SaaSビジネスとは何だったのか

IT業界のひとならお馴染みなんだけど、SaaSという名称は「Software as a Service」の略。アプリケーションをソフトウェアとして販売するのではなく、オンライン上のクラウドサービスとして月額制などで提供することを指す。かつて1999年に創業したSalesforce.comが「The End of Software(ソフトウェアの終焉)」というビジョンを掲げたことで2000年から2010年ぐらいにかけて広まった言い方だ。

ちなみに書くと、SaaSという言い方、かつてはASP(Application Service Provider)と呼ばれていたものではあります。SaaSが新しかったのは「サービス化する」という発想。これまでASPと呼ばれていたものが指し示していた領域は、単純にアプリケーションのみなわけですが、「aaS」化するというアイデアは、「購入する」「所有する」という従来型のビジネスを、「サービス化」してしまえる、ということを意味していて、意外と広範囲に使えるのではないか?というのが、ここ数年分かってきた。

「aaS」と呼ばれることは無いけれど、一般消費者に馴染み深いサービスとしてはApple MusicやSpotify、Netflix、Huluといったサブスクリプション型のビジネスを挙げることができるだろう。実際ほとんどのひとは、定額制のサブスクリプションサービスで事足りるし、レコードやCDのジャケットを所有したいというマニアはマイノリティだ。

 

サブスクリプションによって「as a Service」化する波

サブスクリプションという課金形態というのは、経営的にも魅力的なメリットというのはいくつかあって、定額制だと契約時の心理的なハードルが低いので、どんなサービスであれトライアルキャンペーンなんかのプロモーションは実施しやすい。また、どれだけの期間で契約ユーザーが定期契約を解除するのか、傾向をあらかじめ予測することができれ、離脱までに上がる収益を前提として広告費を投下すれば良いので、宣伝の舵取りも容易だ。

そんなわけで、この日本でも(これまでは考えもしなかった)いくつかのサブスクリプションサービスが登場しつつある。例えば家具をレンタルできるKAMARQだ。KAMARQはもともとシンガポールの持ち株会社が親会社だが、グループ企業内では定額制の家具レンタルサービスはもちろん、家具自体から音が鳴るベンチ型のスピーカーなんかも出している。

一般に馴染みが深そうなのは洋服のサブスクリプションサービスで、メチャカリなんかは定額制で洋服が借り放題。1着1万円ぐらいのワンピースがあったとして、何人借りてくれれば減価償却できるのかは知らないけど、部屋に洋服を置くのが嫌なひとは購入するより借りる方を選ぶだろう。

こうして、いろんなものがサブスク制に移行して、「as a Service」化していく。世の中的にはあと数年も待たない間に、こういうビジネスがもっと一般化していくんだろうなと僕は思っている。どの急先鋒、最も筋が良いと僕が思うのが、自転車関連の事業だ。

 

2020年にはeBikeがMaaSとして事業化される?

僕はけっこう本気で2020年ぐらいには自転車がサブスクリプションサービスに組み込まれるだろうなと思っていて、それは「Mobility as a Service」とか呼ばれている。現状では自動車の自動運転サービス関連のテクノロジーを指している場合が多いわけだけど、まあ移動手段のサービス化といったところでしょうか。

電動アシスト自転車というのは元来子供を乗せるためのママチャリ向けの仕様だったわけだけど、ここ数年スポーツバイク領域でもeBikeと呼ばれて注目され始めている。その多くはクロスバイクやマウンテンバイク仕様になっていて、スピードというより坂道やオフロードを快適に走れるように設計されているものが多い。

TREK eBike Dual Sport+

当たり前だけど電動アシストバイクの動力は電気なのでバッテリー付き、TREKのeBIKEカテゴリーのモデルには、サイクルコンピューターもついていてカスタマイズすること無しに高度なスピードメーターやケイデンスの計測が可能だ。

バッテリーが付いているので、ここにGPSやSIMが搭載されれば、盗難されても簡単に追跡できるわけだし、乗り捨てのレンタルサイクルサービス事業をつくったとしても、簡単に回収することは可能なはずだ。将来的には自動車のようにブレーキの制動力で発電したりできるようになって、コンセントでの充電自体、回数は少なくなるんじゃないかなあと思ったりしている。

電動アシスト自転車というのは安いものでも20万しないぐらいはするものなので、買い切りで普及するよりも、カーシェアリングサービスのようにレンタルサイクルのほうが使いやすい。自動車よりもひと月あたりのレンタル費用もかからないし、東京オリンピックで混雑する道路を攻略するには、自動車よりも自転車のほうが圧倒的に便利なはずだ。

現状ではシニア層がちょっとスポーツ感覚を楽しみたい、というニーズで作られているケースは多いらしいけど、雪道を走るためのファットバイクなんかでも電動アシストverのモデルが出始めている。マウンテンバイクなんか、山道を駆け上がるなら圧倒的に電動のほうが良さそう。

いま売られているモデルをざっと見てみると、ロードバイク風なのは少なくって、クロスバイクやマウンテンバイクのほうが多い印象。やはり街乗りを快適に、というほうが市場のニーズとしては大きいんでしょうね。

Panasonic XM2 電動アシストマウンテンバイク BE-EWM40
パナソニック(Panasonic)
YAMAHA YPJ-ER フレームサイズ:L カラー:マットブラック
ヤマハ(Yamaha)

六甲山とかこれで登れるんだって思うと、俄然楽しそう。

 

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