeff Millsとか。そういうののすごい進化版としてZeddとかが君臨しているのはわかる気がします。

私たちの次に目指すところっていうのは日本の音楽シーンをもっと次のレベルにもっていくことだと思うんですけど、そのためにはDJっていうパフォーマンスを一度通過することが絶対に必要です。なぜなら世界の最先端の音楽をいち早く仕入れてオーディエンスの反応を見るのは間違いなくDJですから。

これは○○系とかってその音を分別するのもDJ。それを分からないひとが曲をつくってるんですよね、今の日本って。DJをやって曲をつくって、世界に出していけるアーティストになれるかどうか。これが、僕らが考える次の10年の目線といったところでしょうか。

自身の出世作「Strings of Life」をオーケストラと共演するDerrick May

プロデューサーとしてのDJ論

そう考えると狙いが明確ですね。III FAITHS DJ SCHOOLでは、音楽制作も教えているわけですよね?

そうです。このDJブースとは別で、隣のスタジオでやってます。Native InstrumentsのキーボードとApolloのオーディオインターフェース、ソフトはLogicProですね。去年の6月に立ち上げてから、現在は70人ぐらいの生徒さんが通ってくれています。基本的には海外の音楽制作っていうのを意識してレッスンを行っています。

海外の音楽ってポップスも含めてすごく日本と違いますよね。音楽制作のレッスンでは、どういったところに注目して教えてらっしゃるんでしょうか?

日本と海外の違いって実は明確にあるんですけど、もう世界って結局15秒とか20秒のフレーズで勝負する時代になっちゃってるんですよ。

あ〜すごい分かる笑。ここ良いでしょ!っていう音の感じ。

ほんとうにそうで、日本の昔からあるような、3分かけて「良い曲でしょ?」っていう時代では全くないんですよ。もはやCMみたいな感覚で至極のフレーズを作りこんで勝負かけてくるんですよね。だから音が抜群に良い。もう音が良いっていうことに命かけてるんですよ。

キャッチーさにかけては凄いですよね。

そう。鳴ってる音が良いでしょ!っていう感じ笑

でも日本のトラックメーカーのひとたちって、やっぱそこが弱いですよね。圧倒的にそれを分かって無いんですよね、日本の曲つくってるひとたちは。

僕も最近、相方の影響で韓国アイドルの曲とか聴くんですけど、何気に結構カッコイイなって思っちゃうところあるんですよね。

悔しいけどキャッチーだし、歌無しでも十分踊れる韓国ヒットソング

日本人で昔「カッコいい」とされていたものをつくってたひとからすると、韓国の曲とかは先入観で拒絶してる感じありますよね。「ポップスだろ」とか「なんなんだよ」って感じで。

ただ感度が高いひとたちって、やっぱ気づいてて。ちゃんと解析すると、バッキバキに作り込まれてることが分かるわけですよね。あぁだからやっぱり音が良いんだって。

あ〜ここの部分からつくってんだろうな〜みたいな曲すごく多いですよね。アイドル系はEDMとかトラップの影響が多いから、僕はけっこう聴いてて面白いです。無茶苦茶お金かけて、ビルボードとかEDMをものすごく研究してつくってると思うんですけど。

2000年代のR&Bを彷彿とさせる感傷的なトラック

アイドル系は特に、この15秒でどうだ!って感じですもんね。もちろん日本には日本の良さがある、というのは前提としてありつつも、結局世界を席巻してる音ってどうなの?という観点から考えると、今の日本は世界には通用してないフレームワークで制作されていると言わざるを得ないんですよね。

韓国アイドルのティザー動画とかが妙にカッコイイのって、そういう抜きやすい音っていうのもあるのかもしれないですね。

DJスクールが見据えるがこれからのDJ像

海外がどんどん変化していっているという話の続きなんですけど、ここ10年でDJシーンってすごくいろんな変化があったと思ってるんです。DJをするための機材はとても安価なものが揃ってきたし、DJも増えてきて、最近ではクラブだけじゃない本当にいろんな場所でパーティーが開催されています。そんななかで、先生が感じていらっしゃるポイントがあれば教えていただけますか?

多様化しましたね。DJというものが。

DJと言えばこういうスタイル!っていうのは確かになくなりつつありますね。

例えばレペゼン地球さんなんかもDJなわけで、僕らみたいにクラブシーンで長くやってきて、やっと世界に勝負かけられるみたいなひともいるし、でもそれ以外でも趣味で始めてるひとももっとたくさんいて、やっぱりそれぞれのニーズっていうものが違うと思うんですよね。

昔はマイク握るDJなんてそういなかったですもんね。

プレイスタイル以外のところに注目されることも多くなりました。パフォーマンスでいうとマイクもそうだし、一挙手一投足がエンターテイメントというか。全体としてDJというパフォーマンスだという認識はもう一般的ですね。

ノリの良さはピカイチのレペゼン地球

DJへの関わりかたも多様化してきてますね。昔はオーガナイザーだけだったのが、僕たちみたいなDJスクールもそうだし、いろんなかたちで支援する仕組みもあって本当にシーンが多様化したなと思います。

どこに向かっていくんでしょうね・・・。

ここ数年、EDMがその爆発的な多様性を生み出した源泉だったわけですけど、音楽ってやっぱ日々進化しているので、ここ最近でいうと盛り上がりが衰退してきてるなって感じてます。それで昔流行ったものがまた目を出し始めてて、それがHIPHOPだったりするわけなんだけど。そういう次の芽がもう出てきていて、またここから10年がすごく進化していくんだなっていう勢いを感じます。

世の中ってこれからすごい勢いで変わってくとは思うんですけど、そのなかで僕が信じているのは、やっぱりDJだったりエレクトロミュージックっていうポップスを生み出す仕組みが、音楽業界を牽引していくのは間違いなくて、その真ん中にいるのがDJ。ただ、DJっていうのは単なる入り口みたいなもので、そこを通して曲を作るとか、発信するとか、そういったアクションが次の世代の発信手段になっていくんじゃないかなと思いますね。

お話を伺っていて感じてるんですけど、DJスクールとは銘打っているものの「DJ」っていうキーワードの意味はもっと深くて、そういう曲の作り方、広めかた、みたいな広い意味なんだろうなって感じがしてきました。

DJがいなかったら、DJがつくる曲も流行らないし、それを聴いて踊るひとたちも生まれない。DJっていうのはひとつのツールなだけなんですよね。音楽を通して自分を知ってもらうための。だから当然音楽を知ってもらうためにはDJが増えたほうが良いし、DJがで来る場所も増えたほうが良い。そう思ってます。

自分を変えたい?これからDJになりたい!と思っている方へ

こういうひとはDJに向いてるよっていうことがあれば、教えていただきたいのと、最後に「これからDJになりたい!」と思っている方へのメッセージをお願いします。

DJに向いてるひと、っていうのは実は僕の中で確信してる答えがあるんです。

ずばり一言でいうと、自分を変えたいひとですね。これにつきます。

と、いうと?

これまで3000人のひとたちを卒業させてますけど、やっぱりこんなひとに来て欲しい!というのは「自分を変えたい」と思ってるひとです。

ピアノをやったりギターをやることも素敵だと思うんですけど、ピアノやギターですぐにステージに立つことは難しいですよね。ただ、DJはすぐにステージに立つことができる。ステージに立つとひとって変わるんですよ。その変わるっていうところに関してはDJってすごい素敵なことだと思います。

ある種の自己肯定感というか、自信もつきますもんね。

うちのスクールでは、一度引きこもりだった生徒さんが通っていたこともあるんですけど、僕にとっても凄く勉強になりました。DJのテクニックを一つずつ学んでいくにつれて、その子がすごくイキイキした顔になるのが分かるんですよ。そして、最終的にはクラブのDJブースに入ってステージに立つところまで見届けられる。

DJですから新しい音楽に出会うことができるし、それを通じて新しい文化やたくさんの人と出会うことができる。これってすごい素敵なことだなって心底実感しましたね。

引きこもりからDJデビューは凄いですね・・・。

DJのレッスンって、うちの場合だとちゃんとしたカリキュラムに則ってやってるわけですけど、一つひとつ成長実感のある試練があって、これを繰り返しクリアしていくことでステージまで立てるわけです。で、ステージに立つことですごい達成感を得られるわけです。そういう一連の体験を提供できるように、すごく気を遣っていて、自分の考えていたことが間違ってなくて良かったと思いました。

「自分を変える」って良い言葉ですね。迷っている方は、DJになって変わっていく自分を想像してみるのも良いのかもしれません。

良く分かんない機材を買うぐらいならDJスクールに通ってもらって、体験を通じてDJというものを理解して貰いたいです。この素晴らしさは。もらえるように努力してますね。体験ってやっぱ重要で、DJって別にプロになる必要もないけど凄く良い経験になるんですよ。

別にプロになる必要もないけど、ちょっとだけでも自分が変わっていけるって思えるので、今の自分の殻を破ってみたいと思っているひとは是非気軽にいらしてください。

素敵なお言葉ありがとうございました。今日は本当にありがとうございました。

今日のお話、マジで録音しておけば良かったですね笑

ハハハ笑

III FAITHS DJ SCHOOLの体験レッスンはこちら

あ〜書き起こすの長かった笑。いかがだったでしょうか?自分を変えるためにっていう言葉は凄く素敵ですね。確かに僕も割と社交性は無いほうなんですけど、DJを始めたのがきっかけでいろんなひとと喋れるようになったなと思い出してみたり。

それに、これからのDJ像のお話も面白かったですね。DJというのは世界で戦っていくための入り口にすぎないっていう考え方は斬新でした。音楽制作スクールも用意してあるIII FAITHS DJ SCHOOLは渋谷だけじゃなく、全国に分校があるので、興味がある方は是非チェックしてみてください。

 

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